49日目
カラオケ嬢は熟睡。
今日は一段と睡眠時間が長い。
すでにぶっちぎりで連続12時間を経過。
もうわかりきっているので、わたしは一人で朝食を済ましてある。
タイ料理惣菜祭りと屋台のケーキ
昼、というかすでに4時前、ようやく昼食へ。
なんという中途半端な時間な昼飯か。
いつものアパート食堂で食事。
わたしはトムヤムクンとご飯。
あと、カラオケ嬢が屋台からいろいろ買いこんでいた。
おかげでテーブルの上は、惣菜祭りに。
野菜の漬け物(パックドーン)やら豚の揚げ物(ムートート)やらきのこスープ(ゲーンヘット)など。
それにしても、よく食べるなあ、この子。
さらにアパートの住人がいろいろ買っていた。
長豆(いんげん豆)のソムタム。タムトゥア。
長豆は、トゥアファックヤーオ。
わたしは、この豆の食感が苦手なんで、パス。
とりあえず、わたしは腹が膨れて満足。
カラオケ嬢はまだ物足りないらしい。
お菓子屋台でケーキやドーナツを買いこんでいた。支払いはもちろんわたし。
一個10バーツで、合計5個。うち二人はわたしが食べる。
わたしが選んだ2品
あとで食べてみた。
どちらも圧倒的に甘い。腹にずっしりとくるヘビーな甘さだ。どちらかというと甘党のわたしも完食できなかった。
ケーキを手に、カラオケ嬢とわたしの部屋に戻る。
あれ? 仕事は?
今日はわたしの部屋でお菓子食べながら、テレビを見ると宣言するカラオケ嬢。
おいおい、いいのかよ。
タイ女性へのお土産は美白フェイスクリームで
わたしは用事があって、知人とLKメトロのバーで一時間ほど過ごす。
部屋に戻ると、すでにケーキ3つは完食されていた。
あれだけ甘いケーキをどんだけ食べるんだよ。
「イムイム(満腹満腹)」と言いながら、ベッドに寝っ転がりテレビを見ている。ほんと、太るぞ。
が、そこへカラオケラウンジのママさんから電話がかかってきた。出勤要請だ。
カラオケ嬢は、本気で舌打ちしていた。
「キーキアット(面倒くさがり)」と言いながらも、出勤準備。
しぶしぶ化粧をはじめる。
フェイスクリームを持っていないかとの質問された。
女性用のフェイスクリームなんて、男が持ってるわけないだろ。
いや、待てよ。あるぞ。
読者におかれてはもうお忘れかもしれませんが、前回のパタヤ沈没時にずっと一緒だったコヨーテさん。
そのコヨーテさんから、お土産として日本製の美白フェイスクリームを頼まれていた。
送金は無理だとしても、化粧品のお土産くらいは渡そうと思って、日本出国前に購入してあった。
が、その土産を渡すことなく、コヨーテさんとは関係消滅。フェイスクリームはわたしの旅行かばんの中で眠ったままになっていた。
その死蔵品が、ついに活躍する時がやって来た。
旅行かばんからフェイスクリームを取り出し、カラオケ嬢に、ハイどうぞ。
なぜ男がこんなものを持っているのか、そんな質問をすることなく、素直に開封する彼女。
商品パッケージが日本語だけなんで、いちおう、タイ語やら英語やらを混じえて説明する。
肌が白くなるやつだよ~と。
日本製。美白。クリーム。
もうそれだけでタイ女性にはウケる。コラーゲンも入っていればバッチリだ。
(クリームは、キームに近い発音。コラーゲンではなくて、コラージェンと発音のほどを。)
本当にコラーゲンが効くのかとか、クリームを塗れば美白効果があるのかとか、そんな科学的根拠はこの際おいておいて、とにかくイメージの問題である。
(ま、日本製のそれなりにお値段がする美白クリームはそれなりに効果があるんだろうけど。)
ちなみにわたしが買ったのは、安物です。薬局でせいぜい1500円程度のもの。
彼女には値段はナイショにしておく。
フェイスクリームを塗ってから、お化粧開始。女性の化粧はさっぱりわからないけれど、下地作りには悪くなさそう。ちゃきちゃきと化粧を終えていた。
とりあえず、役に立ったようで良かった。無駄にならずに済んだ。
もちろん、化粧後には「スワイスワイ」とおだてておく。
ご機嫌取りもいいところだが、これくらいはね。
またしても、カラオケ嬢はわたしが借りたバイクでご出勤。
バイク置き場までお見送り。
いってらっしゃ~い。
事故には気をつけて、なるべく早く帰ってきてね。
うーん、また前回のような半ヒモ男生活になりつつあるな。
お土産を渡す相手は変わったけど、やってることに変わりはないような。
まあ、いいか。
(つづく)