国によっては、パスポートの有効期間が残り短いと入国を認めないことがある。
多くの国ではパスポート残存有効期間が3ヶ月から6ヶ月は必要としている。
タイはどうだろうか?
パスポートの残存有効期間が6ヶ月を切っていても入国できるのか。
急いでパスポートの更新切替をする必要があるのか。
個人的な考察をしてみた。
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タイ入国のパスポート残存有効期間ルール
日本の旅行代理店では、タイ入国にはパスポート残存有効期間が6ヶ月以上必要と注意書きをしているところがほとんどだ。
中には、残存有効期間6ヶ月+タイ滞在予定期間が必要としているところもある。
公式ルールはどうなっているのか?
東京にあるタイ王国大使館のホームページ。
Chromeで閲覧すると、肝心のところが文字化けしている。
⇒https://site.thaiembassy.jp/jp/visa/type/9793/
福岡のタイ領事館のホームページにはきちんと記載あり。
⇒https://fukuoka.thaiembassy.org/jp/page/visaexemption
観光ビザ免除でタイに入国する観光客は、入国時以下の条件を満たしている必要があります。
◦ パスポート(2ページ以上あるもの)の有効期限が入国日から数えて6か月以上であること
◦ 一人当たり10,000バーツ、一家族当たり20,000バーツ相当の現金や資金を所持していること
◦ 30日以内に出国することが確認できること(例:航空券、電車、バス、船のチケットなど)
なるほど。
この文書を読むかぎりでは、やはりパスポート残存有効期間が最低6ヶ月は必要なようだ。
タイ国政府観光庁(TAT)のホームページにはこのように記載。
パスポートについて
* タイ入国後30日(29泊30日)以内の観光目的の滞在の場合(往復の航空券又は他国へ出国する航空券等を所持している事が条件)、日本国籍であればビザなしで入国することができますが、国際規定によりパスポートの残存期間は6ヶ月以上と定められています。* 30日以上の滞在を予定されている方、あるいは観光目的以外で入国される方は事前にタイ王国大使館・領事館においてビザを取得して下さい。現地入国管理局での滞在延長は基本認められておりません。また、陸路からの入国も正式なルートではありませんのでご注意ください。
* 各航空会社によりパスポート残存期間の規定が異なるため、ご利用になる航空会社にお問い合わせ下さい。
出典:https://www.thailandtravel.or.jp/about/basic/
2024年6月時点では、ノービザ入国での滞在日数は30日間だ。(もうすぐ60日間へ延長される予定だがまだ最終決定はされていない。2024年6月13日時点)
パスポートの残存期間は6ヶ月以上となっているが、これは国際規定によるものとしている。タイ側の定めるルールと書いていないのがポイントだ。
また、航空会社によるパスポート残存期間のルールが異なるとも注意書きをしている。
おもしろいのは、現地イミグレーションでの滞在延長は認められていないとか、陸路入国は正式なルートではないとも書いてあること。
現実にはどちらもまったく問題ない。バンコクでもパタヤでも、手続きはちょっと面倒な部分があるものの、簡単に滞在延長ができるし、ノービザでの回数制限はあるもののラオスやマレーシアといった陸続きの国からタイへ陸路入国するのはまったく問題ない。
TATの情報は、あくまで表面的なもので、実際的ではないようだ。
でも、タイ大使館ないし領事館は6ヶ月必要と述べている。
実際の運用は?
では、パスポート残存有効期間は実際のところはどうか?
まず大前提として、「正解はない」というのを頭に入れておく必要がある。
入国できるかどうかは、最終的にはイミグレーション係官の裁量によるからだ。
また建前のルールと現実の運用が大きく乖離するのも当たり前のこと。
情報が絶対に正しいなんてことはありえない。
で、いろいろ調べたところ、日本人旅行者はパスポート残存有効期間が6ヶ月未満でもあってもタイ入国は問題ないというのが、100%とはいえないものの大筋の答えとなる。
第1段階として、航空会社の判断。航空会社がパスポート残存有効期間が足りないことを理由として搭乗を拒否することがありうる。
第2段階として、タイのイミグレーションの判断。タイ到着時の入国審査で係官が拒否する可能性がある。
この2段階をクリアできれば、パスポート残存有効期間が短くてもタイに入国できる。
最初に航空会社の取り扱いだ。
これは各航空会社によるとしか言いようがない。
とりあえず、エアアジアで確認してみよう。
WEBチェックインの際に、有効期間が迫っているパスポートを登録しようとすると、このような表示となる。
有効期間が6ヶ月未満だと駄目らしい。最後までWEBチェックインを済ませられるかは不明だが。
現場ではどうなのか?
