初めてパタヤへやって来た二人をアテンドすることになった。
しかも二人は初海外。
見るものすべてが新鮮。
ウォーキングストリート
いい具合に腹も膨らみ、ビアガーデンを出て、いざウォーキングストリートへ。
その手前にあるバービア群もちょっと見学。ムエタイのリングが中央にあるバービア群だ。
こういったバービアから連れ出すこともできると伝えておく。
さすがに選べるレベルではなかったが、初心者にとっては、この景色だけでもおもしろいようで、しきりに感心していた。
正面ゲートをくぐり、ウォーキングストリートに足を踏み入れる。
わたしにしても、パタヤ歴の長い友人にしても、見慣れすぎた風景。
いまさら何も感じない。
が、この圧倒的なネオンの洪水と呼び込みの嬌声は、パタヤ初心者の足を止めるには充分すぎるほどの衝撃。
思わず立ち止まり、写真を撮っていた。
わたしも最初にウォーキングストリートを訪れた時はびっくりしたものだ。
「なんだここは?」と。
ほぼ予備知識がない状態で訪れたため、何をしていいのかわからなかった。
圧倒されつつ途方にくれた覚えがある。
でも興奮した。
あの頃の新鮮な感動はもう味わえない。
この衝撃と感動は初心者だけの特権だ。
時刻は午後10時を過ぎている。
日本時間では深夜0時過ぎ。
睡眠不足かつ早朝起床、さらに長旅の疲れもある。
今日はさくっとゴーゴーで遊ぼうということになっていた。
さて、パタヤ初心者を連れて行くゴーゴーはどこがいいのか、事前に友人とあれこれ検討していた。
いきなり過激な店へ連れて行って度肝を抜いてやるのがいいのか、それともダンサー陣のレベルが高い店へ連れて行くのがいいのか。
結論は、前者となった。
過激店といえばウィンドミルが真っ先に思いつくが、あそこはちょっと混んでいるし、大人数で訪れるとみんなで座れない可能性が高い。
次善策としてわたしが出した答えが、ドールハウス。
ドールハウスなら、1階も2階もそれほど混んでないだろうし、ウィンドミルと似たような過激マットプレイもある。
ドールハウス(The Dollhouse)
さくっと入店。
初心者二人は、もちろん人生初のゴーゴーバーとなる。
ドールハウスの1階奥、マットコーナーのあるソファー席へ。
初心者二人をマットの目の前の特等席に座らせる。
いきなり眼前には、一糸まとわぬ姿の女性が二人。
女性たちは、着席してきた日本人一行に大歓迎モード。
初心者二人に向けて、盛大な御開帳でお出迎え。
これぞパタヤ流のおもてなし。
目が点となる二人。
まあそうなるわな。
調子にのったマットプレイダンサーは、棒で相手の尻をばしんばしんとと叩く。いい音がする.
その棒を初心者二人に渡して、さあ叩けと。
痛くないからぶっ叩けとアドバイス。
最初は遠慮がちに、それから思いっきりぱしんぱしん。
ダンス交代の時間となり、マットプレイダンサー二人はマットの上から初心者二人の膝の上、いや股間の上にそのまま移動。
ドリンクを奢ってやれば、いくらでも狼藉できるよと伝えてあった。
が、さすがに照れがあるのか、二人ともそこまで派手に狼藉プレイはできないもよう。
でも顔はにやついている。
うむ。楽しそうでなにより。
わたしのところにも他のダンサーが営業にやってくるが、友達のガイドで来ているだけと言って、他愛のない世間話だけですませる。
初心者二人はすっかりイチャイチャモード。
すでに3杯ほどレディドリンクを献呈しているようだ。
最初はうまく断るのは難しい。
いや、そもそも酒を飲みながらわいわいするのが好きなようで、ドリンク代はあまり気にならないようだ。
パタヤのゴーゴーではこういった遊びが格安でできる。
そのまま連れて帰るのかと思いきや、ちょっと好みとは外れているのと、他にも見てみたいとのこと。
たしかにまだ一軒目だ。
次へいこう。
シャーク(Shark)
友人の計画では、2軒目で二人の相手を見つけてやろうとなっていた。
さて、どこがいいだろうか。
単純にレベルが高いのは、パレス、センセーションズあたりだろう。
ダンサーの人数は多いし、レベルも高い。
が、パレスは客が多すぎて座るのも一苦労。センセーションズなら座れそうだが、個人的にはあそこはちょっと苦手。
