タイへの観光客受け入れ再開が10月に始まる。
最初は10月8日に中国人グループがプーケットに到着する予定だ。
これはスペシャルツーリストビザ(STV)の枠組みによるもの。
STVでの旅行者は主にバンコク以外の地方都市にある隔離検疫施設で14日間の隔離を受けることになる。
これを受けて、プーケット、サムイ、パタヤといった観光地では代替隔離施設の増加を急いでいる。
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ALQとは
タイに入国する外国人はすべて国が定めた14日間の隔離検疫(State Quarantine)を受ける必要がある。
ASQとは、Alternative State Quarantineの略称で、代替国家隔離施設のこと。これらはすべてバンコクにある。
ワークパーミット保持者など入国要件を満たしていてタイに入国してきた外国人はバンコクのASQを利用している。
それに対して、バンコク以外の地方にある代替隔離施設のことをALQ(Alternatice Local Quarantine)と呼んでいる。
ALSQ(Alternative Local State Quarantine)と呼ぶこともあって、呼称が統一されていない感があるが、同じもの。
STVスキームでタイに入国する外国人旅行者は、このALQを利用することが多くなりそうだ。
バンコクのASQも利用可能だが、実際にどこまでASQとALQに振り分けられるのかは現時点では不明。
観光客誘致は、プーケットやサムイやパタヤといった外国人向けの観光地にとってはまさに生命線。
タイ政府としては、なるべくそういった観光地に外国人旅行者を誘導したいという思惑があるようだ。
そこでALQ利用となる。
が、ALQとして認可されているホテルが少ないのでは、入国者すべてを収容するのは不可能。
数を増やす必要があるというわけだ。
つい数日前まで、ALQとして登録されていたホテルは、プーケットに3、ブリラムに1、チョンブリー(パタヤ)に1、の合計5施設のみだった。
それが一気に増加している。
ALQホテルリスト(9月30日時点)
ASQもALQもタイ保健省のサイトですべて確認できる。
ALQ施設一覧(ホテル名と部屋数)
ブリラム
1. Amari BURIRAM UNITED Hotel 30部屋
チョンブリー
1. Chonburi Best Bella Pattaya Hotel 75部屋
プーケット
1. ANANTARA MAI KHAO PHUKET 36部屋
2. TRISARA HOTEL PHUKET 15部屋
3. Anantara Phuket Suites&villas 100部屋
4. Phuket GRACELAND Resort & Spa 343部屋
5. Metadee Resort & Villas 71部屋
6. Banyan Tree Phuket 220部屋
7. JW Mariott Hotels&Resort 262部屋
8. Laguna Holiday Club Phuket Resort 79部屋
9. The Sense Resort and Poll Villas 16部屋
プラチンブリー
1. Tawa Ravadee Resort 96部屋
プーケットに6ホテルが追加され、さらにプラチンブリーにも新規でALQホテルが登場してきた。
プーケットのALQ追加予定
プーケットでは、これまで73のホテル(5800室)がALQ施設としての認可を求めて申請済みとのこと。
現在のところ認可されて登録済みとなたのが9施設で、部屋数は1200ほど。
STVでの外国人旅行者が増えてくると、全員を収容するには5000室が必要となる見込みだ。
参照:https://www.bangkokpost.com/thailand/general/1993755/phuket-ready-to-open-up
順調にいけば、プーケットのALQホテルは増えていくだろう。
パンデミックにより、プーケットのホテル稼働率は10%を割り込んでいる。
このままでは大量の失業者があふれると言われている。
その助けのためにも、プーケットに多くの外国人観光客が必要。
サムイ島でもALQホテルを
プーケットと同じく観光業が壊滅状態にあるサムイ島。
そのサムイ島でも23のホテルがALQ施設として認可を受ける予定だという。
23のホテルのうち、すでに8つのホテルが9月23日に当局によって審査されており、残りは10月に審査を受ける。
各ホテルの部屋数を合計すると1000を超える。
申請したホテルのほとんどは、市街地から離れたプールヴィラタイプで、隔離中に逃亡するのは困難だろうとのこと。
最初に200人が観光客がサムイ島にやって来ることが期待されている。
参照:https://www.nationthailand.com/news/30395380
今のところサムイ島への直行チャーター便の予定は出ていないが、ALQホテルが増えてくれば、チャーター便の運行も考えられる。
パタヤでもAvaniリゾートをALQホテルへ
現在、チョンブリー県で登録済みのALQ施設は、パタヤのナックルアにあるBest Bella Pattaya Hotelの一軒のみ。
スペシャルツーリストビザでの旅行者受け入れ再開をうけて、パタヤでもALQ施設を増やしていく動きが出てきた。
9月28日に、チョンブリの各部署関係者を集めて、パタヤで会議が開かれた。
Avani(アヴァニ)ホテルをALQとして申請するための事前監査会を実施。
パタヤでの検疫基準などを議論したとのこと。
参照:https://www.facebook.com/Prpattayacity/posts/3797932186884164
アヴァニは、飛行機がつっこんでいる建物で有名なロイヤルガーデンの隣にあるリゾートホテルだ。
以前はマリオットの名称だったが、現在はアヴァニとか改称されている。
セカンドロード沿いに建っているが、パタヤビーチはほぼ目の前。
ウォーキングストリートまでは徒歩7,8分程度で行ける。
立地的にはパタヤのど真ん中といえるほど便利な場所だ。
むろん、隔離期間中は隣のロイヤルガーデンにもパタヤビーチにもウォーキングストリートにも行くことはできないが。
まだ決定ではないが、これからALQとして認可申請していくものと思われる。
きちんと基準を設定して、パタヤ中心部にALQホテルを増やしていくつもりでいるかもしれない。
パタヤ中心部にも営業再開すらできていないホテルは多い。
営業再開していても稼働率は低い。
ALQ施設と利用できれば、新たなビジネスチャンスだ。
ALQ施設が増えてくれば、チャーター便がウタパオ空港に直行することも考えられる。
また、プーケットやサムイとは違い、パタヤならスワンナプームないしドンムアンから陸路での移動もできる
ただ、そうなったらそうなったらで、中国からの直行チャーター便が続々と到着してきそうな気もするが。
まとめ
プーケット、サムイ、パタヤにALQホテルが増えていくのは間違いない。
バンコクを経由せずに観光客は直接リゾート地へ向かい、そこで隔離検疫を受ける。隔離終了後もそのまま当地に滞在して、それぞれの地元に金を落としていく。
タイ政府や各都市の思惑はそうなっているようだ。
ビジネス目的でタイに入国する外国人はバンコクのASQでどうぞということなのかもしれない。
ビジネスマンはバンコクで、観光客はリゾート地へ。
たしかに悪くないアイデアかもしれない。
そのためのALQ増加となっていきそう。
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