7月1日に満を持して開始されたプーケットサンドボックスでのタイ隔離無し入国。
8月29日までにサンドボックスを利用して海外からプーケットを訪れた利用者は累計で25,866人となっている。
当初の計画では開始3ヶ月で10万人を見込んでいたが、2ヶ月時点で2万5千人程度。10万人達成には遠く及ばないだろう。
それどこからプーケットサンドボックスは危機に立っている。このままではサンドボックス(砂場)は崩壊してしまうかもしれない。
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プーケット感染状況
プーケットサンドボックス開始当初は、プーケット県内の新規感染者は連日一桁台で、かなり安全な場所といえた。
その後、徐々に新規感染者が増えていくにつれ、プーケット県は規制強化していった。
ついにはタイ国内からプーケットへの入県を禁止するまでに至った。
それでも県内の感染者は増えていった。
8月30日正午頃政府発表のプーケットの新規感染者は162人。
8月30日夜のプーケット県発表による新規感染者は256人。サンドボックス旅行者が2人(これまでのサンドボックス旅行者から感染が確認されたのは累計82人となった)
そもそものプーケットサンドボックス見直し条件では、1週間あたりの新規感染者が90人を超えると見直しを実施するという基準があったが、のちに撤回された。
利用可能な病床の数などで判断することになった。
一週間で90人どころか、1日で200人というレベルの感染者数なので、もともとの条件ならば完全中止になっていてもおかしくない状況だ。
イギリス旅行者が予約キャンセルと帰国へ
タイ国内での感染状況悪化とともに、由々しき問題がでてきた。
イギリス政府がタイを感染レッドリスク国に指定したのだ。これにより、8月30日以降、タイから帰国するイギリス人は帰国時に10日間の強制ホテル隔離が必要となった。隔離ホテル費用は自腹で、約2,200ポンド。33万円以上だ。
この措置により、プーケットサンドボックスでタイへ行く予定だった多くのイギリス人が予約をキャンセルした。
また、すでにプーケット滞在中だったイギリス人も、帰国を早めたという。30日以前に帰国すれば帰国時の隔離は不要となるからだ。
参照:https://www.bangkokpost.com/business/2172655/phuket-hotels-see-more-uk-cancellations
プーケットイミグレーションオフィスでは、サンドボックス利用者のデータを連日公表している。
7月1日から8月29日までのサンドボックス累計利用者は25,866人、
国籍別トップ5は、1位がアメリカが3,438人、イギリスは2位で3,335人となっている。
アメリカと並んでイギリスはサンドボックス人気が最も多い。
また、8月29日時点で、なおもプーケットに滞在しているサンドボックス旅行者は4,139人。
過去データをさかのぼってみると、8月22日は5,742人、8月25日は5,416人、8月28日は5,091人となっている。
どんどんとプーケットからサンドボックス旅行者がいなくなっている。特に8月29日に一気に減少した。
減少分のうちどれだけイギリス人が含まれているかは不明だが、おそらく多くのイギリス人が帰国の道を選んだと思われる。
ロックダウンした街に誰が行くのか?
新規感染者が増えるプーケットでは規制強化を続けて発令してきた。
7月1日プーケットサンドボックス開始当初は、レストラン店内での飲酒が認められていた。
が、その後の規制強化により、レストラン店内の飲酒が禁止された。
店内飲食はずっと認められていたが、アルコール消費は禁止だ。
公共エリアやビーチでの飲酒も禁止されている。
9月1日以降の全国的な規制緩和にあっても、プーケットでは新たな命令を発令し、これまでの規制措置を継続することになっている。
9月1日から9月14日までのプーケット規制内容
・バー、パブ、娯楽施設閉鎖
・闘鶏場、ムエタイスタジアム閉鎖
・ビリヤード場閉鎖
・ゲームショップ閉鎖
・公共エリア、ビーチ、公園などで宴会やアルコール消費は禁止
・レストラン店内での飲酒は禁止
・コンビニは午前4時から午後11時まで営業可
・フィットネスジムは午後9時まで
プーケットに旅行しても、レストランで飲むこともできず、ビーチで飲むこともできず、ビリヤードすることもできず、ジムは9時までだし、夜はコンビニがさっさと閉まってしまう。
むろんバーはずっと閉鎖されたままだ。
プーケット観光評議会によれば、プーケットサンドボックスの外国人観光客はプーケット到着後に騙されたと感じているとのことだ。
とりわけヨーロッパからの旅行者は、食事をビールとワインと一緒に楽しみたいと思っているが、現在は禁止されている。
プーケットの準備ができていないのにどうして再開するのか? 制限を緩和しなければ、すべてが駄目になってしまうと。
このままではヨーロッパからの観光客はハイシーズンに誰もいなくなってしまう。
プーケットがロックダウンされれば、プーケットサンドボックスは壊滅する。
プーケットにとって9月が極めて重要な月となる。できるだけ多くのワクチンを地元住民に接種することが不可欠だ。
プーケット県知事は、感染封じ込めの取り組みを強化していると発言。この困難な状況を乗り越えるために、できるかぎりのことをしなければいけない。感染者が減少することを願っている。力を合わせて前進する。これはプーケットサンドの未来にとって生死を分ける状況だという。
参照:https://www.bangkokpost.com/business/2173119/sandbox-at-risk-of-collapse-after-surge
まとめ
プーケットサンドボックスは危機的な状況にある。
まず、主要顧客のイギリス人が撤退。
次にプーケット県内の感染者が増加し規制強化。レストランで飲酒もできず、ビーチで酒も飲めない。へたするとロックダウンとなってしまうかもしれない。そうなればサンドボックスは崩壊する。
これは他の開放予定地にもあてはまること。
かりにバンコクやパタヤを開放しても、ロックダウン状態の観光地に誰がやってくるだろうか。
9月1日からの規制緩和されるものの、夜間外出禁止令は継続、店内飲酒は不可、ビーチでの飲酒は不可、パーティは禁止、バーの営業は断じて不可。
開放されたからなんでもできるだろうとわくわくしてやって来た観光客は騙された気分になること必定。さっさと帰国してしまうだろう。
パタヤやホアヒンやチェンマイの開放は9月から延期され、10月1日を予定されている。
プーケットと事情は変わらない。
9月の1ヶ月が重要となる。ここで感染を抑制し、ワクチン接種を進め、さらなる規制緩和を実現させる。
プーケットサンドボックスもパタヤ開放の未来も9月が勝負の月となりそうだ。
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