最近ではピンナップもいいし、新店舗のエンジェルもいい。
が、初心者がさくっとダンサーを呼んで、さくっとペイバーするには、ちょっとしんどいかも。
やはり、無難なのはパレス以外のシャーク系列店だろう。
ほどほどにレベルが高く、客入りもほどほどで、アジア系客とファラン客がうまく混在している。
となれば、ファーレンハイト、ブリス、ライトハウス、シャーク、クレイジーハウスのいずれか。
店内の広さ、見やすさ、ダンサーの数などを考慮してシャークに決定。
ドールハウスと同じソイ15にあって移動も楽々。
読みどおり、店内はほどほどの客入りで、ダンサーもほどほどに充実している。
ドールハウスよりは明らかに上。
これなら選びやすそう。
まずはドラフトビールで乾杯。
それからダンサー選び。
あれはどう? これはどう? とアドバイスしつつ、二人とも好みのダンサーを召喚。
現行メンバーでは最も日本人受けする顔トップツーのダンサーだと思う。
レディドリンクを奢って、コミュニケーションをはかる。
初心者二人は少しだけ英語が話せる。
が、やはりあまり通じないようで、トークには苦労しているみたい。
でもまあ、そこらへんは若さの勢いでスキンシップをはかればよろしい。
わたしはたまに通訳してあげるだけ。
と、目の前にぶら下がっているピンポン玉の入ったケースが気になる初心者の一人。
「これはなんですか?」と。
それをばらまくとおもしろい景色が見られると告げると、興味津々。
さっそく購入。25個入りで500バーツ。
わらわらと寄ってくるダンサーやデックサーブたち。
少しもったいぶってから、ピンポン玉を派手にばらまく。
耳をつんざく黄色い声が上がり、床を這いつくばる女性たち。
こちらには見慣れた光景だが、初心者にはおもしろく映るだろう。
が、25個はちょっと少ないし、そもそもピンポン玉ばらまきは昔ほどの狂騒ぶりは産まなくなった。
本来は1個20バーツをまるまるダンサーに還元していたが、最近では1個10バーツの店が多い。
それだったら20バーツ札をばらまいたほうが効果は上がる。
ま、初心者氏はそれでも楽しんでくれようなんでなにより。
さて、そろそろ時刻は12時。
ペイバーするかどうか判断の時。
二人に聞いてみると、召喚したダンサーをそのまま連れ出してもいいとのこと。
料金関係を確認。
12時をまわると、バーファインはショート1000、ロング1500。
初心者二人とも希望はショート。
ショート代の言い値はそれぞれ3000。
やっぱり言い値はこうなるなあ。
友人に頼まれたこともあり、少しだけ交渉を代行。
一人はあっさりとショート2500に下がる。
もう一人は、新人だからということで値下げには応じず3000のまま。
初心者二人にちょっと高いけどそれでいいかと聞くと、その価格でいきましょうとのこと。
最初はノリが大切。
自分で連れ出すつもりで本気交渉するならショート1500を目指すところだが、ここでぐちぐちと交渉して長引かせるのは得策ではない。
主役はあくまでも初心者二人とダンサー二人。こちらは後押しする役割にすぎない。でしゃばりすぎはよくない。
交渉も含め、遊び方なんて徐々に覚えていいだけの話。
こちらがサポートするのは、せいぜいぼったくりを防いでやることくらいだ。
ママさんにペイバーの意志を伝えて、バーファインを払う。
ママさんはトータルの先払いを要求してきたが、それは拒否。
ダンサーに確認をとって、後払いは問題なしとの回答。
事後に払えばいいからと初心者二人にも伝えておく。
とりあえずこんなもんでしょう。
ダンサーが私服に着替えるのを待って、外に出る。
手をつないで歩くカップルが二組。
年齢差はそれほどない。
うーん、二人ともかわいいな。
羨ましい。
ソンテウをつかまえるため、ソイ15をセカンドロード方面へ歩く。
しまった。ソイ15から出ていない。
ウォーキングストリート本通りの店には一軒も入らず。
実際、今回の滞在中はこれ以上ウォーキングストリートに行かなったため、二人のウォーキングストリートはソイ15だけで終了。
まあいいか。
ウォーキングストリートだけがパタヤじゃないし。
パタヤ最高!
