先のパタヤ滞在中は、ずっと特定の女性と一緒だった。
昼間は二人で食事に出かけたり、センターンでデートしたり、夜になったら職場まで送ったりしていた。
で、それ以降はわたしは一人でバービア群をふらふら。
すると、訪れる先々で、知り合いから目撃談が寄せられるようになった。
ノースパタヤのバービアで働くバービア嬢から、
「センターンで一緒のとこ、見たわよ。誰よ、あれ?」
このバービア嬢は、昔ペイバーしたことがある。
二度目のペイバーはないけど、仲良しの状態は続いている。ちょっと気まずかった。
別のバービア嬢から、
「ブッカオでソンテウに乗ってるとこ、見たわよ。誰よ、あれ?」
このバービア嬢は、わたしのなじみのバービアで働いている。ペイバー対象外なんで、特に問題はないのだが、どこかひっかかるなあ。
はたまた、LKメトロで働く呼び込み嬢から、
「ウォーキングで一緒に歩いているとこ、見たわよ。誰よ、あれ?」
この呼び込み嬢とは長い付き合い。ペイバーすることはないけど、やっぱりどこか気まずい。
そんな感じで、パタヤ各地で目撃されておりました。
さらには、ブッカオの名無し食堂で、バービアのママさんと鉢合わせしたこともあるなあ。
ママさんは彼氏のファランと一緒。
このママさん、バービアに新人が入ってくれば、真っ先にわたしに紹介してくれる親切な御方。
何度も新人をペイバーさせてもらった。
わたしが別の店の女を連れているわけで、少々気まずかった。
さすがに食堂内では会話はせず、あとでママさんのバービアに遊びに行ったら、さんざんからかわれてしまった。
ママさんクラスでも、ブッカオからサードロード付近に住んでいることが多いんで、どうしてもわたしの行動範囲とかぶってしまう。
また、他の女性にしても、昼間の行動範囲は、センターンか市場くらいで行くところが限られる。
ブッカオの常設市場でバービア嬢に出くわすケースもある。
夜、遊びに行くにしてもウォーキングのディスコがメインだろうし。
あと、日本人受けするようなルックスの子は、ハリウッドへ遊びに行くことが多いかな。そうなると、深夜のハリウッドでは知り合いに遭遇する確率はもっと高くなりそうだ。
やっぱり、パタヤは狭いよね。
いつ、どこで、誰に、見られているか、わかったもんじゃない。
バービア嬢同士のネットワークは、たぶん、それほど広くない。
近所のバービア同士はつながっているけど、バービア群が離れるとそれほど交流はなさそうだ。
特に今回はバービアから誰もペイバーしていない。
少々目撃されたとしても別に問題はないんだけど、なんか小っ恥ずかしい。
一方、ゴーゴーバーは数も限られているし、移籍も盛ん。
とりわけ同グループ店だと、人の出入りは激しい。
範囲も狭い。ウォーキングストリートかLKメトロ内で完結する。
しかも姉妹店同士では確実につながっている。
そんなわけで、夜嬢の情報網が築かれることになる。
おそらく、バンコクのナナプラザやソイカウボーイあたりは、もっと世界は狭い
名作ゴーゴーバー小説「PRIVATE DANCER」でも、そんな情報網に関するシーンが描かれている。
主人公のファランが、ナナ・プラザの店で飲み始めると、懇意にしている別のゴーゴーで働く女性が、数分後にはなぜか店に入ってきて、ファランの目の前をしれっと歩くのだ。
しかも、ファランには声をかけず、またすぐに自分の店に戻っていく。
怖くなったファランが女性の店へ急行して、真意を問いただす。
返事は、「友だちに用事があっただけよ。それだけ。」
情報網の早さに驚くファランであった。
まあ、わたしはゴーゴーバーに嵌まったことがないんで、このあたりはあまり実感としてはわかりませんが。
ただ、バービアをうろうろしているだけで各地で目撃されるわけで、狭いウォーキングストリート内なんかだと、あっという間に知れ渡ってしまうことは想像にかたくない。
ゴーゴーバーで特定の相手と付き合っている人は、要注意だ。
情報網に絡め取られ、身動きがとれなくなってしまう。
バレたら、ジャオチュー(浮気者のこと)認定確実。
ま、とっかえひっかえしている人なら、問題ないでしょうけどね。
しょせんは、夜遊び旅行者なんで、気にするだけ馬鹿らしい。
お相手をした女性はすべて、斬鉄剣ばりの切れ味で、スパッと切ってしまうのだ。
あとには何も残さない。
去りゆくゴーゴー嬢やバービア嬢には目もくれず、「またつまらぬものを斬ってしまった」と、うそぶくのがパタヤ夜遊びの鉄板スタイル。
狭い街だけど、女は星の数ほどいるんで。
まあ、お好きなようにお遊びください。
全世界ゴーゴーバー好き必読の名作。翻訳はないが、英語で読むべし。