パタヤ沈没日記3
ソイブッカオのバービアの話である。
21歳のバービア嬢がいる。
知り合ったのは半年ほど前のこと。
子持ちだけど、体の線は崩れていないし、顔もかわいい。
日本人や韓国人好みの顔立ちと若さだ。
ペイバー候補だったけれど、なかなかタイミングが合わずに体を合わせることはなかった。
たまにバービア前で挨拶を交わすだけの関係となっていた。
バービア誤会計事件
この日は、たまたま彼女の働くバービアでパーティをやっていた。彼女と顔を合わすのもひさしぶりだった。
パーティをやっていることだし、1杯だけ飲んでいくか。
彼女にもレディドリンクを進呈。
カラオケを歌う彼女。うーん、下手くそだ。でも、それだけに可愛げがある。
歌い終わると、わたしのところに戻ってきて、膝の上に座る。
けっこう酔っ払っているようだ。
膝の上で股間をすりすりして、「パイ ショートタイム」と誘ってくる。
盛り上がってまいりました。
が、この時もタイミングが悪く、別件の予約が入っていた。
それにショートよりもロングでゆっくり過ごしたい。
やんわりと断り、チェックビン。
が、伝票が明らかにおかしい。
ビール1本とレディドリンクしか注文していないのに、500バーツとなっている。
どうやら、同じテーブルに座っていた他の客のドリンク代が合算されているようだ。しかも、その客はすでに退店済み。
ああ、面倒くさいパターンだ。
彼女にその旨を告げて、キャッシャーの元へ行かせる。
が、うまく通じなかったのか、少しだけ安くなっているものの、まだ他のドリンク代がついたまま。
ここで怒っても話は進展しない。
冷静に自分の飲んだドリンクと彼女の奢ったレディドリンクの金額を確認させつつ、再度訂正を求める。
このあたりで彼女は半ばキレ気味。キャッシャーの元へズカズカと歩いていく。
キレたいのはこっちだが、キレたらおしまい。
キャッシャーの席が奥にあるのでこちらからは見えないが、たぶん、キャッシャーもキレているだろうなあ。
タイではありがち。
なかなか彼女が戻ってこない。
最終的には、正規の額が記された伝票を提示された。
よし、これでいい。問題なし。
小額紙幣がなかったので500バーツ札で支払い。
あとは釣り銭を受け取ればおしまい。最終的には問題なければそれでいい。20バーツくらいチップを置いていこうと考えていた。
が、今度は釣り銭が足らないではないか。しかも50バーツも。
いい加減キレそうになったが、やはり冷静に対処。
代金が◯◯バーツで、500バーツ払ったから、釣り銭は◯◯バーツだよね。でも、ここには◯◯バーツしかないよね。50バーツ足りないよね。
ということをなるべくゆっくり、それでいて力強く主張。
完全にキレた状態で彼女がまたキャッシャーの元へ。
もう知らんわ。
憤然とした表情で彼女が戻ってきた。
今度は正しい釣り銭額だった。
が、1バーツコインが数十枚置いてあった。
あほか。
なんというセコい嫌がらせ。
キャッシャーの上気した鬼の形相が目に浮かんだ。
こちらも鬼の心境だよ。
1バーツコインもすべて回収して、無言のまま即座に立ち去る。
せっかく仲良くなった21歳バービア嬢だが、これで完全におしまいだな。
さすがに気分が悪い。会う気が失せる。
向こうも同じ気分だろう。
これでおしまい。
再会
この事件から、約1ヶ月後のこと。
わたしは、とあるバービア群を歩いていた。
すると、突然、一人の女性が飛びかかるようにして抱きついてきた。
あれま、誤会計事件のバービア嬢ではないか。
しきりに抱きついてきて、「キットゥン」だのなんだの言っている。
おまけにチューまでしてくる。
かなり酔っ払っているご様子。
というか、知らないうちに勤務先を変わっていたのね。
聞いてみたら、もうあのバービアは辞めたという。
一ヶ月前の誤会計&釣り銭事件のことなど、まったく気にしていない様子。それともまったく覚えていないのか。
とりあえず一緒に飲む。
飲んでいる最中もずっと寄りかかってきて、なかなかいいムード。
うむ、かわいいやつ。
挙げ句には、「ペイバーしてほしい。ロングタイムで1000バーツでいいから」と誘ってくるではないか。
一瞬、耳を疑った。
ちょっと年増で人気のないバービア嬢なら、生活費欲しさでやむにやまれずロング1000を受け入れることはあるが、この若さとルックスのバービア嬢が、自らロング1000を切り出してくるとは思ってもいなかった。
念のため確認すると、やっぱりロング1000バーツでいいとの返事。
うるうるした目で見つめてくる。
