(52日目つづき)
気持ちのよいブンブンを終えて、カラオケ嬢を見送ってから、部屋に戻る。
夜。
サードロードのにあるシーフードトムヤムが極上のクィティアオ屋へ。
店名は「マハーサムット」。
以前は徒歩で訪れたが、今回はバイク。楽でいい。
でも、とにかくおいしいんで、バイク派も徒歩派も必ず訪れてほしい。
夜のバイクツーリング
それから、バイクで夜のパトロール開始。
サードロードでも、車やバイクがびゅんびゅん飛ばしているし、照明もやや暗めで、路面状態がところどころ悪い。
慣れないうちは、ちょっと怖いかも。いや、けっこう危ない。
スクンビットは、もっと怖いけど。
目的地は、ソイボンコットにある007とクラブ4だ。
これは、詳しく記事にしたので割愛。
関連記事:クラブ4と007訪問レポート。場所、行き方、遊び方など。
ちょっとぶれているが、夜のクラブ4入り口はかなり怪しい光を放っていた。
今日は一発やったところなんで、クラブ4も007も中に入ってドリンクを飲むだけにした。
再訪を誓う。
その後は、ブッカオやセカンドロードのバービアをバイクでまわってみる。
移動はとにかく楽だが、じっくりバービア嬢探しとなると、無理があるな。
道沿いで呼び込みをしたり座っているバービア嬢の顔はわかるし、ちょっと停車してお話もできるが、やはり見落としが多数出てしまう。
バービア群ではバイクを駐めて、じっくり徒歩で探すべし。あと、ブッカオにようにバービアが点在しているところも歩いて探すしかない。
結局、最後は馴染みのバービアへ移動。
いつものようにだらだら過ごす。
つまみは、カオニャオでした。
もちろん、飲酒運転はダメですよ。飲んだら乗るなでお願いします。
無事に部屋へ戻る。
カラオケ嬢が泥酔して帰宅
深夜になってもなかなかカラオケ嬢が戻ってこない。
ベッドでうつらうつらしながら、彼女の帰りを待つ。
すると、深夜3時頃だったか、電話がかかってくる。
完全に酔っ払いの声だ。
ホテルの下まで来たから迎えに来いと叫んでいる。
慌てて下りてみると、彼女は玄関でうずくまっていた。
もはや一人では歩けないほどの泥酔状態。
バイタクで戻ってきたのだろうが、それにしても、バイクを貸さなくてよかった。
この状態で運転したら、間違いなく事故を起こすところだったし、どこかへバイクを置き忘れる可能性もあった。
あぶないあぶない。
肩を貸して、なんとか彼女を部屋まで運びこむ。
どこで飲んだのか聞いてみるも、あまり要領をえない。
ママさんと客に連れられて、ホストがいるパブでウィスキーを飲んだとか何とか。
それにしても飲み過ぎだ。
トイレに入ったかと思うと、便器にへたり込むようにして、ゲーゲーやってる。
背中をさすってあげる。
少し前にわたしが下痢と嘔吐で苦しんだ時の再現のようだ。
優しくされたら優しくしてあげないとね。
ちょっとすっきりしたのか、今度は腹が減ったとわめきだした。
おいおい、もう大人しく寝ろよ。
が、酔っぱらいにそんな正論は通じない。
コンビニで弁当とママーを買ってこいと、しつこい。
はいはい、買ってきます。
深夜のセブンイレブンでコンビニ弁当とママーを購入。
でも、どうせ食べないだろうから、カップ麺には湯を注がない。
部屋に戻ると、彼女は床にへたりこんでいた。
寝てればいいものを。
コンビニ弁当を見せると、うれしそうに笑みを浮かべる彼女。
そんなに食べたいかね。
でも、当の本人にはスプーンを持つ力すら残っていない。
わたしが、少しづつスプーンですくって口に運んであげた。
ゆっくりとおいしそうに食べる彼女。
飲み込むごとに「コップンカー」と酔っぱらい声で感謝している。
うう、憎めないぞ。
泣きじゃくるその理由は?
半分ほど食べたところで彼女はギブアップ。
ろくに動けないんで、ベッドまで運んで寝かしつける。
けれども、なかなか寝入ってくれない。
そのうち、嗚咽を漏らしはじめる。
ひくひくと喉をふるわせ、しゃくり上げている。
ついには、声を上げて泣きはじめてしまった。
添い寝をしているわたしの手を強い力でぎゅっと握ってくる。
これまで感じたことのないほどの強い力だった。
わたしにできることは何もない。
ただ、片方の手で彼女の手を握り返し、もう片方の手で彼女の髪をいたわるように撫でるだけだ。
何だかなあ
泣きだした理由はわからない。
単に泥酔したら泣き上戸になるだけかもしれない。
心に闇を抱えているタイの夜の女性たち。
貧乏な生い立ちと現在の境遇、将来への絶望的な不安。奔放にふるまっていても、得も言われぬストレスを抱えているに違いない。
それはわかるが、こっちは楽しい時間を過ごしたいだけだ。
でも、頼りにされるのは悪い気がしないのも確か。
あまり深入りしないのが、タイの夜の女性たちと付き合う最上の方法である。
本気になればなるほど、金銭的かつ精神的な負担が増えていく。真剣であればあるほど、後に襲いかかるであろうダメージが大きくなる。
広く浅く付き合うのがベスト。それがタイの夜遊びの王道かつ、お互いが傷つかずにすむ唯一の方法だ。
そんなことはわかりきっているんだけどねえ。
しばらく添い寝をしてあげると、彼女は静かに寝息を立て始めた。
ふう、これで眠ることができる。
が、いろいろ思うところもあり、なかなか眠りにつくことができなかった。
彼女の抱えるストレスや闇の部分の一因は、わたしにもあるかもしれない。
金銭的な問題、性格の問題、コミュニケーションの問題…
答えなんか出ない。
長い夜だった。
翌朝、というか翌昼だが、彼女に聞いてみると、昨晩のことは記憶に残っているという。
コンビニ弁当を食べさせてもらったこともちゃんと覚えていた。
少し恥ずかしそうにテヘッと笑いながらも、何度も「コップンカー」と繰り返していた。
テヘペロならぬ、テヘコップン。
やっぱりかわいいな、こいつ。
そして、ただの酔っ払いだ。
心配して損したよ。