セカンドロードに出たところには、空のソンテウが待機している。
いちいちウォーキングストリート正面ゲートから出て、ソンテウを捕まえる必要はない。
友人とわたしは、途中ソイブッカオで下車して、バービアでさらに飲む予定だった。
初心者二人はそのまま宿泊ホテルであるアットマインドエクスクルーシブへ直行。
まず、ドライバーにソイARにあるアットマインドエクスクルーシブまでと告げる。ドライバーはちゃんとホテル名を理解していた。
ソイARにアットマインドは3軒あるので、きちんと確認しておくことが大事。
途中ソイブッカオで下車する人間もいて、ソイブッカオ経由で行ってほしいとお願いする。
さて、おいくら?
ドライバーの言い値は400バーツ。
おっと、高いな。
でも、最近ではこれが普通の価格だとドライバーは言い張る。
ここ何年もウォーキングストリート近辺からソンテウ貸し切りで乗った覚えがないけれど、以前はソイブッカオまで200バーツがせいぜいだったはず。
いつの間にか大幅に値上がりしている。
そういえば、ついこの前の話だが、深夜4時頃にウォーキングストリート内に待機しているバイタクにソイブッカオまでと伝えると、一人100バーツと言われたことがある。ひどい。
二人で100バーツが従来の相場なのに。
とりあえず少し交渉して、400バーツから300バーツに下げる。
粘ればもうちょっと下がるだろうけど、経由コースだし、これくらいで妥結。
さあみんな乗った乗った。
初心者二人は、ペイバーした女性をそれぞれ横につける。
お手手握りあったまま、いいもんですなあ。
あまり英語も通じないが、これから繰り広げられるであろう行為に言葉はいらない。
二人はアルコールの酔いも手伝い、満面の笑顔である。
ソンテウは夜のパタヤを快調に走る。
風が吹き込んでくる。
少し火照った頬を涼風がなぶる。
気持ちいい。
気分が昂ぶったのか、初心者の一人が、急に叫んだ。
「パタヤ最高!」
はい、いただきました。
これ以上の褒め言葉があろうか。
それを聞いた一同のテンションも上がる。
口々にパタヤ最高と叫ぶ。
パタヤ旅行に引きずりこんだ張本人の友人も満足げだ。
日本語がわからないタイ人二人も、半分呆気に取られながら笑っていた。
わたしと友人はTREE TOWN付近で下車。
バービアでビールを飲みなおすことにした。
ゴーゴーもいいが、バービアでまったり飲む酒もまたよし。
こうして初日は終了。
翌日、初心者二人から話を聞いたところ、一人のお相手はなかなかの優良嬢だったようだ。
ショートの約束だったけれど、このままホテルで寝たいと言われたそうだ。しかも追加料金不要で、翌朝のサービスもオッケー。
いわゆるなし崩しロングというやつだが、最近のパタヤではこういう出会いも少なくなってきている。
今のウォーキングストリートで、普通にペイバーしてロング2500はかなり厳しい。
これぞビギナーズラックか、若い日本人男子の魅力のなせるわざか。
が、初心者だけにどうしていいかわからず、また一人でゆっくり眠りたいこともあって、そのままショートで帰したそうな。
もったいない。
まあそのあたりは人それぞれ。
ましてや、初海外、初飛行機、初タイ、初パタヤの初日。
肉体的にも精神的にも疲れがピークだったのだろう。
でもいい思いができたことは間違いない。
とにもかくにも、「パタヤ最高!」なのである。
よかったよかった。