バンコクのテーメーカフェ
2016年6月某日、わたしはテーメーカフェの扉を開けた。
テーメーカフェとは、出会い系喫茶とも出合い系カフェとも呼ばれ、男女が出会い、そして一緒に出て行くこともある素敵かつ邪悪なスポットだ。
バンコクのスクンビットにある。
地図
もはやグーグルマップにも日本語で登録される始末。邪悪な存在のわりにはやけにオープンとなっている。世も末だ。すばらしい。
BTSアソーク駅、地下鉄スクンビット駅、もしくはBTSナナ駅から歩いて行ける。
ルアムチットホテルの地下がテーメーカフェとなっている。
昼間は、閉まっている。何もない。
が、夜になると、どこからともなく女性たちと男どもが集まってくる。
営業時間は夜8時くらいから深夜2時だ。
ここが、魔窟への通じる階段。
このテーメーカフェへ続く階段前には、妙に目鼻立ちが整っていて、胸がやけに大きな人たちがたむろしている。
見た目は女性だが、だまされてはいけない。
レディーボーイだ。
彼(女)たちは、テーメーカフェへ入ることが許されない禁断の存在。その手の趣味がない人は、軽くスルーして階段を降りていくべし。
扉を開けると、そこはまた別の禁断の世界。
広く薄暗い店内には、無数の女性たちが待機していて、有象無象の男どもがうごめいている姿を確認できるだろう。
入場料はないが、ドリンクオーダーが必須となっている。
三途の川を渡るには、ちょっとした小銭が必要だ。
中に入ると、左手にドリンク販売コーナーがある。
が、ドアを開けたところに店員が待ち構えていて、ドリンクコーナーへ誘導されるはずだ。
ここで船賃を払いたまえ。
コーラ60バーツ、ビール100バーツと、決して高くはない。
あとは、ビール片手に女だらけの魔の海へと漕ぎ出せばいい。他の男は単なる岩礁なので避けて進め。
まずは、店内をぐるりと一周する。
ずらりと並んだ女性たち一人ひとりを凝視しながらである。
うむ。昨年12月に訪れた時よりも、明らかに女性の数が増えている。溢れんばかりだ。100人近くいるんじゃなかろうか。
客は少なめ。たぶん40人くらいだろう。
日本人がメインだが、韓国人が増えている。割合としては、日本人7割、韓国人2割5分、ファラン(欧米人)少々といったところか。
テーメーガールたちのレベルは、以前よりも上がっているような印象だ。
若そうなのもいれば、おばさんもいる。
そういえば、テーメーカフェ名物のあのおばさんの姿を見かけない。
名前はワンさんだったか、やけに若作りしていて、遠くからは若くみえるが、明るいところで見ると確実に40オーバーの日本語ぺらぺらおばさん。慣れていない日本人若者を得意の日本語でたぶらかして、マイカーでドライブに連れて行ってあげると誘い出す、あのおばさんだ。
20代と思われる日本人若者の写真を何枚も見せられた覚えがある。しかもそこそこ男前だったりするから、始末におえない。
あのおばさんに何度誘われたことか。
「なんで一緒に行かないか」と怒られたが、一緒に行くわけなかろうに。
そんなことを思い出しながら、2016年6月のテーメーカフェをビール片手にふらふら巡回。
こんな場所では、奥手になってもしょうがない。
ひたすら声をかけまくるか、気に入った女がいれば一本釣りすればいいだけだ。
男女の目的は一つである。
男は、今晩のお相手がほしい。
女は、今晩のおカネがほしい。
利害は完全に一致している。
清々しいまでの商行為である。ゴールはもちろんあの行為だ。
そこに嘘はない。
そして、恥ずかしがる必要は一片たりともない。
わたしは、声をかけまくってみた。
なお、会話は基本的に日本語でオッケーだ。
日本人客を取りたいタイ女性たちは、健気かつ強欲丸出しで日本語を勉強しており、簡単な日本語なら通じる。
なんて合理的なシステム。
さっき紹介したおばさんのように日本語ぺらぺらの女性も少なからず存在している。ただし、たぶらかされるなよ。
テーメーカフェの相場と交渉について
話を聞きまくった結果はこうなった。
言い値はショートタイム2500バーツが一番多かった。
ロングタイムは4500バーツ。
どうやら、これが協定価格らしい。
ショートタイム:一発やっておしまい 2500バーツ
ロングタイム:朝までお泊りコース 4500バーツ
もちろん、協定価格なんてものは、自由経済において存在してはならない。
価格は需要と供給のバランス、そして交渉によって決まるもの。
夜の商取引に定価など存在しないのだ。
