長く続く関西国空港のリノベーションが佳境を迎えている。
2025年3月27日にリノベーション第3期を終えてグランドオープンする。
グランドオープン前にすでに多くのリノベーションを終えていて、関空は大きく変貌を遂げた。
現地の様子を見てきた。
広告
関空の大規模リノベーションの様子
関空の第1ターミナル国際線出発フロアに入ったのが午前9時前。
チェックイン待ちの利用者でけっこう混雑している。完全に活気を取り戻した、というか、パンデミック前より混んでいる印象だ。
パンデミック明けの混乱ぶりはひどかったが、現在は落ち着いている。利用者が多くとも流れはスムーズだ。
リノベーションがうまく機能しているからだろう。
4階にコンビニ
第1ターミナル4階に新しいショッピングエリアがオープンした。3月中旬に開業したばかりとのこと。
北エリアと南エリアの2か所あり。
南側には、Wi-Fiルーターのレンタルショップや土産物屋や両替屋やおもちゃ屋ができた。
おもちゃ屋は、ガチャガチャ専門店だ。
通路の裏側にあって目立たないせいか、客は少ない。外国人旅行者にガチャガチャが人気あるみたいだが、この立地はちょっともったいない。
北側には、ローソンがオープン。
これでわざわざ2階にあるコンビニまで行く必要がなくなった。
両替屋も新しくできた。
この日のタイバーツの両替レートは、1バーツ=4.92円。
ひどいもの。関空で両替しておく必要はまったくない。バンコクの空港のほうがレートはマシだ。
2階のフードコート
第1ターミナル2階の国内線フロアには、フードコートがある。
開業当初はそこまで店が多くなかったが、このところテナントが充実してきた。
天丼の「日本橋天丼金子半之助」がオープン。
すし処西屋。
ハラミ焼き肉の元気商店。
ただ、全体的にフードコートは客が少なめ。特に新しい店舗は客入りがよくない。
その分、利用しやすいとも言えるが。
フードコート内ではないが、2階にある牛丼のすき家が便利で、よく利用している。
が、最新のメニューを見てみると、値上げしていた。牛丼の並盛が550円。通常店舗では480円。
もともと関空店は料金高めだったが、すき家自体が値上げしており、550円になったのもやむなしか。
国際線セルフチェックとセルフバゲージドロップ
2024年には一部稼働していた国際線チェックインのセルフチェックインとセルフバゲージドロップは順調のようだ。
KIOSK端末でセルフチェックインして、預け荷物のタグも発行して、自分で自動預け機に荷物を預けることができる。
KIOSK端末はたくさん置いてあるし、セルフバゲージドロップの機械も多い。
待ち時間ゼロで利用できそうだ。
セルフチェックイン対応の航空会社。
タイ航空はあるけれど、エアアジアには未対応。
預け荷物がない場合、セルフチェックインで搭乗券を発行してしまえば、そのまま保安検査場へ向かうことができる。
チェックインの列に並ぶ必要なし。
国際線出発口
第1ターミナル4階の国際線出発口が大きく変わった。
長い工事期間を経て、ようやく出発口のリノベーションがほぼ終了した。
以前は3つの出発口に分かれていた。
昨年に中央部分が新しくオープンしたが、半分仮設状態だった。
今年3月18日には北側部分もリニューアルオープン。
現在の様子。
保安検査場が中央部分にすべて集約されているような形だ。
保安検査場入り口には、改札機のような自動化ゲートがたくさん並ぶ。
搭乗券のバーコードをかざすとゲートがオープンして、中に入ることができる。
これだけ自動化ゲートがあれば並ぶ必要はほぼなくなった。
ファストレーンもある。
保安検査場内もきれいになった。昨年は一部工事中だったが、今ではすっかりきれいになった。
パソコンを取り出す必要のない新型の検査機が多数。
検査はさくさくと進む。
少々列ができていても、あっという間に通過できる。
これは楽でいい。
パンデミック明けの大混雑が嘘のようなスムーズさだ。あの頃は保安検査場に入るだけで30分以上の行列に並んでいたものだが。
9時38分に保安検査場に入り、保安検査場を抜けたのが9時42分。たった4分だ。
出国審査場もリニューアルされている。これは昨年から。
日本人は自動化ゲートが利用できる。
各ゲートで5,6人待ちだったが、さくさく進むため、待ち時間はわずか。
9時45分には、無事に出国を終えた。
保安検査場入り口から出国完了までの総所要時間は7分。
本当に早くなった。
3月27日には南側部分もリニューアルオープンして、完全リニューアルオープンとなるそうだ。
スマートレーンが最大22台に増設されて、処理能力は1時間あたり6000人になるとのこと。
でも、すでに完全オープンのような状態だ。
まったくストレスがない。
関空、がんばってます。
国際線共用ラウンジ
出国審査を終えて、一つ下の階に降りると、ウォークインタイプの免税店エリアとなる。
ここはオープンして1年ほど経つ。
新しい国際線出発フロアにも慣れてきた。
3月27日のグランドオープンで大きく変わるのが、大規模共用ラウンジのオープンだ。
ばらばらだった航空会社ラウンジを集約させていく狙いがあるそうだ。
今回の訪問時点では、まだ共用ラウンジはオープンしていない。
ラウンジへ上るであろうエスカレーターはすでに動いていた。
でも入ることはできない。
ここを上った先に2つの共用ラウンジがあるわけね。
なお、JALなどの航空会社は自社ラウンジを廃止して、共用ラウンジへ移行することを発表している。
現時点では、ANAラウンジなどは普通に稼働中だ。
特にお知らせも掲示していない。掲示してあるのはプライオリティパスとの提携終了の告知のみ。
関空では、国際線制限エリア内でプライオリティパスが使える航空会社ラウンジはない。
共用ラウンジのオープン以降も、クレジットカードで入ることができるカードラウンジは現状維持するようだ。
アネックス六甲に入ってみたが、さほど混雑はしておらず、使い勝手はよかった。
プライオリティパスで入れるラウンジはカードラウンジのみ。
国際線到着
今回は国際線出発のため、調査できたのは以上。
国内線はすでにリノベーションを終えている。
国際線到着ではいくつか大きなリノベーションを実施とのこと。
国際線到着免税店がつい最近復活したばかり。
また、入国審査場も3月18日に大きく変わったようだ。以前は北側と南側に分かれていたが、接続廊下を設置して、北と南を一体的に運用できるようにしたとのこと。空いているほうの入国審査場を選択できるようになった。
このあたりの様子は次回の日本帰国時に調査してみたい。
まとめ
すっかりよくなった関西国際空港。
大阪・関西万博にきっちり間に合った形ですな。
国際線出発時の免税店や共用ラウンジはともかく、出発時の保安検査場の混雑が著しく改善されたのが一番喜ばしい。
航空会社にもよるが、セルフチェックインに対応していれば、チェックインカウンターに並ぶ必要もない。
保安検査場も並ばずに済むとなれば、関空での待ち時間のロスがますます短くなる。空港到着から10分足らずで制限エリアに入ることも可能だ。
訪日外国人にとっては入国審査場のリニューアルも大きいだろう。日本人は自動化ゲートを使うため、混雑とは無縁だったけれど。
広告