エミレーツ航空が9月1日からバンコク行き商業フライトを再開させると話題になった。
しかも毎日運航すると。
いや、待て。
タイへの旅客便は9月末まで全面禁止されているはずではなかったのか。
気になったので、情報を追ってみた。
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エミレーツ航空ドバイ発バンコク行きフライト
9月1日から本当に運航再開されたのか、フライト記録をチェックしてみた。
すると、たしかに9月1日にドバイから飛び立っている。
9月1日午前1時54分にドバイを出発して、午前11時32分にスワンナプーム空港に到着。
本当に運行再開されたようだ。
この件に関して、アブダビのタイ大使館が声明を発表している。
英文を元に抄訳。
タイ民間航空局は、エミレーツ航空の2020年9月1日から10月24日まで、ドバイとバンコクの間の旅客フライトの再開を許可。
このフライトに乗れるのは非タイ人のみ。
タイ人が搭乗できるのは、アブダビのタイ大使館あるいはドバイにあるタイ領事館が手配した特別便のみとする。
タイに入国したい非タイ国籍者は以下の方法を取ること。
1 まず航空会社でフライトを直接予約。その後、ASQホテルを予約し、10万ドル以上の保障額のある健康保険に加入し、それぞれの文書を用意して、大使館ないし領事館に提出してCOE(Certificate of Entry)を取得。必要なビザも取得。
2 搭乗前に72時間以内に、Fit-to-Fly健康証明書とPCR検査陰性証明書を取得し、チェックインカウンターで提示すること。
日本からのバンコク行き特別便を手配する手順と基本的に同じ。
航空券を予約してから、COEを申請し、ASQホテルを確保し、健康保険に加入し、健康証明書と陰性証明書を取得する。
むろん、現時点では誰でも無条件にCOEが取得できるわけではない。
非タイ国籍者は、特定の条件を満たしていないと取得は不可能だ。
アブダビの大使館では、以下の外国人に大してCOEを供給するとしている。
外交官、タイ国籍者の家族、永住権者、ワークパーミット保持者、留学生とその保護者、医療を受ける必要のある者。
日本からのドバイ乗り継ぎでタイ入国は可能か?
ここで気になるのが、UAE国籍者以外でも、アブダビやドバイのタイ大使館ないし領事館でCOEを取得できるのかということ。
そして、COEを取得できたとして、日本からドバイを経由してそのままタイに入国できるのかという点だ。
というのも、現在、日本発バンコク行きの特別便のチケットを手に入れるのは困難な状況。
チケット発売と同時に売り切れてしまう。
関連記事:プラチナチケット 9月17日タイ行き特別便TG643便は本日午前10時受付開始→満席
これは便数が限られているせいだ。
9月は7便予定されているが、渡航希望者の数に多さを思えばあまりにも少ない。
が、エミレーツ航空のバンコク行きは毎日運航。
日本からの特別便に比べればはるかに席数も多くなる。
実際にエミレーツ航空のチケット販売状況を見てみると、空席多数の状況だ。
チケット自体はいつでも予約できる。
となれば、日本で特別便の順番待ちに1ヶ月も2ヶ月も費やすくらいなら、ドバイ経由でバンコクへ飛んでしまえば、フライト待ちの抜け道となる。大幅な時間短縮だ。
理屈の上では可能なはずだ。
ここからはあくまで机上の空論の話を進める。
まず、COEの取得。
おそらく日本人が経由便を利用する場合は、日本のタイ大使館でのCOE取得はできずに、タイへのフライトが出発する国で取得する必要があると思われる。
エミレーツ航空利用ならUAEのタイ大使館ないし領事館で申請となる。ましてや、これは大使館主導の特別便ではなく通常便。日本のタイ大使館での発行は厳しそう。
UAE国籍者以外でも申請できるのかも問題だが、これは断る理由はないと思われる。
というのも、もしも非日本人が日本発バンコク行き特別便に乗るためにCOE申請を日本のタイ大使館で行っても問題ないはずで、これと同じ理屈。国籍で拒絶はしないだろうと。
むろん、各国の大使館独自のルールがあるだろうから、絶対とはいえないが。
次に申請方法だ。
日本で特別便を手配するように、ネット上ですべて完結できるのか、それとも実際に現地の大使館領事館に足を運ばなくてはいけないのか。
上掲資料には具体的な申請方法が書かれておらず、詳細は不明。
なんとかCOEが取得できたとしよう。
次は乗継便だ。
東京からはエミレーツ航空のドバイ行きが運航されている。
UAE入国ないし乗り継ぎにはPCR検査陰性証明書が必要なようだが、どうせタイ入国には証明書がいるわけでこれは問題にならないはず。同じものが流用できそうだ。
詳細は必ずエミレーツ航空のホームページで確認すること。
よって日本からUAEへのフライトは可能。
そして、ドバイからバンコクへのフライトに乗り継ぐことになる。
COEをはじめ、各種書類が揃っていれば、当然搭乗できるはず。
以上のように、日本からの乗継便によってドバイ経由でタイに入国できるという結論に達する。
あくまで机上の論理に過ぎない。
実行するとなると、かなり大変で複雑だし、リスクもある。
実際にうまくいくともかぎらない。
どこかでつまづく可能性が高そうだ。
そもそも現在の情勢下で乗り継ぎ便を利用するのは、なかなかに厳しいものもがある。それも中東経由となればなおさら。
まさにチャレンジー求むというくらいのレベルだ。
もっと情報が出てくるまでは、怖くて実行には移せそうにない。
少なくとも他人に推奨できるたぐいのものでは決してない。
ある程度旅慣れていて、英語でのやり取りもスムーズにできるレベルにあって、臨機応変に行動ができる人であれば、なんとかなりそうな気もするが、でもやっぱりハードルは高い。
ただ、どうしても日本からタイに少しでも早く入国したいと考えている人で、なかなか特別便の航空券が取れない場合、一つの抜け道として注視しておいてもいいかもしれない。
もし本当に実行したい人がいるなら、まずはアブダビの大使館ないしドバイの領事館に問い合わせを。
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