自称28歳で日本語が達者な女性からは、3000バーツの提示を受ける。
「一緒にシャワー浴びる、マッサージしてあげる、サービスがいい、帰りのタクシー代込みで3000バーツ、高くないよ」というのが彼女の売り文句(もちろん日本語)。
いや、高いだろ。それに年齢も本当はもっと高いだろう。間違いなく30オーバーだ。却下。
その一方、交渉なしでいきなり2000バーツを提示する女性もいた。
年齢は20歳。日本語はまったく話せず、英語もダメで、タイ語のみ。
テーメーカフェに来るようになって、まだ2,3日だという。いわばテーメーの新人だな。
日本語が通じないんで、こちらからタイ語で話しかけると、いきなり2000バーツのオファーをもらった。
ちょうどその新人の前には、テーメー歴10年だというおばさんが立っていた。お目付け役なのか。
そのおばさんが、2000という数字を聞いたとたん、あわててタイ語で注意していた。2500でしょ、と。
いやいや、おばさん、そのタイ語もばれてるぜ。
残念ながら、20歳の新人嬢はルックス・スタイルともに残念なレベルのためパス。
このように、ごくまれにテーメーカフェデビューしたばかりの新人がいる。その場合はタイ語が必要となるが、どうせやることは一つである。身振り手振りでなんとでもなる。最終的に振るのは腰だけだ。言葉はいらない。
わたしが気になったのは、自称21歳のイサーン出身嬢。
日本語は、まあ挨拶と軽い冗談ていど。
ショートの言い値はもちろん2500バーツ。にしぇんごひゃくという発音が妙にかわいらしい。
が、すぐに2000バーツに下がった。
ロングの言い値ははじめから4000バーツ。
ちなみに、やけに変な髪型をした韓国人らしきおじさんが彼女と交渉していたが、その時の言い値はショート3000バーツ。まったく値引きに応じる様子はなかった。
なお、彼女と韓国人との会話は英語であった。
ふふ、しょうもない張り合いだが、今回は韓国人のおっさんに勝ったようだ。
まあ、こんなところだろう、2016年現在のテーメーカフェは。
言い値2500で、交渉すれば2000に下がることが多い。
閉店間際とか、閉店後のテーメー前なら1500でいけるかもしれないが、かなり厳しそう。
ちなみに数年前までは普通にショート1500バーツだった。
ロングの交渉はきっちり行っていないが、言い値が4000か4500。
時間帯によっては、3000か3500にはなりそうだ。
数年前はロング2500でいけた。
ただ、ダメな子は決して値引きには応じてくれないので、その時は言い値を呑むか、さっさと諦めるか、はっきりしたほうがいい。
あまりしつこく粘ってもしょうがない。
粘着質に交渉しても嫌われるだけ。交渉する時は、ノリと明るさが重要だ。
それでもダメなら、相手はいくらでもいる。とっとと次へ乗り換えるのがベター。
粘っこいのはベッドの上だけにしておくべし。
ショートタイム:2000バーツ
ロングタイム:3500バーツ
ショート2000バーツならオッケーとすべしだが、価値は自分で決めるもの。
3000でも4000でも、それに見合うだけの価値があると思ったなら、それがあなたにとっての適正価格だ。
ここは自由な出会い市場。価格も自由に決めればいい。
ま、ショート3500とか、ロング6000とかは、明らかに舐められたボッタクリ価格だと思うけどね。
テーメーカフェに来ている女性の職業は?
あと、どうでもいいが、テーメー女性たちに職業を聞いてみた。
やはりビューティサロンという答えが多かった。コンビニとか会社勤めなんてのもいた。
なるほど、昼間はかたぎの仕事をして、お金に困ったから仕方なく、こんなところに出会いを求めに来たんだね。よし、おじさんがちょっと面倒を見てあげよう、うひひ。
と、信じるか信じないかはあなた次第。
こんなところで夜の商売に精を出している以上、決して素人ではないはずだが、あなたがどう捉えるかは、やはり自由だ。ここは自由な出会いの場。好きにすればいい。
あと、女性の職業では、タニヤやスクンビットのカラオケという答えも多かった。
日本経済がどうにもぱっとしないこのご時世、タニヤのカラオケも実入りが悪いようで、それならテーメーで働いたほうが儲かるとの算段のようだ。
ビジネスセンスに長けている女性は好きだ。
一番潔いのは、指を下に向けて、「ここテーメーだけ」という答え。
うん、見上げたプロ根性の持ち主だ。それでこそテーメーである。
あっぱれのステッカーを貼ってあげたい。
連れ出してからどうする?
