香港トランジット旅の第3回目。
タイから日本への帰国に際して香港空港乗り継ぎ便を選んだ目的の一つがピンポンマンションの現状を見に行くことだった。
香港名物の141とかピンポンマンションとか呼ばれる特殊なビルだ。
香港自体も決して嫌いな街ではないが、いかんせん物価が高いし、一人で飲むような店も少ない。ホテル代と飲み代がかかる。
でも香港にはピンポンマンションがある。
以前から気になっていた発利大厦へ行ってみる。いやはや、これがすごかった。
香港のピンポンマンション
香港のピンポンマンションを最後に訪問したのが2017年のこと。その時は有名な香檳大廈B座だった。
ビルの各階に小さな部屋がずらっと並んでいて、それぞれにピンポンを鳴らすチャイムがついている。
WELCOMEと書かれた札がかかっている部屋はチャイムを鳴らしてもいい。すると、煽情的な衣装をまとった若い女性がドアを開けてくれる。
価格を言われて、オッケーならそのまま部屋の中に入る。
ショートでことをいたしておしまい。
という、実にわかりやすいシステムの遊びだ。
それが通称ピンポンマンション。
香港ではこの遊びが一般的らしい。
でも、香檳大廈B座は、2018年に閉鎖となってしまった。
となれば、香檳大廈B座についで有名なのが発利大廈となる。
発利大厦
重慶大厦や地下鉄尖沙咀駅から歩いてすぐのところにある。
周囲には飲食店などが多く、普通の香港人や観光客も多く歩いている。
ビルの1階には、日本食やセブンイレブンなどあり。
狭い入口には、發利大厦と掲げられている。
発利の発は、日本の旧字体では、發。香港で使用されている繁体字でも、發。
日本の旧字体が読める人ならば香港では過ごしやすい。
狭い入口だけど、続々と香港野郎たちがやってくる。
少し進むとエレベーターがあるが、古くてぼろくて狭い。その狭いエレベーターに鼻息の洗い香港野郎数人と一緒に乗ることになる。こちらも鼻息は荒く、なんなら息苦しい。
香港野郎の一人が8階のボタンを押した。
どうやら8階からピンポンマンションフロアがあるようだ。8階から一つずつ階を降りていくのがピンポンマンションスタイル。
はじめて訪れるところだが、さも何度も来て慣れています感を出しつつ、平然とエレベーターの上昇を待つ。
8階でみんな一斉に降りた。
あとはめくるめくピンポンピンクワールドだ。
人とすれ違えるほどの幅の廊下があって、さらに廊下から枝道のように狭い通路が分岐している。
その狭い通路の両側に部屋がびっしりと並ぶ。
通路が曲がりくねっていて、人とすれ違うのも厳しいほど狭い。
部屋の数が半端ない。
そして、客の数も多い。
以前何度か訪れた香檳大廈B座よりも部屋の数と客の両方とも多い。
客は大半が香港野郎どもだが、日本語もわりと頻繁に耳にする。日本人もたくさん来ているようだ。ファランは一人だけ見かけた。
部屋は多いが、使用中もしくは不在の部屋が半分以上だろうか。
部屋内部から喘ぎ声が漏れてくるところもあった。
なんちゅうところや、ここは。
とりあえず、WELCOMEと札のかかった部屋を片っ端からピンポンしていく。
ドアが開いて、「ニーハオ」。
おお、レベル高いねえ。
中国本土からの出稼ぎだろうけど、びっくりするほど色白スレンダーの美形タイプが揃う。
そんな美人がネグリジェのような艶めかしい姿で出迎えてくれるのだ。
それも次から次へと。
顔を合わせると、「ハウマッチ」と英語で聞く。
中国人の多くは英語不可のようで、手の指を折って、ジェスチャーで価格を教えてくれる。中には普通に英語で返事してくれる人もいる。
600香港ドルという返事が多かった。つまり12,000円だ。
ちょこちょこと700香港ドルのケースもあった。14,000円。
600と700の女性の違いはそこまで大きいようには見えない。