それにしてもさっぱりわからない。
会計であれだけ揉めて、険悪な雰囲気で別れたのに、まるで何事もなかったかのように、それどころか相場を逸脱したダンピング価格でいいからペイバーしてくれと懇願してくる始末。
もう何がなんだか。
タイの夜の女性の思考回路がさっぱりわからない。
が、さっぱり理解できないということはしっかり理解しているつもりだ。
数限りない出会いと交流を経て、そういうもんだと悟るに至った。
いちいち真剣に考えていては身が持たない。
今、現前にあるがままを受け入れるしかないのだ。
20歳そこそこのスタイルがよくて可愛い子が潤んだ瞳でロング1000バーツでいいから連れて帰ってくれと懇願している現実があるだけ。
それを受け入れよう。
ペイバー
さくっとペイバー決定。
バーファインは300バーツ。
レディドリンクを合わせた飲み代が200バーツ。
合計500バーツを明朗会計でお支払い。
さくっとお持ち帰り。
かなり酔っているようだが、きちんとシャワーを浴びて、いざベッドへ。
服の下は思ったよりも肉付きがよいが、太っているわけではない。
子供がいるんで、胸はやや垂れ気味ながらも、しっかりとした大きさと弾力がある。
何よりも、濃厚サービスが素晴らしい。
上から下までべろべろと。もっとも下の奥にある穴までべろべろと。
たぶん酔っているせいだな。
一戦終えると、お互いふらふらになった。
彼女はそのままシャワーも浴びずに、素っ裸のまま眠りこんでいた。
さすがに1時間ほど眠ったところで目が覚めたのかシャワーを浴びに行っていたようだが、戻ってくると、また素っ裸で抱きついてきて、そのまま就寝。
彼女はひたすら眠る。
ひどい寝相だ。
翌朝、というか、すでに昼過ぎだが、起床。
そのまま2回戦目もきっちりこなす。
これは優良嬢だなあ。
チップは事前の約束どおり1000バーツ。それに帰りのタクシー代として100バーツを加えた。
うーん、ラッキーなのか、単に気まぐれに付き合わされただけなのか、まあおいしい思いができましたな。
こういうことがあるから、タイの夜遊びはおもしろい。タイの夜の女性たちとのつきあいはやめられない。
深く考えてはいけない。今を楽しもう。
このバービア嬢とはその後も関係が続く。
パタヤ滞在最後の1ヶ月で4,5回ペイバーしたかも。
最初の連れ出しがロング1000バーツだったので、その後もロング1000バーツでオッケー。
バービア勤務はサイラーイと呼ばれるフリーランス扱いだそうで、出勤時間は自由。早帰りもオッケー。
よって、時にはバーファイン不要で部屋に来ることもあった。
最初にバービアで一緒に飲む。今晩一緒に寝ることを約束して、ばらばらにバービアを出る。
それからわたしのアパートで合流するという流れだ。
これでバーファイン300が浮いたうえに、ロング1000バーツとなる。さすがに頻繁にやるとママさんから疎まれそうなんで、基本はきちんとペイバーしていたけれど。
あと、彼女に用事があってどうしてもショートのみの場合は、800バーツとなった。
今どき、バービアでショート800は安いよなあ。ロング1000も安いけど。
メイン顧客はやはり日本人と韓国人だそうな。
ショート1500、ロング3000を要求すると言っていたが本当かね。
「ショートタイム800、ロングタイム1000はあなただけ。キーコーン(ずるい、狡猾、英語のcheat)」と言われてしまった。
いやいや、最初に1000バーツでいいとからと誘ったきたのはそっちでしょうに。
でも、サービスはばっちりだし、ロングだと昼過ぎまで一緒に過ごす優良嬢。
キーコーン呼ばわりされたけど、けっこう楽しくやってます。
たぶん、韓国人か日本人の上客がいるんだろうなあ。
そういった相手がパタヤ訪問中はがっぽり稼いで、それ以外の閑散期には、わたしのように暇はあるけどカネがない男を相手にしているのだと思う。
何にせよ、パタヤ沈没生活では、こんな楽しくも安上がりな過ごし方もあります。
すべてはタイミングと相性とその場のノリ次第。
この3つが揃えば、いくらでも楽しく遊べます。
逆にいえば、その3つが合わない場合は、カネの力でねじ伏せるしかない。
長期滞在の場合は、数をこなすことによって、チャンスが降ってくることが多くなるだけのこと。
短期の場合でも何度も訪問を重ねて、店をハシゴして、知り合いを増やしていくと、チャンスが舞い込んでくる。
これだというタイミングで即決すれば、それなりにおいしい思いができるでしょう。
パタヤは楽しいなあ、やっぱり。