タイ開国計画では、チェンマイとパタヤは9月1日に開放される予定となっていた。
ワクチン接種済み観光客はチェンマイとパタヤに隔離無しで滞在可能とするものだ。
が、どちらも9月1日開放は延期される見通しだ。早くて10月1日となりそうだ。
また開放計画の手順についても明らかになってきた。滞在中の自由行動はほぼ望めない規則となっている。
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チャーミングチェンマイ
チェンマイ開放計画はCharming Chiangmai(チャーミングチェンマイ)の名称が付けられている。
9月1日開放予定であったが、ワクチン接種が遅れており、10月1日へと延期される可能性が高い。
現在は開放に向けて準備を進めている段階だ。
開放するのはチェンマイ県のうち中心部であるムアン地区など4地区にかぎられる。
プーケットサンドボックスとは違い、陸地であるチェンマイではサンドボックスモデルは取らず、シールドルートモデルを採用する予定となっている。
ワクチン接種が遅れており、感染拡大リスクを最小限に抑えるため、厳格なルールが必要となる。
世界中のTAT(タイ国政府観光庁)と協力して、シールドルートでのパッケージツアーをアレンジする予定だ。
2019年のチェンマイを訪れた観光客は1,080万人、収入は1,090億バーツだった。
うち31%が外国からの観光客で、トップは中国、韓国、台湾、香港、アメリカ。
チャーミングチェンマイで目標としている旅行者は、中国や日本からなど。
かつては大勢いた日本と韓国からのゴルファーの回復も狙うとしている。
メインターゲットはやはり中国ということになろう。
海外からの旅行者は到着初日は検査結果が出るまで部屋で待機する。
2日目以降は、事前予約したツアープログラムでの旅行が可能となる。
ツアー会社が責任をもって観光客をガイドすることを義務付ける。
現在、観光事業者とTATが、ゴルフツアー、ウェルネス、医療、家族向けプログラムなどのツアープログラムを準備中だという。
チェンマイ2週間滞在後はタイ国内を自由に旅行できる。
1日あたり200人を超える新規感染者が10日連続すると計画は途中で停止される可能性がある。
チェンマイ開放最初の月で、4,320人の観光客と1億5800万バーツの売上を期待しているという。これは、1日3便の国際線が到着するという最良のシナリオの場合だ。
チャーミングチェンマイはまだ計画段階であり、CCSAに計画の承認を求める。
参照:https://www.bangkokpost.com/business/2167571/chiang-mais-best-laid-reopening-plans
参照:https://www.bangkokpost.com/thailand/general/2168043/chiang-mai-tourism-may-have-to-wait
パタヤムーブオン
パタヤ開放計画はPattaya Move Onという名称を与えられている。
計画では、バンラムンとサタヒップの2地区をワクチン接種済み観光客に開放することになっている。
開放予定は9月1日だが、すでに延期されることが半ば公然化していた。
パタヤ市長がTAT(タイ国政府観光庁)より延期される旨を通知を受けたという。
パタヤの民間部門でもパタヤムーブオンの延期はほぼ確定事項のようだ。
パタヤビジネス観光協会(PBTA)会長は、官僚主義とワクチン接種計画の遅れよって、パタヤ9月1日開放は延期されるだろうと述べている。
9月1日までにパタヤのワクチン接種率が70%に達する可能性は低い。いつ達成されるかはわからない。
PBTAはシールドルートの準備など開放計画に引き続き取り組んでいくとしている。
参照:https://www.bangkokpost.com/business/2169051/red-tape-slow-jab-rollout-delay-pattaya-reopening
TATでも延期について言及。
TAT(タイ国政府観光庁)によれば、パタヤムーブオンは9月1日から延期され、10月に開始される可能性があるとしている。
