海外旅行には、海外旅行保険に加入していることが大事だ。
旅先で病気や怪我をすると、多額の医療費が求められる。その際に海外旅行保険に入っていないと、大変な目に合う。
わざわざ海外旅行保険に加入せずとも、クレジットカード付帯の海外旅行保険で賄うこともできる。
付帯は2種類ある。一つは何も買い物しなくともクレジットカードを有しているだけで自動的に海外旅行保険が有効となる自動付帯。もう一つが海外旅行に際して旅行代金をクレジットカードで決済することで海外旅行保険が有効となる利用付帯だ。
注意すべきは、ここ1,2年で各クレジットカード会社の海外旅行保険付帯条件が変更となっていること。自動付帯から利用付帯への変更が進んでいる。
2021年にはセゾンカード、そして2023年4月1日にはJCBでも変更が実施される。JCBゴールドカードでも自動付帯とならない。
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JCBクレジットカード海外旅行保険の付帯条件変更
JCBでは、「カード付帯保険の適用条件改定のお知らせ」を発表している。
2023年4月1日(土)より、JCBのクレジットカード・デビットカードに付帯する海外・国内旅行傷害保険、国内・海外航空機遅延保険の適用条件を改定するというものだ。適用条件改定後も補償内容・保険金額は変わらない。
詳細⇒https://www.jcb.co.jp/release/incidental-insurance_2210.html
これまで自動付帯であった海外旅行保険が、一部カードでは、利用付帯に変更される。
改定は、4月1日出発以降となる。つまり、明日以降の海外旅行出発では新しい条件が適用される。
改定対象となるカードは多い。
主にJCBグループが発行するゴールドランク以上のクレジットカードが対象だ。
わたしがメインで使っているクレジットカードは、マイレージプラスJCBゴールドカードだ。
これも条件変更の対象となっている。
3月31日出発までは自動付帯だが、4月1日以降の出発では利用付帯となる。
マイレージ関連カードでは、ANA JCBスーパーフライヤーズゴールドカードや、JAL CLUB-Aゴールドカードなどは対象外。これまでどおりに自動付帯となる。
一部の一般カードも変更の対象だ。
たとえば、ロイヤルオーキッドプラスJCBカード、マイレージプラスJCB、リクルートプラスなど。
JCBブランドでどのカードが変更となるかは、自分でよく確かめておいたほうがいい。
また、3月31日までに日本出発していれば、旅行中は自動付帯条件が適用され続ける。わざわざ4月1日以降に海外でカード決済する必要はない。
海外旅行保険の適用期間は基本的に90日だ。
旅行期間といって、日本出発から帰国日までが旅行期間になるが、最大で90日という限度がある。
たとえば4月1日に出発すると、90日後の6月30日までが保険適用期間となる。
この期間を越えると、保険適用がなくなる。
一度帰国すれば、リセットされ、次回の海外旅行でまた有効となる。
セゾンカードも利用付帯に変更済み
サブで使っているクレジットカードが、マイレージプラスセゾンカードだ。ゴールドではなくて一般クラス。
国際ブランドはVISAを利用しており、海外でJCBが使えない際にはこのセゾンVISAで決済するようにしている。
セゾンカードは、2021年7月1日より海外旅行傷害保険の変更を実施している。
マイレージプラスセゾンカードも対象となった。
以前は自動付帯だったものが、利用付帯に変更となってしまった。
詳細⇒https://hoken.saisoncard.co.jp/incidental/
セゾンに続きJCBも海外旅行付帯条件が変更になってしまった。
メインで使うクレジットカードの2枚とも利用付帯である。
他にもクレジットカードは持っているが、もともと利用付帯だった。
これで手持ちのクレジットカードの海外旅行保険はすべて利用付帯に。
利用付帯を適用させる方法
では、利用付帯の海外旅行保険を有効化するにはどうすればいいのか。
簡単にいえば、海外旅行で交通機関を使う際に該当クレジットカードで支払えば有効となる。
航空機、電車、船、タクシー、バスなどの公共交通乗用具だ。
これは日本を出発する前でもいいし、海外に到着してからでもいい。
セゾンのホームページより引用する。
対象
・航空券
・燃油サーチャージ
・新幹線運賃
・リムジンバスチケット
・タクシー
など
対象外
・レンタカー
・電子マネーチャージ代
・プリペイドカード購入費
・空港使用料
・航空券発券手数料、超過手荷物料金
など
あとは、航空券やホテルがセットになったパッケージツアー代金ももちろん対象に含まれる。ただし、会社の社員旅行や業務出張は対象外だ。
JCBでも内容は基本的に同じだ。
たとえば、海外へ行くための航空券をクレジットカードで購入すれば、利用付帯条件はクリアする。
日本の空港へ向かう際の電車やバスの運賃をクレジットカードで支払ってもオッケー。関空でいえば、関空リムジンバスは一部券売機でカード決済できる。
タクシーでも認められる。ただし、海外旅行に関係ないタクシーは不可だ。
海外に到着してからでも、利用付帯の有効化はできる。
たとえば、タイに到着してから、電車やバスのチケットをクレジットカードで購入すればその時点で海外旅行保険の適用が開始される。
海外でのGrabの利用はどうなのか。Grabカーはクレジットカードでの決済ができる。絶対とはいわないが、Grabも対象に含まれるはずだ。これはクレジットカード会社によって判断が異なることがあるため、必ず確認しておいたほうがいい。
自動付帯から利用付帯に変更となったものの、個人的にはほぼ影響がない。
日本から海外へ行く際の航空券の購入ではJCBカードで決済している。一部LCCではセゾンVISAで決済する。
また日本の空港へ向かう際のリムジンバスでもクレジットカード決済している。
さらには、海外滞在中にバスや航空券も購入することが多い。
バンコクならばMRT(地下鉄)でVISAでタッチが使える。この時点で保険適用開始だ。
スワンナプーム空港からパタヤ行きバスや、バンコクからパタヤへ行くバスも事前予約でクレジットカード決済ができる。
正直、特に問題なし。2枚のクレジットカードとも、簡単に利用付帯条件をクリアできる。補償内容的にはJCBゴールド1枚で充分だろうけど。
多くの旅行者も同様だと思う。
日本から海外へ向かう航空券をカード決済しておけばいいだけだ。
2枚目のクレジットカード利用付帯保険も有効にさせたいならば、日本で空港へ向かうバスをカード決済するか、現地でバスや電車などの公共交通機関をカード決済すればいい。クレジットカード対応のタクシーでも大丈夫だ。
海外長期滞在での裏技は?
