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エッセイ

ハリウッド出身のファランにとってパタヤは天国か地獄か

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同じ宿に長期滞在しているファランがいる。まあ、安宿なんで、そんな沈没系ファランばかりなのだが、ベランダでたばこを吸っていると、たまたま隣室のファランに声をかけられた。
緩みきった上半身裸姿で、髪はもじゃもじゃ。
挨拶してみると、彼はロサンゼルス出身の52歳。名前はボビー。
元ハリウッドで映像制作の仕事をしていたそうだ。
毎日毎日、映画やアニメの映像チェックばかりしていて、気がおかしくなりそうになって、早期退職してパタヤへ逃げてきたという。

ハリウッドでの生活やロサンゼルスの治安の悪さや物価の高さを嘆くボビー。銃、ドラッグなど問題も多い。
華やかに見えるハリウッドやロサンゼルスも、やはり息が詰まるようだ。

そのうち、話は政治的な方向へ。
ボビーは、アメリカの共和党政権が大嫌い。ブッシュ家を目の敵にしていた。
やつらはいつも戦争を起こしたがる。おれたちに戦地へ言って死ねと命令してくるのだと怒りだした。
第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争。やつらはいつだってそうだ。
やつらの名前は、「ミリタリー・インダストリアル・コンプレックス」さ、と忌々しげに語っていた。

軍産複合体ときたか、ボビー。
ノビー(落合信彦)みたいな主張しているな、ボビーよ。

大雑把に解説すると、戦争が起きることによって軍と産業は潤い、肥大化していき、権勢を維持することができる。だから、アメリカでは軍と産業が一体となった超巨大な軍産複合体が、わざと戦争を起こしているのだ、という考え方。

まあ、そういう一面があることも確かだろうけど、パタヤができたのもベトナム戦争のおかげだぜ。

その後も、ロスチャイルドやロックフェラーの名前が出てきて、話が陰謀論チックになってきた。
最後はフリーメイソンやイルミナティまで登場する始末。
ああ、これはダメなやつだ。
ノビーの次は、ベンジャミン・フルフォードかよ、ボビー。

どうやら、長年のハリウッド在籍は、ボビーの心を少々むしばんだようだ。映画と現実は分けたほうがいい。

こういうタイプにまともに反論や反対意見を述べても疲れるだけ。
というか、わたしにそこまでの英語力はない。おそらく知識量では負けていない自信はあるけど、英語で議論できる自信はない。

返事はシンプルにしておいた。

すべて忘れなよ。ここはパタヤだぜ。ただ楽しもうぜ

「おう、そうだな。」と、ぼさぼさの髪をさらにかきむしるボビー。

世界の裏ではどんな陰謀が進行しているかは知らないし、そんなものありはしないのかもれしないが、ボビーがパタヤに逃げてきたのは正解だろうね。

ここは、ある意味、世界から隔絶された、地上の天国のような場所だ。

ただし、一歩間違うと地獄への道に陥りかねない危険もある。
この地に溺れ、無一文になったり、身ぐるみ剥がされたり、ホテルから飛び降りたファランは数知れず。

世俗のしがらみや、母国での嫌なことなど、すべて忘れてしまえ。
ただ楽しめばいいのさ。けれども、地獄を想定することも忘れるな。
それがパタヤで生き残る唯一の方法さ。

まあ、ぼちぼちやっていこうぜ、ボビー。

天国へ行く最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。

By ニッコロ・マキャヴェッリ

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