バンコク・スワンナプーム空港では、チェックイン時に生体認証システムが開始された。
パスポート情報や顔情報を登録すると、搭乗口まで顔パスで通過できるようになるものだ。
2024年11月1日からは国内線で運用が開始済みで、12月1日からは国際線でも運用される予定だ。
スワンナプーム空港側から詳しい使用方法が告知されている。
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スワンナプーム空港自動生体認証システムの使い方
AOT(タイ空港公社)による発表。
国内線での利用方法だ。全部で3ステップとなる。
STEP1.顔登録
・チェックインカウンターあるいはCUSS(セルフチェックイン機)にて、IDカードもしくはパスポートを登録する
STEP2.生体認証ポイントを通過
・カメラを見るだけで、IDカードやパスポートや搭乗券を提示する必要なし
STEP3.自動化搭乗ゲートを通過
・カメラを見るだけで、IDカードやパスポートや搭乗券を提示する必要なし
以上。
なんとも簡単だ。
スワンナプーム空港現地の様子を見てきたので少し解説を加えておく。
各航空会社のチェックインカウンターには、このような生体認証登録用カメラが設置してある。
チェックイン時にパスポート情報と渡航情報と顔認証情報が登録される。
あとは、制限エリア内に入る際や保安検査場に入る際のチェックポイントでは、パスポートと搭乗券の提示なしに顔認証で通過できる。
搭乗ゲートでも顔認証で通過可能だ。
つまり、チェックイン時に生体認証登録しておけば、以降はパスポートも搭乗券も提示不要というわけだ。
CUSSというのは、セルフチェックインのKIOSKのこと。
セルフチェックイン対応の航空会社では、KIOSKでセルフチェックインができる。ここにもカメラが設置してあり、顔登録が可能だ。
セルフチェックインに対応していない航空会社では、KIOSKでの生体認証登録は利用できない。
生体認証登録を利用してチェックインした後は、搭乗券もパスポート(IDカード)も提示不要となる。
スワンナプーム空港国内線の場合は、まず国内線制限エリアに入る際にパスポートと搭乗券のチェックがある。ここで顔パス通過。
スワンナプーム空港国内線では、搭乗口の手前に手荷物検査場がある。ここでも顔パス通過。
最後に搭乗ゲート。
すべての航空会社が対応しているかは不明だが、カメラ設置の自動ゲートがあるので、搭乗券をかざすことなく通過できる。
国内線搭乗はかなり楽になると思う。
そもそも国内線は、国際線と違って出国審査がないため、すごく簡単なのだが。
それでも各チェックポイントでパスポートと搭乗券を提示する場面があって、微妙に面倒くさい。顔認証システムにより、パスポートと搭乗券提示の場面はなくなる。
国際線は12月から開始予定
国際線でも生体認証システムは導入される。2024年12月1日開始予定だ。
すでにスワンナプーム空港では準備が進んでいる。
前述のように、チェックインカウンターにはすでにカメラが設置してある。
国際線搭乗時にはまだ実際には稼働はしていないが、すぐにも使えそうだ。
セルフチェックインのKIOSKにもカメラは設置してある。顔登録が可能だ。
セルフチェックイン時に情報を登録すれば、有人チェックインカウンターでの手続きは不要となる。
そのまま搭乗口へ向かえばいい。
預け荷物がある場合は、セルフバッグドロップ対応の航空会社であれば、自動預け機を使って、荷物を預けることができる。この際、セルフチェックインして顔登録もしておけば、有人カウンターに立ち寄る必要はない。そのまま搭乗口へ向かえばいい。
なお、現在セルフチェックインとセルフバッグドロップ対応の航空会社は以下のとおり。(スワンナプーム空港2024年11月時点)
日系では、ANAとJALとZIPAIRがセルフチェックインに対応している。ただしセルフバッグドロップには未対応。
預け荷物がない場合は、セルフチェックインして、そのまま搭乗口へ向かうことができる。KIOSKで顔登録もすれば、生体認証自動ゲートの通過もできる。
預け荷物があるならば、セルフチェックイン自体はできるが、預け荷物は有人のカウンターで行う必要がある。結局は有人カウンターで、チェックイン手続きと顔登録をするのが手っ取り早いかもしれない。
タイ航空は、セルフチェックインとセルフバッグドロップの両方に対応している。
国際線利用時にカメラで顔情報の登録をしたあとの流れについては、まだ細かい部分までの発表がない。
国内線と違い、国際線では出国審査がある。
まず、保安検査場への入口での搭乗券チェックは、生体認証システムのカメラで顔パス通過できるだろう。
出国審査場では、すでに自動化ゲートが導入されている。
現行の自動化ゲートには、改札機のような読み取り機器とカメラが設置されている。
最初に手前側の読み取り部分でパスポートをスキャンする。
次いで、1,2歩進んだところで立ち止まり、カメラに向かって顔認証を実施する。
するとゲートがオープンして通過できる。
これが現在の自動化ゲートの通過方法だ。
12月1日以降は、パスポートのスキャンがなくなり、カメラでの生体認証だけで通過できるようになると思われる。システム的にはそのようになるはずだ。
ただ、そうなると、顔登録していない人と顔登録済みの人で自動化ゲート通過の行程が異なるわけで、なんだかややこしい。
実際にどのようになるのかは、詳細発表待ちだ。
最後に搭乗ゲート。
すでに搭乗ゲートにも顔認証システムは用意されている。
現行では、手作業で搭乗券とパスポートを確認するか、もしくはゲートの手前側で搭乗券をスキャンすると、ゲートが開くシステムだ。
国内線では顔認証だけで通過できるとのことだが、国際線でも運用されるかは不明。おそらくは、航空会社や目的地によると思われる。
たとえばビザ要件などが厳しい中国行きでは、きちんとしたドキュメントチェックをしないといけないはずだ。エアアジアの日本行きでもドキュメントチェックは行われる。
すべての航空会社とすべての目的地で、顔パス利用ができるようになるわけではないかと思う。
このあたりの詳細も不明だ。
まとめ
スワンナプーム空港国内線では生体認証システムは無事に開始となった。
ドンムアン空港、プーケット空港、ハジャイ空港、チェンマイ空港、チェンライ空港でも同様に導入されたという話だ。
国際線での運用開始は12月1日の予定。スワンナプーム空港だけでなく、ドンムアン空港でも同様。
国際線では、実際にどこまで顔パスが使えるようになるかはまだ不透明な部分あり。
出国自動化ゲートもアップデートされて、搭乗ゲートも新しいものが導入されている。
うまく運用できれば、搭乗まで顔パスで通過できるようになりそうだ。
12月1日以降にスワンナプーム空港やドンムアン空港で国際線出国する人は要注目。
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