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パタヤ近況

帰国せずにパタヤ沈没を続けるファランたち

投稿日:

7月1日にパタヤのナイトスポットは再開可能となった。
3月18日に閉鎖命令が出されてから実に3ヶ月分ぶりの再開なった。

パタヤのすべてのバーが再開したわけではないが、ソイブッカオ界隈のバービアにかぎっていえば、ほぼすべて再開済みとなっている。

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バービアで沈没ファランと再会

ソイブッカオのバービアといえば、沈没ファランたちの溜まり場である。
うだうだとビールを飲む沈没ファランたち。中にはアジア系の客もいるが、基本はファラン。

閉鎖されていた3ヶ月半もの間、彼らはどうしていたのだろうか。
国へ帰ってしまったのか、それともパタヤに居残っていのか。

7月1日以降、再開したバービアへ行くと、見知った顔のファランを幾人も見かけた。

よお、ひさしぶりと軽く世間話を始める。
握手はせずに、肘をぶつけ合う挨拶をするやつもいた。
ニューノーマル式挨拶だ。

まだパタヤにいたのか?
国へは帰らないのか?

お互いにそんな質問をし合うわけだが、答えはこれまたお互いに同じ。

「今帰国すると、次にタイにいつ戻って来られるかわからない。だからパタヤに居残る」

結局、これに尽きる。

帰国する手段がないわけではない。
フライトがなくなり、本当に帰国手段を絶たれた外国人もいるが、日本にせよヨーロッパにせよ、帰ろうと思えば帰れないことはない。
日本への直行便は飛んでいるし、ヨーロッパ各国への直行便は厳しいかもしれないが、経由便なら利用可能だろう。

帰国時の隔離検疫などの物理的障害はあるけれど、決して帰国難民とは言い切れない。

でも、一度帰国してしまうと、次にタイへ入国できるのがいつになるのかまったく目処が立たないのだ。

沈没ファランの多くは無職ないしリタイア組だ。
リタイアメントビザでの滞在がほとんどだし、50歳未満なら観光ビザなどでなんとかやりすごしている。
そんな人間のタイへの入国は後回しとなるだろう。
いつタイへ戻って来られるのかさっぱりわからない状況では、おいそれと帰国するわけにはいかないのだ。

また、ヨーロッパにせよアメリカにせよ、「母国よりもタイのほうが安全だから」というのも大きな理由の一つ。
タイではずっと国内感染者ゼロが続いている。
日本でもヨーロッパでも決してゼロにはなっていない。一部ではむしろ増えている。

そもそも外国人移住者は、すでに本国の家も引き払い、パタヤに家を持っている。生活の根拠地がタイだ。
帰国という概念すらない。

というような事情の元、そしてなによりパタヤが大好きという理由で、パタヤに居続ける沈没ファランたちなのである。
むろん、わたしも事情はまったく同じのパタヤ沈没者だ。

パタヤ沈没者の思いは、国籍人種に関係なく同じ。
3ヶ月半に渡るナイトライフ閉鎖令、夜間外出禁止令、アルコール販売禁止令、店内飲食禁止令などなど、苦しい期間を耐え抜いてきた連帯感。
まるで戦友同士といえよう。
苦しさに耐え抜いてきたあとに戦友同士で酌み交わすビールのうまさたるや。

なお、数は少ないながらもアジア系のパタヤ長期滞在者もいるわけで、話をきくと事情は同じ。
東南アジア出身の知り合いは、リタイアメントビザでの滞在。
今帰国してしまうと、タイへの入国は当分不可能。
よって、帰国という選択肢を取ることはできない。
韓国や中国や日本でも同じことだ。
経済的になんとかやっていけるのなら、現在のタイから出国するのは愚策ということになってしまう。
まあ、ファランにせよ日本人にせよ、はなから帰国する気のない人もたくさんいるだろうけど。

ビザ有効期限とファランたちの行方

タイではタイ国内に足止めされた外国人へのビザ救済措置をずっと実施していた。
ノービザや観光ビザで滞在している沈没組にとっては、渡りに船だった。
そのおかげでパタヤ沈没を続けられていたファランも多かったはず。

このたび、ビザの救済措置が9月26日まで延長となった。
ノービザや観光ビザでタイ滞在している人でも、9月26日までは自動的に滞在期間が延長される。

問題はそのあとだ。
どうやらビザの救済措置は今回が最後のような雰囲気。
帰国不可とのお墨付きレターを各国大使館でもらえれば、さらに30日の滞在延長が可能となるようだが、基本的にはノービザや観光ビザで入国した人は、9月26日までにタイを出国する必要がある。

また、リタイアメントビザなど一年有効ビザがちょうどこの間に切れてしまう人も多いだろう。
9月26日までに更新延長手続きをしないと、有効ビザがなくなってしまい、これまたタイ国外へ出ないといけなくなる。

期限まであと2ヶ月。
パタヤに多く生息する沈没ファランたちの動向が気になる。
せっかくここまで頑張ってきたのに、タイを追い出されるのは少々かわいそうな気もするが、まあ、彼らのパタヤへの執念は半端ではない。
絶望のあまり首をくくってしまわないかぎり、いずれまた戻ってくるだろう。
今夜もそして来年もパタヤのバービアではファランたちが沈没しているのだ。

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