チョンブリ県の新規感染は連日1000症例以上あり、そのうち200から300は開放予定であるバンラムンとサタヒップで発生している。
(注:8月23日の発表ではチョンブリ県の新規感染者は953人に減少。バンラムン189人、サタヒップ9人。)
さらに、チョンブリ県のワクチン接種率は33%にすぎない。
開放計画の条件はエリアのワクチン接種率が70%に達していることだ。
TATによれば、チョンブリがダークレッドゾーンから外されれば、パタヤムーブオンは前進するだろうとしている。
パタヤムーブオンのSOP(標準操作手順)は策定されて、チョンブリ県保健局に承認を求めいてる途中だ。
パタヤ開放は、バブルアンドシールモデルで実施される予定となっている。
最初の6日間は2つのエリアにある19の隔離ホテルに滞在する必要がある。7日目以降はシールドルートプログラムの下で旅行できるようになる。
パッケージツアーはSHA+承認済みの観光業者のサービスを利用する必要がある。
もしもツアー参加者が他の場所へ逃げ出すようならば観光業者はSHA+承認を取り消される。
要するにあらかじめ決められた特定ルート以外の行動は不可ということになる。自由な旅行はできない。
パンデミック発生以前、パタヤを訪れた外国人観光客は年間940万人だった。そのうち272万人が中国人で、114万人がロシア人。
現状では中国は自国民の自由な海外旅行を許可していない。
先日、サンドボックスに必要にワクチン接種証明書にロシアのスプートニクVワクチンが承認されたので、ロシアからのチャーター便での観光客の需要が期待できるとしている。
ウタパオ空港はシールドルートの下でのパタヤへのフライトを提供する準備ができている。
TATでは、パタヤムーブオン計画の公式な結論はこの2週間で出されると見ている。
参照:https://www.nationthailand.com/in-focus/40005121
参照:https://www.bangkokpost.com/business/2169647/pattaya-tackles-hurdles-to-reopening
まとめ
チェンマイとパタヤの開放は早くても10月1日以降となるのはほぼ決定的な状況だ。
そして、その中身は、シールドルートないしバブルアンドシールを採用したもので、自由な旅行とは到底言えないものとなりそうだ。
チャーミングチェンマイでは到着翌日からホテルの外に出ることができる。
パタヤムーブオンでは7日以降に外出可となる。
ホテルから外に出られても、自由行動は不可。パッケージツアー参加で決められたルートで決められた施設のみ訪問可能となる。
以前のパタヤでよく見られた中国人団体ツアーの行動と同じだ。バスで観光施設をめぐり、土産屋に立ち寄り、旗を持ったガイドの先導で街を歩くだけ。
たとえパタヤのウォーキングストリートが営業していても、ガイドの後ろを歩くだけでバーに入ることは許されない。
店に入れば、ツアー会社はSHA+認定を取り消されるので必至に阻止するだろうし、また旅行者側も違反行為として罰せられるおそれがある。
SHA+認定されたバーやクラブがあれば入店は可能かもしれないが。
最近プーケットサンドボックスの規則が厳しくなり、SHA+ホテルは宿泊者が夜戻ってきたかどうかの確認をする必要がある。帰りが遅いとコマンドセンターに報告義務あり。
シールドルートモデルだとさらに規則は厳格化するだろう。自由なナイトライフはほぼ不可能となりそうだ。
たとえ10月に開放が実現しても、ナイトライフが再開しているかは別の話だが。すでに開放されたプーケットやサムイでもバーの営業はいまだに不可のままだ。
パタヤでは、ラン島サンドボックス計画も案出されている。プーケットサンドボックス7+7エクステンションにラン島を加えるアイデアもある。
これだとラン島内にかぎり行動の自由は得られるかもしれない。
いずれにせよ、計画はまだ決定していない。
開放日は未定。具体的な規則も未確定だ。
正式には何も決まっていない
今は感染状況が改善され、チョンブリがダークレッドゾーンから外され、ワクチン接種が進むことに期待するだけ。
それが開放への第一歩となる。
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