とにかくひたすらピンポンを押しまくる。
それは他の野郎どもも同じだ。
狭い通路にどんどん客がやってくる。
部屋の前でピンポンを押すために立っていると、他の客とすれ違うことも厳しい。
すると別の野郎どもが後ろからのぞきこんでくる。
逆に立場になると、香港野郎が押したピンポンで顔見せご相伴に預かることになる。
1フロアを制覇したら、階段で一つ下の階へ降りる。
そこでまたピンポンピンポン。
同じことの繰り返しだけど、手が止まらない。足も止まらない。
5階より下あたりになると、500香港ドルという返事が多くなった。ちょうど1万円だ。
中国人らしき女性でも、明らかにレベルが下る。
それと、東南アジアからの出稼ぎが多い。
ベトナム、タイなどだ。
こういった出稼ぎは英語が通じやすい。
「Where are you from?」と聞くと、出身国を教えてくれる。
タイラインドと返事が来ると、思わず、「サワディーカップ」と反射的に挨拶してしまう。そのままタイ語で会話でもしようかと思ったが、いや、さすがにそんなことに時間を割くのは、相手に悪い。まあ本当に部屋に入るのなら構わないだろうけど。
タイ人のレベルは正直いまいちだ。
20代半ばから30代前半くらいかなあ。パタヤのバービア群をめぐっていると、普通に出会えるレベル。わざわざ香港でタイ人を相手にする必要はないかと。
上階にいる中国人女性たちのレベルは、間違いなく、パタヤ・ウォーキングストリートのゴーゴーバーの平均レベルを凌駕している。
香港へ来る直前にウォーキングストリートのバカラとパレスを訪れていたが、バカラとパレスなんて目じゃない。
発利の圧勝だ。
個人の趣味嗜好の問題ではあるけれど、色白スレンダー美形が好きであれば、発利に行くべし。
あと、出稼ぎでいうと、扉に日式という文字も見かけた。
どうやら日本人も働いているもよう。数部屋あったような気がする。いずれもWELCOMEとなっておらず、確認はできなかった。
日本人だと、たぶん700香港ドルだろう。14,000円。
結局、8階から2階まで見て回った。
いやあ、すごかった。
圧倒的な空間だった。
かつての香檳大廈B座よりも質と量の両方で上回っている。
発利大廈、おそるべし。
廊下や通路での写真撮影は完全禁止で、いたるところに監視カメラが設置してある。
よって、写真や動画は撮っていない。
その目でしかと確かめよ。
ちなみに、以前の香檳大廈B座の価格は、600香港ドルないし500香港ドルだった。
現在の発利は、一部700香港ドルの部屋もあったけれど、おおむね600ないし500でおさまる。
この数年の物価高を思えば、極端な値上げはしていない。
でも、円安がひどいため、日本人にとっては実質大幅値上げになってしまうが。それは香港には関係ない話。
地図
地下鉄の尖沙咀駅から歩いて3分くらい。重慶大厦からも余裕で歩いて行ける。
ネイザンロードから、Humphreys Avenue(堪冨利士道)を入っていく。
まっすぐ進むと、変型の十字路がある。十字路の左側にあるのが発利大厦だ。
入口は十字路を曲がったところのセブンイレブンを越えたあたり。
まず、迷う心配はない。すごく便利な場所だ。
そして、中に入るのに戸惑う必要もない。行けばわかる。
最初は少しだけ抵抗があるかもしれないが、入ってしまえばどうということはない。
まとめ
香港行くなら、発利大厦へ。
初見で行くと、本当にびっくりするはずだ。
圧倒的かつ独特な空間である。
600ないし700香港ドルを握りしめてピンポンを鳴らせ。
香港には他にもピンポンマンションがいくらでもあるようだ。
あまり知られていないようなローカルなところは、価格も安くなるはず。
でもまあ日本からの短期旅行者ならば、発利で充分なような気もする。ピンポン道を極めたい人は各マンションを巡ればいいかと。