エアアジアのチェックインカウンターで質問して、規定文書まで確認してもらったが、タイ渡航におけるパスポート残存有効期間は問わないというのが答えだった。
タイ滞在予定期間を満たしていればそれでいいとのことだ。
現実的にはノービザ滞在期限が30日(もうすぐ60日に延長予定)なので、パスポートの残存有効期間は1ヶ月もあれば十分ということになる。
パスポート残存有効期間が6ヶ月未満だから搭乗拒否したという事例はないようだ。
航空会社であっても、WEB上と現場での運用が異なるという好例。
ただし、帰国ないし第三国へのフライト航空券がないと、搭乗拒否されることはある。これはパスポート残存有効期間とは別の話だ。
日本からタイへのエアアジアフライトではチェックイン時に必ずといってほど帰りの航空券の有無を質問される。第三国への出国でもいいが、航空券ないし国際バスのチケットを持っていない場合は、搭乗拒否されることもある。ビザがあれば片道でも問題なし。また持っていない場合でも、念書を書けば搭乗を認められることケースが多い。
実際に6ヶ月未満でタイへのフライトに搭乗できて、入国もできたという日本人の報告はいくつもある。
一方で、航空会社によっては、搭乗を拒否するケースもあるらしい。
航空会社の判断によるため、これまた正解はない。
パスポートの有効期間が迫っている人は、搭乗予定の航空会社に事前に確認しておくのがベター。
航空業界全体での統一的な正解はなさそうなので、各個に対応するしかない。
続いて、第2段階。
航空会社がフライト搭乗を許可してくれて、タイに到着。タイのイミグレーションで入国を許可されるのかどうか?
これまた係官次第としか言いようがない。
いろいろと話を聞いたかぎりでは、これまでパスポート残存有効期間が6ヶ月未満だからとタイ入国拒否をされた日本人はいないということだ。
ただし日本人以外では、3ヶ月を切っているパスポートで入国拒否されるケースはあったそうだ。
このあたりは伝聞情報でしかない。頭から信じ込むのは拙速というもの。
個人的にはこれまでイミグレーションで帰国の航空券の提示を求められたことはないけれど、他の外国人が提示を求めれている姿は何度か目撃している。ホテル予約をしていないと、その場で予約するよう命じられているところも見かけた。
空路で入国する際には1万バーツ相当以上の現金や資産の提示を求められたことはないが、陸路入国では求められたことが一度だけある。
すべては入国ポイントや係官の裁量次第だ。
ただ、巷で出回っているタイ入国にはパスポート残存有効期間が6ヶ月は必須という話は、あまり信憑性がない。
でも、6ヶ月以内でもタイ入国できると信じてしまうのも危うい。
正解はないので、個別に対応するしかない。
旅行代理店がタイ入国にはパスポート残存有効期間6ヶ月以上必要と執拗に警告するのも無理はない。
もし航空会社に搭乗拒否されたり、タイ入国拒否されたりすると、旅行代理店にクレームが来たり対処しないといけなくなるんで。
個人的な結論
最終的には自分で判断することになる。
自分ならばどうするか?
あくまで個人的な判断となるが、パスポート残存有効期間が3ヶ月を切っているようならば問答無用で更新すると思う。
というか、今回のタイ渡航にあたり、パスポートの有効期間が3ヶ月を切っており、実際にパスポートの更新切替手続きを行った。
おそらくは残り3ヶ月のパスポートでも入国できるはずだが、念の為に新しいパスポートに切り替えることにした。
新しいパスポートは査証欄が和のイラスト付きでいい感じ。
パスポート残存有効期間が6ヶ月をちょっと切っただけならば、無理にパスポートの更新はしないと思う。
ただし、タイ以外の国では、パスポート残存有効期間が6ヶ月以上必要と厳格に定めている国もあって、そういう国にも立ち寄りたい場合には必ず新しいパスポートへ切り替えておく必要がある。
今回のタイ渡航では、タイの隣国にも足を伸ばす予定があり、それもパスポートを切り替えた理由の一つだ。
まあ、いろいろとあるけれど、海外旅行好きであれば、パスポートの有効期限が6ヶ月未満になったら、さっさと更新切替しておいたほうが無難という結論になってしまう。
タイ入国にかぎっていえば、6ヶ月を切っていてもまず問題ない。でも万が一ということがあるため、心配な人は更新切替しておいたほうが精神的安定を得られる。
6ヶ月も有効期間が残っているのにパスポートを更新するのはもったい話であるけれど、心配事があるならば、さっさと金で解決しておくべし。
この手の問題には、絶対的な正解がないため、いろいろとモヤモヤとするもの。
必ずこうなるという話は決して信じないこと。また、杓子定規な回答を求める人はそもそも海外に向いていない。
そんなことも含めて海外旅行の醍醐味ということで。
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