パタヤ千夜一夜

タイ・パタヤでの沈没日記とアジア夜遊び旅行記。パタヤグルメ情報、ホテル情報多数。

エッセイ

日本人彼氏がいるバービア嬢へのインタビュー。彼女の秘密を知るべきか知らざるべきか。

投稿日:2016年1月28日 更新日:

ふらりと入ったパタヤのバービアでの話である。
酒とビリヤードと70年代ロックに酔いしれるファランたちが騒いでいる典型的なパタヤのバービアだ。

バービア嬢の数はそこそこ多くて10人ほど。
多くは20代後半から40近くの年齢層。
その中に、一人だけ目を引くバービア嬢がいた。

見た目は20歳前後。体型はやや丸っこいが決して太ってはいない。ぺちゃ鼻なのはイサーン人特有なので致し方なし。でも日本人ウケしそうな顔立ちで、場末のバービアとしては、充分合格点だ。

しばらく目線のやり取りをしてから、近くに呼び寄せた。
ここから、インタビューがはじまる。

まずは、デフォルトの自己紹介から。

名前は、プー(仮名)。21歳。子どもなし。彼氏なし。
イサーン出身。
パタヤのバービアで働きだして、まだ6日。
前職は、シーラチャーの日本食レストランで働いていた。日本語は挨拶程度ならできる。
「カワイイ」も理解している。

わたしがじっと見つめながら「カワイイカワイイ」と連呼していると、「アーイ」と恥ずかしがって顔を背けてしまう。
純朴な子だ。

バービアでの新人発掘好きなら、このシチュエーションに小躍りするであろう。
まさにこういうタイプのウブな新人を狙っているからだ。

パタヤ新人バービア嬢の秘密とは?

しばらくは、体型の話や、家族の話、シーラチャーやパタヤの話などが進む。

が、どうにも何か隠しているような気がしてならなかった。
シーラチャーの日本料理店に勤めているのなら、もっと日本人慣れしているはずである。それなのに、このウブっぷりはどこかおかしい。演技なのか。

「本当は日本人の恋人がいるんじゃないの?」

わたしがそう詰問すると、プーは苦笑いを浮かべながら「ミー(いるよ)」と白状した。

まだ若いという日本人彼氏とはシーラチャーで出会い、もう1年以上付き合っているそうだ。
しかも一緒に日本へも遊びに行ったことがあるという。
プーがはめている金の指輪も、その日本人彼氏からの贈り物。その他にも金のネックレスを買ってもらったそうだ。総額3万バーツほど。

なるほど。この若さとルックスである。シーラチャーで働いていてる日本人駐在員たちが放っておくはずがない。
それはわかった。
あとは、それをネタにからかって遊ぶ。こうなったら、ペイバーする気など起きない。

日本人彼氏はすでに日本へ帰国済み。
でも毎月2万バーツの送金を受けている。
ゆくゆくは結婚するつもりで、結納金は30万バーツを予定しているそうだ。

話が進む。

まだまだ潜むバービア嬢の秘密

すでにレディドリンクは奢ってある。プーはウィスキーコーラを飲んでいた。
さらに、バービア嬢たちが共同購入したタイウィスキーをショットグラスで次々にあおっている。

しだいに酔いまわってきたのか、彼女の口が軽くなってきた。
照れ隠しのような表情の片隅に、なにやら不敵な匂いが漂っている。

まだ、何か隠しているな。
わたしの長年の経験がそう告げた。
年間何百軒ものバービアめぐりを繰り返しているのは伊達ではない。

じっと彼女の目をみつめる。
すると、プーは観念したのか、さらなる告白のためぽっちゃりとした唇を開いたのだった。

実は、こどもがいるの
もう1歳よ
父親は日本人彼氏じゃなくて、ファランなの
日本人彼氏はもちろんこのことを知らないわ

衝撃の告白とまでは言えない。
よくある話だ。
少々珍しいのは、相手がファランだということ。

タイ人の男との間の子どもがいることを隠している夜の女性は少なくない。
最近では、出産後の妊娠線があまり目立たない女性が増えてきていて、外見上はなかなか気づかない。
実は子どもがいるのと後で聞かされて、驚くことがある。
割合は少なくなるが、タイ人相手ではなくて、外国人との間にできた子どもを産んだケースもある。
今回はまさにそのケースだ。

子どもの年齢と日本人彼氏との交際歴を鑑みると、ファランとは完全に同時進行だったのだろう。
そして、現在も同時進行中である。

ファラン彼氏からは、一月に10万バーツの送金を受けているという。
日本人彼氏は2万バーツである。

しかもファラン彼氏と一緒に過ごすときは、別途1日あたり5000バーツのお手当をもらうらしい。
ちなみに日本人彼氏と過ごすときは1日3000バーツ。

日本人はキーニャオだ

プーは、日本人のわたしに面と向かって文句を言っている。
キーニャオとは、タイ語でケチを意味する言葉。

ファラン彼氏とも、結婚予定。
結納金は50万バーツ。

日本人はキーニャオだ

半ば冗談めいた口調ではあるが、プーはそう繰り返す。

わたしは開いた口が塞がらなかった。
いや、呆れているのではない。
彼女のあまりの潔さに、呆れを通り越して、いっそ感服していたのである。
感服するどころか、むしろ楽しくなってきた。

