タイの観光スポーツ省と運輸省が外国人向けにタイでの運転についてガイドラインを正式発表した。
タイの運転免許証の取得方法、タイでの運転方法、事故時の対応方法などだ。
実際の運用は各県各警察各陸運局によって異なるだろうが、タイ政府としての正式ガイドラインは参考になる。
パタヤでの運転免許証取得とレンタカーの実態についても合わせて解説しておく。
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はじめてタイの運転免許証を取得する方法
陸運局発表のインフォグラフィックス。
以下、日本語訳を付ける。
タイの運転免許証をはいめて取得するには?
国際免許証をタイの運転免許証に切り替える場合
陸運局オフィスにて必要書類を提出する
1.パスポート(原本とコピー)
タイ滞在期限が最低15日以上残っていること
2.タイでの居住証明書
滞在先のイミグレーションオフィスにて外国人居住通知書(TM.30)を発行してもらうこと
居住証明書取得必要書類
a.申請用紙
b.TM.30
c.パスポートのコピー(顔写真と詳細のページ、入国スタンプのページ、滞在延長手続きをした場合は最新の延長スタンプ)
3.健康証明書
発行から30日以内の健康証明書
4.外国の免許証(原本とコピー)
最低でもタイでの滞在期限を満たす有効期限の外国の免許証。もし英語で書かれた免許証でない場合は大使館もしくは領事館によって証明されたタイ語もしくは英語の公的翻訳が必要。
5.Eラーニングトレーニングの結果
1時間のEラーニングを受けること。www.dlt-elearning.com
料金:バイク105バーツ、車205バーツ
以上がタイ政府からの公式情報。
パタヤでの取得方法を実例に少し解説を加えておく。
パタヤで国際免許証をタイ免許証に切り替える方法
パタヤでの方法についてとなる。
パンデミック前の記事だが、基本的な方法は現在も変わっていない。
関連記事:パタヤならビザなしでも取れる。国際免許から切り替えてタイの運転免許証を取得する全手順
必要書類はタイ陸運局発表のとおりだ。
必要書類を揃えておけば、パタヤの陸運局前のコピー屋で必要箇所はすべてコピーしてもらえる。
・パスポート
当たり前なので説明不要。
・タイでの居住証明書
ジョムティエンにあるイミグレーションオフィスで取得可能。
居住証明書を取得するには、TM.30と呼ばれる外国人居住通知登録が必要だ。TM.30は、外国人に居住地を提供しているオーナーがイミグレーションに対して通知すべきもの。TM.30の控えがないと、居住証明書の取得はできない。TM.30の通知は外国人本人がイミグレーションオフィスで行うこともできるが、その際にはアパートやコンドミニアムの契約書が必要。もしくはホテルの予約確認書でも通用することがある。
TM.30があれば居住証明書の取得は簡単だ。1枚300バーツ。
居住証明書にかぎらず、パタヤのイミグレーションで何かの手続きをする際には必ずといっていいほどTM.30が求められる。
ホテルやアパートやコンドミニアムにチェックインする際には、オーナーに対して必ずTM.30の通知をするようお願いしておこう。(イミグレーションで手続きする予定のない短期旅行者は何も気にする必要なし)
・健康証明書
パタヤのあちこちにあるクリニックで簡単に発行できる。免許証取得のためといえば、ほとんどノーチェックで証明書を書いてもらえる。1枚100バーツから200バーツ。
・国際免許証
外国での運転免許証とは、国際免許証を用意するのが手っ取り早い。
日本の地元の免許証センターもしくは警察署で発行してもらえる。免許証センターならほんの30分もかからずに受取可能だ。運転免許証とパスポートを持っていけばいい。パスポート本体は必須ではなく、パスポートに記載された姓名のローマ字表記が確認できればいい。
日本の運転免許証をタイに持っていき、日本大使館で英語翻訳証明書を発行してもらう方法もあるようだが、あまりにも手間なので非推奨。
そもそも日本の国際免許証があれば、そのままタイで車の運転が可能だ。
ただし、バイクについては、原付しか資格ない免許証では、国際免許証に2輪車運転資格のスタンプは押してもらえる。日本で小型2輪車以上の免許証があれば、国際免許証で2輪車運転資格が得られる。国際免許証では2輪車の排気量区分はない。日本では小型や中型限定であっても、タイでは大型2輪車を乗ることができる。
・Eラーニング
タイ陸運局の専用サイトで事前にEラーニングを受ける。ビデオを見るだけのもの。以前は陸運局の学習ルームでみんな集まってビデオを見ていたが、パンデミック期間中にEラーニングへ移行していった。Eラーニング終了時の画面をスクリーンショットしておくといい。
以上の書類をそろえて、パタヤの陸運局免許証センターで手続きする。
以前は国際免許証からタイ免許証への切り替えは飛び込みで申請して半日で受け取りすることも可能だったが、現在は予約制となっている。
外国人は現地で申請予約する必要があり、まずは現地で手続き可能な日を予約する。混雑具合によって予約可能な日は異なるが、早くても数日先で遅ければ2週間後になることもあるらしい。よってド短期滞在では予約可能な日に間に合わない可能性あり。
短期旅行者の取得のハードルは上がっている。
