5月17日より、規制緩和第2フェイズが実施となり、ショッピングモールが再開された。
それに伴い、顧客追跡システムも導入された。
ショッピングモールや店舗への客の出入りを記録するというもの。
システムの名前は、Thai Chana。
単体のアプリではなく、LINEを通じてネットワークにアクセスして、登録を行うオンラインプラットフォームとなっている。
Thai Chana(タイチャナ)とは?
チャナ(シャナー、チャナ、チャナー)とは、タイ語で「勝利する」という意味。シャナでもチャナでも発音のカタカナ表記はどっちでもいいと思う。
バービアで4目並べやビリヤードをして、勝った負けたで単語を覚えた人も多いはず。あのチャナだ。
タイの勝利という、これまた大層なネーミング。
タイ政府広報によるThai Chanaのインフォグラフィック
システムとしては、個々の客の出入りをすべて記録しておく。チェックイン時間とチェックアウト時間も残す。
もしも、感染者が店を訪問していた場合、同じ店の同じ時間帯にチェックイン歴のある人に対してSMSなどで連絡が飛ぶようになっている。
連絡を受けたものは、無料で検査を受けられるとのことだ。
この方法だと、クラスター感染が起きそうな場合の追跡が容易となる。
要は、感染拡大防止策だ。
タイチャナの登録方法と使い方
基本的な使い方は簡単。
今回はターミナル21パタヤでの出入りを取り上げるが、どこのショッピングモールでも同じこと。
ショッピングモール入り口に、専用のQRコードがいくつも用意してある。
このバーコードをLINEの読み取り機能を使って、登録することになる。
タイ語、英語、中国語併記の説明書きあり。
まず、LINEを立ち上げる。
LINEを利用していないと何もできない。むろん、ネット接続も必要。
まあ、タイでのLINEの利用率は極めて高いため、妥当な選択だと思う。
なお、タイチャナ自体はアプリではない。あらかじめスマホにアプリをダウンロードしておく必要はない。
LINEさえ使えれば大丈夫だ。
ついで、LINEのQRコード読み取り画面で、店先に貼られたQRコードを読み取る。
すると、リンク先アドレスが表示されるのでクリック。
次に、チェックインあるいはチェックアウトの選択。
左側の緑のアイコンがチェックイン、右側のドラゴンボールアイコンがチェックアウトとなる。
入店時にはチェックインを選ぶ。
初回利用時は、利用規約の確認が行われる。
チェックを入れてから青いところをクリックするだけ。
次に、これも初回限定だが、電話番号を入力しないといけない。
電話番号を送信すると、チェックイン登録完了。
利用規約の確認と電話番号登録は初回のみ。
ただ、日を開けたり、別のショッピングモールに入店するには、また入力しないといけないかもしれない。このあたりは不明。
チェックイン完了の画面をスタッフに見せると、先に進むことができる。
むろん、入館時には検査と手指消毒は必須。
入館の手順として、まずタイチャナのチェックイン登録。それから検温と消毒。
この3つをクリアしないと入店は不可。当たり前だが、マスク着用は必須。マスクをしてない客は入ることができない。
もしもスマホも持っていなかったりLINEが使えない場合は、入り口近くのテーブルの上に用紙が置いてあり、名前や電話番号を記入するようになっている。この記帳をしないと、やはり入館は不可。
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モール内テナントでも登録必須
ショッピングモール内の個別店舗に入るときにも、タイチャナの登録は必要。
各店舗入り口には専用のQRコードが掲示してある。
フードコート前にもQRコード。
レストランでも服屋でも薬局でもスーパーでもどこでも入店時にはQRコードを読み取り、チェックインしないと、店内に入れてもらえない。
テイクアウト専用の小さな食べ物コーナーにはQRコードはなかったように思う。
退店時には、もう一度QRコードを読み取って、チェックアウト登録する。
さらには、ショッピングモールの外に出る時もチェックアウト登録が必要。
ターミナル21では、チェックアウト登録完了のスマホ画面をスタッフに提示しないと、外に出られないようになっていた。
かなり厳しく運用しているように思えた。
感想
手順としてはすごく簡単。
さっとスマホのLINEを立ち上げて、さっとQRコードを読み取り、さっとチェックインないしチェックアウトを押すだけ。
普段からスマホを使い慣れている人なら、どうということはない作業。
でも、スマホやLINEがどういうものかをわかってない人はかなり手間取るかも。スタッフが常駐していて、手助けしてくれる。
どうしてもわからなかったりスマホがない人は、用紙に手書きでもいい。
ショッピングモール内の個々の店に入る際にもいちいち登録しないといけなのは確かに手間だが、これもすぐに慣れる。
簡易的ながら的確なシステムを考えついたものだとちょっと感心してしまった。
なお、繰り返しになるが、タイチャナはアプリではない。英語では、トレースオンラインプラットフォームとか呼んでいる。
GPS機能もついていない。
登録した人が今どこにいて、どうやって移動しているのかが、ばれるわけでもない。
が、チェックインとチェックアウトの記録はきっちり残る。電話番号も筒抜け。
プライバシーの侵害を危ぶむ声も上がっている。
政府は、登録は強制ではないしプライバシーの侵害は行わないと明言はしている。
ただし、ショッピングモールによっては、タイチャナの登録をしないと、入店することすら不可能。
管理されるような気分が嫌ならショッピングモールは入らないほうがよさそう。
まあ、個人的にはこれくらいなら全然平気。特に気にならない。
そんなに頻繁にショッピングモールへ行くわけでもないし、許容範囲内だ。
ただ、この先、ショッピングモール以外の店舗へとタイシャナーの範囲は拡大していくと思われる。
コンビニでは登録が始まるだろう。街中のレストランやホテルなどでも実装していきそう。
そして、6月中には再開するであろうと言われているバーやクラブといった娯楽施設やナイトライフ店舗にも導入される可能性がある。
いや、導入は必須となりそうな気配が濃厚だ。
とりわけ、屋内型の大きなパブやクラブはタイチャナの導入を求められるだろう。
LINEで登録せずに、手書きでてきとうに書けばスルーできるだろうけど、それもなんか違う。
さすがに夜の店の先々で登録必須となると考えものではある。とはいえ、クラスター感染防止の観点では効果が高そうだ。
とまれ、現時点ではタイチャナの登録はショッピングモールにほぼ限定されている。
この先のことは未定。
とりあえず、ショッピングモール利用時には、若干面倒ではあるが、素直に協力しましょう。
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