日本人とファランの二人の彼氏をどう転がしていくつもりだろうか。
結納金や生活費や車代などを引っ張れるだけ引っ張っておいてから、二人とも縁を切ってしまうのか。
手切れ金や子どもの養育費をさらに上乗せしようとするのか。
やれるだけのことはすべてやるだろう。

これぞ、パタヤだ。
これぞ、タイの夜の女性だ。
すごいぜ。

わたしは、不思議と楽しくてしょうがなかった。
笑い声がこみ上げてきた。

話は佳境を過ぎた。
プーは、わたしにも誘いをかけてくる。

あなたはいくらくれるの?
ロングで3000バーツ、いいでしょ?
ファランは5000バーツだけど、あなたは日本人だから3000バーツでいいよ

もちろん、わたしの答えはノーだ。
すると、あっさりと2000バーツに下がった。ショートなら1000バーツでいいよとも言う。

金額の問題ではない。
わたしが笑顔でお断りすると、プーは特に追いすがることなく、あきらめた様子。

じゃあ、もう席を離れていい?
これから、友だちと遊びに行くから

きちんと許可を求めてくるあたり、実はすごく性格がいい子なのかもしれない。
普通はそそくさとどこかへ行ってしまうものだ。

「パイ ハー プーチャイ ロー?」
男を探しに行くのか?

からかい口調でわたしは質問した。
バーを早上がりしたり、仕事終わりで遊びに行くバービア嬢へは、こう質問するのがお約束だ。

が、彼女の答えはわたしの斜め上をかっ飛ばしていた。

男を探しに行くんじゃないの
実は、女性が好きなの
本当はレズビアンなの
半年前にカノジョにふられてリストカットしちゃった

そう言うと、わたしに手首の傷痕を見せてきた。
そこには確かにミミズ腫れが残っている。

これから新しいカノジョを探しに行くのよ

日本人とファランの男どもを転がしておきながら、本当に好きなのは女性。
いや、それだからこそ簡単に男を弄べるのか。

わたしのパタヤでの経験など、たかが知れている。それを思い知らされた。
彼女はわたしの半分ほどの年数しか生きていないが、わたしよりもはるかに多くの経験を積み、夜の修羅場をくぐり抜け、男どもを手玉に取っているのだ。

じゃあ行くね

そう言い残して、彼女は呼びつけたバイタクの後部座席にまたがった。
プーの背中が遠ざかっていく。
最初は純朴そうに見えた彼女だが、今ではその背中が巨大な壁のように見えるのだった。

 

…バービアのBGMがローリング・ストーンズに変わっていた。
往年の名曲、ホンキー・トンク・ウィメンだ。
ユーチューブにつなげたスクリーンから流れてくるのは、ミック・ジャガーの声。
老ファランが一緒になって歌っている。
サビが近づいてきた。
わたしもそのファランに近づく。

それがホンキートンクウーマン(あばずれ女)てやつさ

♪ギミーギミーギミー ホンキートンクブルース

ファランと互いに指をさしながら、サビを歌う。

何百回となく耳にしたストーンズの名曲だが、この時ほど、心に刺さったことはない。

 

さあ読者よ、
21歳にして老練極まりないタイの夜の女性に勝てると、本気でお思いか?

女の扱いには慣れている
おれは人生経験が豊富で20歳そこそこの小娘を扱うなんて楽勝さ
おれは騙されたりなんかするものか

そんな幻想は捨ててしまうことだ。

下手に根掘り葉掘り聞かないほうがいい。
たまたまバーで出会い、互いの素性を知らぬまま一夜を共にする。これでいい。
21歳のそこそこ可愛いバービア嬢とロング2000なら、決して高くはない。
楽しい一夜が過ごせればそれでいいではないか。

逆に考えよう。

もし、彼女の秘密を聞き出そうとせず、すぐにペイバーしていたとする。
さらに夜のサービスが抜群で、早帰りもせずべったりしてくれたかもしれない。
それはきっと最高の一夜となっただろう。

彼女の秘密を知ったがために、わたしは、パタヤ6日目のウブでかわいい新人バービア嬢と最高の一夜を過ごすチャンスをみすみす逃したことになるのだ。

たとえそれが幻想であっても、事情を知らなければ真実足りうるし、記憶の中ではいい思い出が残るのは間違いない。

読者よ、
あなたがタイへ来るのは、タイの夜の女性の体を抱くためではない。
幻想を抱きに来るのだ。

それがわかっていればパタヤは最高だ。

 

タイの夜の女性たちへのインタビュー集。英語のみ。不幸話とカネ、カネ、カネのオンパレード。
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