さて、無事に交渉が済んだら、即、連れ出しである。
テーメー店内のテーブル席で、一緒に食事を取ったり、飲みながらおしゃべりもできるが、ここはさっさと連れ出してあげるべきだろう。
特にショートで高回転を狙っている女性は、時間が大切。彼女たちの貴重なビジネスチャンスを奪ってはかわいそうだ。
もちろんロングタイムで交渉が成立していれば、あなたの好きなように行動すればいい。
食事やディスコに行ってもいいし、そのままホテルに連れ込んで朝までがんばってもいい。
ロングの場合は、多少遠いホテルでも付き合ってくれるはずだ。もちろん、帰りにはタクシー代と称したチップをたんまり請求されるだろうが、それはもうしょうがない。
ショートの場合は、2択となる。
自分の宿泊しているホテルか、テーメーカフェの上階にあるホテルかのどちらかである。
相手はプロフェッショナルだ。
「あなた~ ホテルゥ どこ?」とまず聞かれるはず。
あまり遠いホテルだと嫌がられる。
せいぜい徒歩5分の範囲だったら、ホテルまで来てくれるかもしれない。
ナナ駅とアソーク駅の間の道路沿いのホテルならほぼ大丈夫だろう。
手っ取り早く済ませるなら、上階のやり部屋がいい。
テーメーガールもそれを願っている。
ルアムチットホテル
ここが、やり専用ホテルとなる。
テーメーカフェ裏口からホテルのフロントまでは階段で直結している。
移動時間はほぼゼロ。実に無駄がない。こういう時のタイ人はすごく合理的である。
部屋数は豊富だが、客の多い時期は、やり部屋が埋まっている時があって、ロビーでしばらく待つ。
他にも待っている男女がいて、多少気まずい空気が流れるかもしれないが、気にするな。
同じ穴のムジナである。どうせこのあとすぐに穴を掘ることになるのだ。気にしてもしょうがない。
男が連れている女の顔を見て、ふふっ勝ったぜ、と内心ほくそ笑んでおけばいい。
部屋代は600バーツ。
以前は500バーツだったはずだが、いつの間にか値上げしたようだ。
パスポートチェックも何もない。
ただ600バーツを渡すだけ。ゴム製品のセールスを受けるが、100バーツと高いので、あらかじめ準備しておくべし。
ボーイが部屋まで案内してくれる。
なお、ホテルは改築してあり、普通に綺麗だ。
寝室
シャワールーム
ナナプラザのある劣悪なやり部屋に比べると、はるかにいい。
これなら心置きなきプレイに集中できるだろう。
お楽しみのあとは、約束の金額を進呈。
いわゆる追加のチップは、あなた次第だ。
ゼロでもいいし、500バーツでもいい。好きにすればいい。
これにて、自由な出会いの自由な時間は終了した。
腰をさんざん振ったあとは、ホテル前で手を振ってバイバイするだけ。
大アタリを引いて、その余韻に浸ってもいいし、大ハズレを引いて、後悔の念に打ち震えてもいい。
アタリもあればハズレもある。
それが、テーメーカフェというものだ。
自由の味をかみしめろ。
責任はすべて自分にある。
ああ、あの若作りおばさん、元気かなあ。
今ごろ、どこで何をしているのやら。
さすがに年を取り過ぎて、テーメーには来れなくなったのかね。もう50歳近いはずだしねえ。
どこかで幸せになっていてほしい。
と同時に、二度とテーメーカフェには現れないでほしい。
そう願いつつ、2016年6月テーメーカフェ訪問レポートを締めくくりたい。
はっきりいって、誰でも遊べますよ、こんなもの。
大事なのは、恥じらいを捨てることです。どうせ恥ずかしい行為をしているのだ。恥じらいなど不要。
でも野卑なのはダメです。スマートかつ大胆にどうぞ。
テーメーカフェ周辺おすすめホテル
自分のホテルに連れて帰りたい人向けのホテルをいくつか紹介しておこう。
すべてジョイナーフィー(ゲストの連れ込み代)は無料となっている。
ルアムチット プラザ ホテル (Ruamchitt Plaza Hotel)
テーメー併設のやり部屋であるルアムチットホテルは、普通に宿泊もできる。
一泊1200バーツほどとお手頃価格(予約時期による)。
いっそ宿泊してしまえば、やり部屋代が浮いて一石二鳥だ。
ナナプラザやソイカウボーイからも徒歩圏内。ある意味スクンビット夜遊び最強の立地条件。
スタジオナナバイアイチェックイン
テーメーカフェまで徒歩3分くらいの格安ホテル。
1000バーツほどで宿泊できる。ジョイナーフィー無料。
詳細な宿泊レポートはこちら。
S15 スクンビット ホテル (S15 Sukhumvit Hotel)
より高級感のあるホテルが希望なら、S15がいいだろう。
テーメーカフェから歩いて1分もかからない。
グランド センター ポイント ホテル ターミナル 21 (Grande Centre Point Hotel Terminal 21)
ターミナル21というショッピングモールの高層階がホテルとなっている。
値段はさらに高くなるが、見晴らし最高との評判高し。
BTSアソーク駅至近。テーメーカフェから歩いて3分。
Gダイアリーは休刊となりました。これが最終号。電子書籍版のみ。
紙媒体の最終号はこちら。最新の最強マップを切り取って使いたい人は、品切れ前に購入しておきましょう。