フライトを利用する際に困るのが欠航や遅延だ。
事前に欠航や遅延がわかっていれば対処しようもあるが、中には空港に着いてから知らさせることもある。もっとひどいケースでは、ちゃんと機内に乗り込んだあとでやっぱりやめると言われること。
そんなケースが羽田空港で発生した。バンコク行きのタイ航空便が15時間も遅延した。
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羽田発バンコク行きTG661便大幅ディレイ
11月12日午前0時20分発予定だったタイ航空のTG661便。
このフライトが15時間もの遅延となった顛末を搭乗していたタイ人がSNSで報告している。
タイ国内のニュースでも報道された。
以下、かいつまんで紹介しておく。
TG661便は、11月12日午前0時20分発予定。
全員が機内に乗り混むものの、なかなか出発しない。
2時間以上経過したところで、燃料系の機体トラブルのため、出発が不可能とのアナウンスが流れる。タイから部品を取り寄せて、修理完了まで待つ必要がある。
午前3時頃に全員が降機させられて、ゲート付近で待機。
その15分後に、新しい出発時間は15時になったと告知される。
乗客がゲートにいる地上スタッフに外出してもいいか尋ねるが、このまま待機するよう言われる。ゲートにいない乗客は置いたまま出発すると。
空港周辺のホテルは満室のため、機材修理が完了するまでゲートで待つ必要があると告げられる。
地上スタッフのまわりはちょっとした暴徒の集まりとなった。ゲートにはタイ語が話せる地上スタッフがおらず、タイ人にはコミュニケーションの壁があった。
現場スタッフでは対処できなくなり、マネージャーに連絡。
マネージャーは自由な外出を許可すると発表。午後3時までには出発しないので、乗客を置き去りにすることはないと。
1時間後に日本人スタッフが、乗客に対して水や軽食を提供。
さらに羽田空港内の飲食店で利用できるミールクーポン3,000円分を配布。
午前5時に乗客はゲートを離れいった。
そのままゲートで寝る人もいるが、ゲートは別のフライトが利用するため、移動する必要に迫られた。
ラウンジが利用できる人は、ラウンジで寝ていた。
また自分で宿泊可能なホテルを探す人もいた。
そして午後3時。
いよいよ再出発の搭乗に向かう。ゲート番号は変更されていた。
管理者より、元々の搭乗券にメールアドレスを書くよう言われる。将来的な補償が行われる可能性があるため。
搭乗開始となったが時間がかかる。全員のパスポートを確認し、新しい搭乗券を発行するためだ。
その後、日本人の管理者が機内に入ってきて、事件について謝罪。
午後3時半にようやく動き出し、4時20分に離陸した。
その後、タイ航空からはタイ航空フライト購入に利用できるバウチャー300ドル分がメールで送られてきた。
スワンナプーム空港到着時にはタイ航空の幹部たちがゲートに並んで乗客たちを出迎えて、謝罪。
バゲージクレームでは新たに飲料水が配られた。
以上がタイ人乗客による報告だ。
⇒https://www.facebook.com/NutiTuckHutasingh
航空機遅延の補償について
15時間ディレイに対する補償はこのようになったとまとめている。
・羽田空港ゲートでの軽食配布
・羽田空港で使える3000円ミールクーポン
・タイ航空からの300ドルバウチャー
・旅行保険補償(もしあれば)
タイ人乗客の不満点は、地上スタッフでタイ語が話せるスタッフがいればよかったのにというもの。
日本発だが、やはり乗客の大半はタイ人ということになる。でもタイ語が通じない。機内スタッフはむろんタイ人がいるが、地上スタッフにはいなかった。対応にあたるのは地上スタッフのため、コミュニケーションに苦労したようだ。
これがスワンナプーム空港であれば、逆にタイ語も英語も話せない日本人にとってはきつい状況になろう。
言葉のわからない海外の空港で不測の事態に巻き込まれるのは不安でしかない。
ちなみに、個人的にはスワンナプーム空港発北京行きの中国国際航空で大幅ディレイをくらったことがある。チェックイン時に夜のフライトが早朝に変更された。たしか8時間くらいのディレイ。
その時は、制限エリアに入る前だったので、スワンナプームからバンコク市内のホイクワンに移動して、ひとっ風呂浴びてさっぱりしてから、深夜のタクシーで空港に戻った。ミールクーポンももらったので空港内で食事もできた。
あと、今回の対応では、たとえホテルが満室でも、空港シャワーが利用できるクーポン券の配布があればよかったとも投稿者は言っている。
羽田空港第3ターミナルのシャワールームは、30分1500円だ。リフレッシュルームは60分3000円。
15時間ディレイで寝るところもシャワーを浴びることもできないのはしんどい。
深夜ということで航空会社ラウンジは営業していないが、朝からは利用できる。
プライオリティパスやクレジットカードで入れるラウンジは24時間営業。
こういう時はラウンジが利用できると助かる。
フライトステータスでは、このようになった。
(グーグルより)
0時20分発が、15時に変更に。実際の離陸は16時20分。
バンコク到着は5時25分予定だったところ20時53分となった。
結局、15時間30分遅れの到着。
タイ航空からの補償は、タイ航空チケット購入に使える300ドル分のバウチャーとのこと。
現在のレートで45,000円ほど。
日本-バンコク往復のエコノミークラスだと安くて9万円ほどとなっており、ほぼ片道分に相当する額面の補償があったことになる。
わりとしっかりした補償だと思う。
LCCでは基本的になんの補償もない。せいぜい軽食とドリンクを渡されるだけ。
昨年マニラ発のエアアジア便で大幅ディレイが体験したけれど、水とお菓子しかもらえなかった。
その点、フルサービスキャリアはしっかりしている。もし乗り継ぎがあってもきちんと対応してもらえる。ただし、LCCへの乗り継ぎだとどうしようもない。
15時間遅れはきついけれど、実質片道分無料になったと思えば、なんとか我慢できるかなと。
投稿者の人は最悪の経験だったと言っているけれど。
また、海外旅行保険の遅延補償については対象となる。
ただし、遅延にともなって出費したホテル代や飲食代や移動代へ補償となる。
個人的には、2008年のスワンナプーム空港占拠事件で日本に帰れなくなった際に遅延補償を受けた。延泊を余儀なくされたホテル代やタクシー代や日本への電話代などがちゃんと補償された。
申請がかなり面倒くさいのが難点で、書類を揃えて、何度も保険会社とやり取りしたのを覚えている。
まとめ
数多くのフライトを重ねていると、ディレイには必ず遭遇するはずだ。
機材トラブルもあれば、悪天候による運行見合わせもある。
今回のTG661便の15時間ディレイはちょっと異例だけど、こればっかりは運次第。
タイ航空はわりとしっかりした対応だと思う。ゲートでの意思の疎通の問題はあったにせよ、最終的には補償までしてもらえる。
まあでもやっぱり深夜に15時間のディレイにかちあたるのは勘弁してほしい。
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