つい先日、突然提案されたタイの特別観光ビザ。
来週、内閣に提出され、承認するかどうか検討するとのことだ。
TAT(タイ国政府観光庁)のトップが発言した。
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スペシャルツーリストビザ
この特別観光ビザ(スペシャルツーリストビザ)とはいかなるものか。
長期滞在者向けビザで、滞在有効日数は90日。2回まで90日延長が可能となる。つまり、合計270日の滞在だ。
一般の観光ビザの滞在日数は60日。延長は30日可能。合計90日。
それに比べると特別観光ビザは合計270日と圧倒的に長い。
特別観光ビザの料金は2000バーツを想定している。
一般の観光ビザは1000バーツ(ビエンチャンの大使館で取得の場合)。
最低でも3ヶ月で最大9ヶ月。
完全に長期滞在したい人向けのビザとなっている。
ビザ取得とタイ入国に際しては条件あり。
詳細はまだ決まっていないが、現行の入国条件と似たようなものになるはずだ。
つまり、タイ大使館でCOE(入国許可証)の取得、特別便の予約、PCR検査陰性証明書、Fit-to-Fly健康証明書、10万ドル以上の健康保険加入、ASQホテル予約確認書などが事前に要求されることになる。
また、タイ入国時には、ASQホテルにて14日間の隔離検疫と2度のPCR検査の実施も義務付けられる。
現時点でタイ入国が認められる外国人グループは、ワークパーミット保有者やタイ人家族がいる者などに限られている。観光客の入国は不可だ。
観光ビザの発給はストップしている。
この特別観光ビザが承認され、実際に発行されるとなれば、観光目的でのタイ入国が可能となる。
TATとしては、今年の第4四半期(10月から12月)に外国人長期旅行者をタイに招き入れたい思惑がある。
冬のヨーロッパから避寒地としてタイへ長期滞在で訪れる外国人をあてこんでのことだ。
タイ観光スポーツ大臣も、なんとかして年末までには外国人観光客の受け入れを再開すべく最大限の努力を尽くすと発言している。
もしも、今年の第4四半期の状況が改善されず、外国人旅行者がタイにやって来ない場合、観光業に携わる400万人のうち250万人が職を失うことになるだろうという。
来年にはワクチンが開発され、2021年の第2四半期(4月から6月)にタイへの外国人観光客が戻ってくるとTATは予想。
アジア太平洋地域から1,670万人、ヨーロッパ・アメリカ・中東・アフリカから380万人の外国人観光客を見込んでいる。
参照:https://www.nationthailand.com/news/30394306
感想
スペシャルツーリスビザは、提案段階にすぎない。
内閣で正式に承認されるかはまだ不明。
過去、トラベルバブルやSafe and Sealedプランやプーケットモデルなど数々のアイデアが出されてきたが、ことごとく頓挫ないし見直しとなってきた。
今回のスペシャルツーリストビザがどうなるか、まったく不透明。
また、実現するにしても、細かい内容は不明。
2週間の隔離を済ませれば、タイ国内をどこでも自由に移動できるようになるかもはっきりしない。
特にプーケット滞在に限定したビザではなく、タイ全土を想定したもののようだ。
チェンマイやサムイやパタヤも対象となるかもしれない。
ただし、地元住人の理解と同意が必要となる。プーケットモデルは、地元の反対もあり、計画の大幅見直しを余儀なくされている。
また、バンコクで100人ぶりに新規感染者が見つかった影響も大きい。
すんなりと承認されるのは厳しいかもしれない。
ただ、現状では観光目的でタイに入国するには、こういった特別ビザが必要となってくるのは確か。
ワークパーミットなどの要件を満たしていない人は、タイへ入国するのは不可能だからだ。
観光での長期滞在希望者は、こういったビザがあれば入国する機会を得られる。
と、同時に、事前のPCR検査や入国時の2週間隔離が必須となれば、短期旅行は絶望的。
本当に数ヶ月単位で長期滞在できる人向けのビザとなりそう。
来週には何らかの進展が見られるはず。もう少し様子見しておこう。