イギリスが入国制限の緩和を発表した。
まず、9月22日からレッド国リストの変更を実施し、10月4日からはレッド国リスト以外の国からの入国要件を大幅に緩和する。
日本からの完全なワクチン接種渡航者は事前の陰性証明書取得とイギリス入国後の10日間自宅待機が不要となる。
つまりは実質的な隔離免除でのイギリス入国が実現する。
広告
イギリス入国制限緩和
現在、イギリスでは、感染危険度に応じて世界各国を信号機を模して赤黄緑の3色に分類している。
日本は黄(Amber)、タイは赤(Red)だ。
黄色と緑色の区分は廃止となり、赤とそれ以外に分類されることになる。
日本は、赤以外の国に指定される。
現時点(10月4日以前)の英国(イングランド)への日本からの渡航制限について、日本外務省の発表は以下のとおり。
英国
英国在住者を含む日本からの渡航者(一部の免除対象者を除く。)がイングランドに到着する場合、旅行を開始する日の3日前以降における新型コロナウイルス検査の受検と、渡航前及び到着時における陰性証明書の提示が義務付けられる。陰性証明書を提示できない場合、渡航手段の利用を拒否される場合がある。
また、事前にオンラインで連絡先等をフォームに登録(入国48時間前以降登録可能)の上、入国時に提示する必要がある。
加えて、上記渡航者(一部の免除対象者を除く。)は、10日間の自己隔離のほか、入国原則2日目と8日目の検査(自費)の受検が求められる。上記オンライン登録前に検査パッケージの予約を行い、予約番号をフォームに記入する必要がある。
なお、入国から5日間経過以降、任意で検査を受けて陰性だった場合に、自己隔離を終了できる制度を選択可能。
英国、欧州(EU加盟国、欧州自由貿易連合加盟国、アンドラ、モナコ、バチカン)又は米国において、英国政府が定めたワクチンを接種した者が一部指定国(日本を含む。)から入国する場合、接種証明書の提示によって自己隔離が不要となる(引き続き出国前検査及び2日目検査の受検は必要)。ただし、現時点では、日本でのワクチン接種完了者、日本の市区町村等で発行するワクチン接種証明書所持者は隔離免除の対象とはなっていない。
出発前検査、フォームへの登録、自己隔離、入国後検査に関する違反は、罰金、禁固又は双方の対象となり得る。
この措置が、10月4日午前4時から変更となる。
完全なワクチン接種を終えていれば、制限が大幅に緩和される。
これまでは、イギリス、ヨーロッパ、アメリカ、イギリスの海外ワクチン接種プログラムでのワクチン接種を受けていることが条件だったが、10月4日からは日本でのワクチン接種も認められることになった。
ワクチンは、アストラゼネカ、ファイザー、モデルナ、ヤンセン(ジョンソンエンドジョンソン)であること。混合接種は認める。
つまり、日本での2回のワクチン接種を受ければ、イギリス入国制限緩和対象ということになる。
必須事項
・イギリス到着後滞在2日目に実施する検査を事前予約し支払いをしておくこと
・到着48時間前までに、滞在場所フォームに登録しておくこと
・イギリス到着後2日目までに検査を受けること
実施の必要無し
・出発前検査
・8日目の検査
・到着後10日間の自宅や宿泊施設での隔離検疫
つまり、日本で事前に検査を受けて陰性証明書を取得する必要もなければ、イギリス入国後の隔離も一切不要ということになる。
隔離無し入国といえる内容だ。
なお、ワクチン接種証明書は、国もしくは県レベルの保健当局から発行された書類が必要。デジタルか紙のどちらか。
最低限必要な記載事項
・氏名
・生年月日
・ワクチンの種類と製造元
・ワクチン接種日
・ワクチン接種地、証明書発行地
9月17日時点での日本のワクチンパスポート利用対象国にはイギリスはまだ含まれていない。
ただ、ほぼ間違いなく、10月4日からは利用可能となるはずだ。
日本のワクチンパスポート見本
もしワクチン接種証明ができない場合は、非ワクチン接種者向けの制限に従う。入国自体は可能だ。
事前の陰性証明書、滞在中2回の検査事前予約、フォームの登録、10日間の自宅隔離、2回の検査が必要。
詳しくはイングランドへの入国制限措置公式情報で確認を。
⇒https://www.gov.uk/guidance/red-amber-and-green-list-rules-for-entering-england
(ウェールズ、スコットランド、北アイルランドは、独自の制限を採用していることがある。)
タイはレッド国のまま
イングランドが定める赤黄緑リストを見てみると、タイはレッドリストのままだ。
スリランカやトルコは、9月22日午前4時からアンバー(黄)リストへ移動するとなっているが、タイは変更なし。
タイからイングランドに入国帰国する場合は、ワクチン接種済みであっても、厳しい条件が付く。
事前の陰性証明書取得の他、10日間のホテル隔離が義務となる。
費用は旅行者負担で、大人一人で2,285ポンド。34万円ほどかかる。
タイは先月末にレッドリスト入りしており、イギリスからタイへの旅行者が激減し、またすでにタイに来ていたイギリス人が帰国時の強制隔離を避けるため慌ててタイを離れたと言われている。
関連記事:プーケットサンドボックスは崩壊の危機に
9月16日のプーケットサンドボックスレポートを見てみると、国籍別ではアメリカに続いての2位をずっとキープしていたイギリスが3位に転落している。
イギリス人旅行者が減少しているのは間違いなさそうだ。
ただ、翌日にはまた2位に返り咲いており、タイで長期滞在する予定のイギリス人はまだ多いとみえる。
まとめ
イギリスは観光再開へ明らかに舵を切った。
余計な手続きや検査を極力排除して、観光客がなるべく来やすい環境を作っている。
タイ入国のややこしくて厳しい手続きと比べると、実にわかりやすい。
10月4日以降、日本からイギリスへの隔離無し観光旅行が可能となる。
むろんワクチン接種は大前提だ。
タイでも10月以降のバンコクやパタヤの開放が予定されている。隔離免除などの入国制限緩和にはワクチン接種がやはり必須条件となる。
これからの海外旅行にはワクチン接種が不可欠な条件となってくる。
現在のネックは、日本帰国時の14日間の待機だ。
タイからの帰国時の3日間強制ホテル待機はなくなるが、14日間自宅待機は継続される。
今回のイギリスのように、ワクチン接種済みならば自宅待機を免除するという緩和が実施されれば、海外旅行のハードルは大きく下がることになる。
広告