当日の手続きは、色覚検査や反射神経検査などがある。ビデオ研修はEラーニングを受けておくことで不要。
パンデミック前との違いは、予約制になったことと、Eラーニングが導入されたことだ。あとは同じ。以前でも混雑時には即日発行不可のこともあったので、実質的にはほぼ変わらない。
国際免許証からタイ免許証への切り替え手続き自体は簡単。
ただし、居住証明書取得のためのTM.30が面倒で、陸運局の予約も面倒。
時間に余裕のある旅行者でないかぎり、免許証切り替えはそこまでおすすめしない。
日本発行の国際免許証で充分だと思う。
国際免許証の有効期限は1年、タイで外国人旅行者が取得可能なテンポラリー免許証の有効期限は2年だ。
最初にテンポラリー免許証を取得したあとで、1年間長期滞在可能なビザを持った状態で免許証更新手続きをすれば、5年有効の一般免許証の取得ができる。(パタヤの陸運局では)
一般旅行者は、最初に日本の国際免許証をタイで1年間使う。国際免許証の有効期限が切れる前に、タイの免許証に切り替えるかどうか決める。面倒だったり、タイミングが合わなければ、また日本で国際免許証を取得する。一度タイの免許証へ切り替えを行ったあとは、現地で免許証の更新をする。
タイの免許証は更新を怠ると、国際免許証からタイへの免許証への切り替えはもうできないという話だ。
短期旅行者だとなにかと面倒なので日本で国際免許証を毎年取得するほうが手っ取り早い。
国際免許証はサイズが大きいのが難点だ。
タイの免許証は財布に入るサイズだ。この点がメリット。2年ごとの更新となるのもメリット。あとは面倒くさいだけ。特にパタヤでは面倒くさい。
バンコクやその他の地方都市ではもっと簡単で早いという話を聞く。ただ、ビザがないと取得できないという話もある。そもそもビザがないと居住証明書が取れないという話もある。詳細は不明。
パタヤでは長期滞在ビザなど不要でタイの免許証が取得できるのは間違いない。
なお、国際免許証からの切り替えではなく、タイ国内で一から運転免許証を新規取得することもできる。
今回のタイ政府からの情報発信ではその内容は含まれていない。
タイでの運転について
タイでの運転について、タイ政府からの公式発表。
タイで運転可能な免許証
1.タイの運転免許証
2.国際免許証(IDP)
タイは、ジュネーブ条約とウィーン条約に加盟している。(日本の国際免許証はジュネーブ条約加盟のため、タイで有効となる)
3.ASEAN加盟国の免許証
レンタカー
・レンタカーを借りる際にはタイの免許証あるいは国際免許証あるいはASEAN運転免許証の提示が必要。
・評判のいいレンタカー会社を選ぶこと。状態がよく、ナンバープレートがあり、税金支払い済みステッカーの貼ってある車両を選ぶこと。
・運転中は、常に免許証とレンタカー契約書類を携行すること
・もし免許証を持たずに車をレンタルして交通事故を起こせば、補償や損害賠償を受けられない場合がある。
・レンタカーを借りる場合は、保険の適用条件と契約の詳細を注意深く確認すること
タイでの運転中についてもかいつまんで日本語訳しておく。
・バイクに乗るときは常時ヘルメット着用
・車に乗るときはシートベルト着用
・歩行する際は歩道を使いましょう。もし歩道がないときは、車の進行方法に対して右側を歩きましょう。
・交通ルールを守りましょう
当たり前のことばかり。
タイで運転中に事故を起こしたら?
1.負傷者の救助
2.車両を移動させる
3.警察に通報する。番号は、191。
4.保険会社に連絡する。もしくはレンタカー会社に連絡する。可能であれば、相手方の名前と連絡先とナンバープレートをメモしておく。
以上。
レンタカーやレンタルバイクの保険適用については、事前に確認しておくのがベター。
また怪我した場合の治療費が海外旅行保険適用となるかも保険会社に確認しておこう。
パタヤのレンタカーやレンタルバイクの業者は、免許証の確認を求めてくることはほとんどない。
たとえ無免許でも簡単に借りられる。
これがかなり問題になっているけれど、パタヤではまだ野放し状態だ。
でも、もし無免許状態で事故を起こしたら、あとが大変。事故の補償や治療費などは一切受けられないだろう。すべて自腹となる。
車両修理費や病院代などを払わずに、そのままタイを出国して逃亡してしまう外国人旅行者が多くて、これまた問題にはなっているが。
まとめ
タイで車やバイクを運転するなら、まず日本で国際免許証を取得しておくこと。バイクは原付き免許証では不可だ。
タイでも一昔前は外国人でも無免許ノーヘルが当たり前のような状況だったが、もはや過去の遺物。免許証とヘルメットは必須と考えるべし。パタヤでは頻繁に検問所が設置されて、取り締まりを行っている。
タイで国際免許証からタイ免許証に切り替えするべきかどうかはその人次第。
滞在日数の限られた短期旅行者ではパタヤでの切り替えは厳しくなってきた。そもそも時間がもったいないと思う。書類の準備、イミグレーションオフィスでのTM.30と居住証明書取得、陸運局への移動と待ち時間、さらに予約日の再訪問などなど。貴重な滞在時間が大きく奪われてしまう。
いずれ長期滞在を計画している人は早めに免許証切り替えをしておいてもよさそうだ。ビザ取得後に免許証を更新すれば5年有効の本免許証が取得できる。
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