日本でもタイでもオミクロン株への警戒は変わらない。
タイでは4人目のオミクロン株感染がほぼ確定的となった。
日本では水際対策を強化し続けているが、ついに隔離ホテルのキャパシティが限界を迎えたようで、一部規制を緩和し、強制隔離対象国が大幅に減らされる事態となった。
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タイでのオミクロン株感染者4人目
12月8日、ナイジェリアから帰国したタイ人2人のオミクロン株感染の疑いが濃厚と発表された。
2人は、11月13日から23日にナイジェリアでの会議のために通訳として参加。会議中はマスクを着用していなかった。
ナイジェリアでのPCR検査では陰性となり、11月24日にカタール航空の経由便でタイに到着。ワクチンは接種しておらず、隔離ホテルに入った。その際の検査で陽性となる。
追加の検査のため検体が送られた。
12月9日の保健省発表では、2人ともオミクロン株に感染していることが確認されたという。これでタイでは3例となった。
さらに、保健省はコンゴから帰国したタイ人もオミクロン株感染の可能性が高いと発表。ゲノム解析をしており、数日中に結果が判明する。
これが確定すれば累計4例となる。
すべてのオミクロン株症例は海外から来たもので、タイ国内感染はないと保健当局。
タイでは現時点では入国制限や国内規制をこれ以上厳しくする方針は打ち出していない。
これまでどおり日本からは隔離免除でタイに入国できる。
日本の水際対策が緩和
日本では、オミクロン株に対する指定国を日々増やしている。指定国からの日本の入国する際には、3日以上の強制隔離が求められる。
12月9日の夜に新たな水際対策が発表された。
アイスランドとインド(ラジャスタン州)がオミクロン株指定国とされ、待機なしから3日間待機(強制隔離)へと変更される。運用開始は12日より。
逆に、UAEは強制隔離を外され、待機なしへと変更された
これで、オミクロン株指定国・地域は合計41となった。
タイは、いまだにオミクロン株に対する指定国となっておらず、これまでどおりタイからの日本帰国では14日間自宅待機のまま。
オミクロン株への水際対策強化の一方、大きな規制緩和がいきなり実施される。
オミクロン株以外で強制隔離の対象となっている国からの帰国者に対する強制隔離措置が解除となる。
12月4日以降オミクロン株以外の国への3日間強制隔離はワクチン接種証明所持者に対しては免除となっていたが、これを非所持者に対しても適用し、14日間自宅待機へ切り替える。
さらには、6日間強制隔離対象もワクチン接種証明書の保持に関わらず14日間自宅待機へ切り替えるという。
12月10日より実施とのことなので、もうすでに始まっている。
この発表を12月9日の夜に行っていることから、いかに慌てて実施しているかがわかるというもの。
現場では大混乱しているに違いない。
オミクロン株指定国が増え、強制隔離が必要な入国者も増加したのが最大の要因だろう。
12月に入ってからは日本入国者は1日あたり3600人で、設定している上限数の3500人をオーバーした。
日本の隔離施設がパンクしたようだ。
隔離ホテルの用意が間に合わない状況となっている。
東京の空港に到着したものの東京の隔離ホテルがないため、名古屋や福岡へチャーター便で移動して、隔離ホテルに入るという異常事態まで起きているほどだ。
関空では、隔離ホテルの稼働率が11倍となった。
そこで急遽、規制を緩和し、オミクロン株以外の国からの強制隔離はとりやめて、隔離ホテルを確保することにしたようだ。
というわけで、日本帰国の際に強制隔離を求めるのはオミクロン株指定国のみとなった。
オミクロン株対策に専念するということになる。
12月9日時点では、タイはオミクロン株国に指定されておらず、日本帰国時の強制隔離は不要。
ただ、本日10日以降どうなるかはまったくわからない。
今回の一部規制緩和により、オミクロン株対象国を増やしても隔離ホテルが足りると判断されれば、タイが指定されてもおかしくない。
今回のオミクロン株への日本の対策は、これまでにないほど迅速かつ急激な動きだ。
いきなり変更されるため、明日どうなるかなど誰にもわからない。
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