沈没日記6
ソンクラーン2日目である。
昼間のブッカオとLKメトロのピヤック状態
昼間、ブッカオのメガネ屋に行く用事があったため、少しだけ外出。
サードロードでは、水かけを見かけない。これは移動がしやすい。
サードロードからブッカオへの通じるソイ内もほとんど見かけない。子供が小さな水鉄砲で遊んでいるくらい。これくらいならかわいいものだ。
ブッカオでは、バービア前で散発的に水かけをやっている程度。うまく回避すれば濡れずに済みそうだ。
ブッカオ沿いのメガネ屋の前にバイクを止める。ここまでまったく水に濡れていない。
と、思いきや、通りかかったピックアップトラックの荷台から、思いっきり水をぶっかけられた。
ああ、油断していた。
濡れたままエアコンの効いた店内に入ると寒い寒い。
用事を済ませてから、ソイLKメトロを偵察してみた。
ソイダイアナ側から入ると、水気はゼロ。かろうじてタイヤの轍の水跡が残るだけ。
閑散としたいつもの昼間のLKメトロだ。
が、ビラボンバーでL字コーナーを曲がろうとすると、その先は水びたしだった。
ああ、真っ昼間から派手にやっているよ。
こりゃあバイクで通り抜けようとすると、全身ずぶ濡れになるパターンだ。
すごすごと引き返す。
水かけは夕方からで十分だ。
なお、水に濡れることをタイ語で「ピヤック เปียก」という。正確な発音は知らない。ピアックとも表記できるかな。
水鉄砲を持ったタイ人に「アオ ピヤック マイ?」と聞かれることがある。
直訳すれば「水に濡れたい?」という意味で、水をかけてもいいかと聞いているわけだ。
まあ、こんな親切な聞き方をしてくれるのは稀で、ほとんどは問答無用で水をかけてくるけど。
バービアで水かけ
夕方5時頃、準備を整えてから外出。
スマフォや現金は防水ケースへ、タオルと着替えはバイクのヘルメット入れに収納しておく。
ブッカオの水かけが増えている。
バービアが開店して、どこもかしこも水かけだ。
ソイダイアナに入ってみると、バービア群前で盛大にやっている。
車が渋滞してなかなか前へ進まない。
やはり、動きの止まったソンテウの荷台は格好の標的にされている。
到着したばかりと思しき小綺麗な服を着た中国人グループなんて、かわいそうなほどずぶ濡れだ。
予備知識がなかったんだろうなあ。
まあ、そういう祭りなんでしょうがない。
知り合いのバービアで軽く遊ぶことに。
やはりパタヤは水不足。バービアの水道の蛇口をひねっても水はまったく出ない。断水状態が続いている。
すぐにバケツに貯めた水がなくなってしまい、給水車の到着を待つ。
補給代として60バーツを援助した。
はっきり聞いていないが、たぶん以前よりも給水の値段が上がっている。
1回100バーツだったところ、今は水不足の影響か120バーツや150バーツと言われる。氷は小さな袋入りで25バーツくらい、大きな塊なら1個80バーツくらい。
通りがかりにバービア前のバケツから水鉄砲に給水していくだけの人がいるが、本当はダメ。どさくさに紛れているんで、ほとんどわからないけど。
またドリンクを注文せずに水かけしようとする人もいて、これもダメだ。
水は有料。タダじゃない。
誰かがカネを出して、補充しているんだよ。
アラブ系やインド系がタダで水を使おうとして、バービアの従業員が追っ払っていた。
中国系は、きちんと説明すればわかってくれて、ドリンクをオーダーしたうえ、笑顔で水遊び。
おすすめの遊び方としては、基地となるバービアを決めておくこと。
余計な荷物があれば置かしてもらう。
もちろんドリンクはきちんと注文しておこう。これで水を使う権利は得た。
あとは好きなように遊べばいい。
水鉄砲を持って遠征してもいい。水がなくなったら、また基地のバービアに戻るか、遠征先のバービアでもドリンクをオーダーするべし。給水タンクが来たら、せめて20バーツくらいは援助してあげるべきだ。
バービアで遊んでいると、珍しくインドネシアからの観光客が隣に座った。
一人旅らしい。
インドネシアに水かけ遊びはないそうだ。
タイ周辺では、ラオスとミャンマーでは水かけがある。
広く東南アジア一帯で行われているわけではないのか。仏教由来なのかもしれないなあ。
おっと、小さなタイ人の女の子も登場。
熟女バービア嬢の実の娘とのこと。
まだ小学校低学年かなあ。かわいらしい。
この時期は学校が休みなんで、パタヤに遊びに来ているのだろうね。
10年後に期待したいところだが、お母さんの容姿を鑑みると、つい二の足を踏んでしまう。
ほどほどに水遊びしたところで、チェックビン。
ビール2本で140バーツ。
あと、水代援助の60バーツ。
計200バーツで楽しく遊んだ。
女子大生バービア嬢
ついで、昨日の女子大生バービア嬢が働くバービアへ移動。
移動途中もさんざん水をかけられるが、すでにずぶ濡れなんで、気にならない。
冷水は勘弁してほしいけど。
バービア到着。
ここは客が少ない。
バービア嬢が遊んでいるだけ。
女子大生は、バービアの奥で待機していて、水かけには参加していない。
服もまったく濡れていない。
「マイ ピヤック タンマイ ヤ」
濡れてないじゃないか、なんでやねん、と難詰。
化粧しているから濡れたくないと言っているが、お構いなしに水かけ現場へ強制連行じゃ。
スリムな体を抱きかかけて、バケツの前へ。
後ろから羽交い絞めにして、他のバービア嬢へ水をかけるように指令を出す。
女子大生は、「やめてやめて、きゃ~」と騒いでいるが、知ったことではない。
不敵な笑みを浮かべた熟練バービア嬢たちが桶を手に近づく。
頭から冷水をぶっかけ、服の中へ冷水を注ぎ込む。
女子大生の黄色い悲鳴が上がる。
あっという間にタンクトップとホットパンツはずぶ濡れに。
ピヤックマーク。
ぴちぴち肌に張りついたぴちぴちタンクトップと長い黒髪が、妙になまめかしい。
ぐへへ。
これぞソンクラーンだ。
楽しいなあ。
日が暮れてからも水かけは続く。
初日よりも長くなってきようだ。
しばらく、女子大生と水遊び、おしゃべり、ビリヤードと楽しく時間を過ごす。
お会計は、自分のビール代とレディドリンク代で200バーツほど。
安い遊びだなあ。
キャッシャーがペイバーしろと煽ってくるが、女子大生は「パイ メダイ」とあわてて拒否していた。
ペイバー不可は変わらないようで。
彼氏はいないそうだ。学業の間は彼氏を作らないと言っているが、本当かどうかは知らない。このルックスだもの、たぶんいるに違いない。
来月まで学校の休みが続くらしいんで、のんびりやるさ。
とりあえず、日中のデートか、仕事終わりのディスコデートでも誘ってみるかな。こっちは、冴えない中年外国人。モテるわけがない。ダメで元々さ。
まだ時刻は夜の8時過ぎだが、ちょっと疲れてきた。
Tシャツは着替えたが、下半身は濡れたまま。
一度、部屋に戻ることにした。
さて、夜の水かけはどうしようかね。
(夜の部へつづく)