海外長期滞在者には、よく知られた海外旅行保険の裏技が存在する。
クレジットカードの海外旅行保険の利用付帯条件を利用して、保険期間を延長させるというものだ。
自動付帯の場合は、日本出発時点で自動的に海外旅行保険の適用期間がスタートする。(厳密にはフライト出発前日から有効となっているが)
利用付帯でも、日本出発前に航空券などをクレジットカードで購入しておくと、出発日から保険適用期間がスタートする。
が、日本ではクレジットカードを使わずにいて、海外滞在中にクレジットカードを使うと、その時点で保険適用が開始される。
クレジットカードの海外旅行保険によっては、海外でカードを使った時点から90日間有効となるものがある。
この仕組みを利用すれば、以下のようなことができる。
1枚目のクレジットカード海外旅行保険は、4月1日の出発日に有効にしておく。6月30日までが適用期間だ。
7月1日以降も海外にそのまま滞在を続けると、無保険になってしまう。
そこで、7月1日に2枚目のクレジットカードで現地の公共交通機関の支払いを行い、利用付帯海外旅行保険を発動させる。これにより90日間の保険適用適用期間がスタートする。7月1日から9月30日まで保険が使える。
1枚目のクレジットカードの海外旅行保険が切れても、また新たに90日間過保険が使えることになるわけだ。
合計180日となった。
3枚目のクレジットカードがあれば、さらに90日伸びて、270日。
これをクレジットカード海外旅行保険延長の裏技なんて言ったりする。裏技というか、昔からの定番のやり方だ。
さて、今回条件が変更となったJCBカードやセゾンカードはどうなのか。
自動付帯から利用付帯に変更されたので、海外で公共交通機関を使えば、保険適用期間延長に使えそうなものだ。
が、これは不可。
裏技は通用しない。無理だ。
JCBもセゾンも旅行期間というものが定められている。
日本出発から最大で90日が旅行期間だ。
たとえ、海外滞在中のカード決済で保険適用が受けられるようになっても、その時点から90日間の保険適用が受けられるわけではない。
旅行期間が最大90日と決まっているので、それ以上には伸びない。
たとえば、4月1日に日本を出発すると、旅行期間は6月30日で終了する。これがマックスだ。
5月1日に海外で公共交通機関を使い、保険適用を開始させたとしても、もともとの旅行期間である6月30日で保険適用も終了となる。7月30日まで保険が使えるわけではない。
4月1日から4月30日までの30日間は保険適用期間外で、5月1日から6月30日までの保険適用期間内ということだ。
このことは、セゾンカードに直接電話して確認した。約款でも確かにそうなっている。
JCBには直接確認していないが、約款を読むかぎりでは、セゾンと同様のシステムだ。
よって、海外旅行保険延長の裏技には使えない。
が、一部のクレジットカードでは、まだこの裏技は有効のようだ。
たとえば、リクルートカード。
最新の約款を読む限りでは、裏技対応のままだ。
日本出国後に公共交通乗用具の料金にリクルートカードを利用した時は、最初の利用時から3ヶ月後の午後12時までが旅行期間とする、と書いてある。
つまり、海外滞在中に公共交通機関のチケットをカード決済すると、その時点から保険適用が開始されて、最大90日間の適用となるわけだ。
海外旅行保険延長裏技には引き続き利用できるということになりそう。
リクルートカードは年会費無用。
海外旅行保険の補償額がさほど高くないものの、無保険で旅行するよりは100倍もマシだ。
年会費無料で海外旅行保険が使えるのだから、持っておいて損はないと思う。
海外旅行の際には、公共交通機関の決済に使っておくことを忘れずに。
まとめ
パンデミック中には、国によっては入国時に海外旅行保険の加入を義務付けていた。タイでも高額補償のある保険加入がないと入国できなかった。
また、海外渡航先で感染して、高額の入院治療費が必要だったり、陽性のため2週間ホテル隔離されて高額費用が必要になったケースも多い。海外旅行保険で賄うことができた。
クレジットカード自動付帯の海外旅行保険で、そういった高額補償が頻発していたのは想像に難くない。
旅行者自体は少ないのに、高額補償が多発。クレジットカード会社の負担がかなり大きかったのだろう。
自動付帯から利用付帯への変更は利用者にとっては改悪だけど、やむを得ない気もする。
条件は変更になっても、補償内容自体に変更はない。
普通にクレジットカードで航空券を購入してから、海外旅行に出発すれば済む話ですな。
もうすでに該当クレジットカード以外の決済方法で航空券購入しており4月1日以降に出発予定の場合は、日本の空港までの移動において電車やバスやタクシーでカード決済しておきましょう。
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