大きな寸胴から湯気が立ち上っている屋台を発見。
予想ではジョークかなあと思ってタイ人に質問してみたところ、何やタイ語で料理名を言っている。
グラポプラー?
ガポップラーとも聞こえるし、クラポプラーとも聞こえる。
プラーは魚だろうが、パーに聞こえるんで、すべて縮めて発音すると、ガボパーとなる。
とりあえず、ここではグラポプラーとしておく。
でも、さっぱりわからん。
何でもクィティアオのようなものらしいが、要領をえない。
ま、わからなければ、食ってしまえばいい。
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グラポプラー
タイ人に付き添ってもらい屋台で注文。
寸胴の中身は、ぐつぐつとマグマのように煮え立っていた。
どろどろとしたスープと具材が器に盛られる。
胡椒をふりかける。
あとは、唐辛子も足したら出来上がり。
見た目はモツスープみたいだ。
血のかたまりが目立つ。
混ぜ返してみると、センミーなのかカノムジンなのか細麺が入っていた。なるほど、それでクィティアオみたいなものと言っていたのか。
あとは、ウズラの卵とかタケノコが入っている。
小さな油揚げのような形と色をしたものが、魚の浮袋(グラポプラー)だそうな。中には煮込みすぎて、ほぼ無色透明になってしまったものもある。
さて、食べてみましょうか。
とろみのある濃厚なスープである。
はて、どこかで食べたような味だなあ、と思案していたら、タイ人に料理の由来を教えてもらう。
元々は中華料理で、本来は「シャークフィン」を入れるものではないかとのこと。
でも、シャークフィンは高いから、魚の浮袋で代用しているとか何とか説明してくれた。
シャークフィン、ああ、フカヒレか。
つまり、フカヒレスープの廉価版みたいなものか。
どこで食べたか思い出した。
神戸の南京町の屋台で食べた安いフカヒレスープの味だ。
うん、よく似ている。
ただし、魚の浮袋スープのほうが濃厚だ。
魚の浮袋の味は、ほとんどしない。
麺の量も少なくても、麺料理を食べている実感はわかない。
血の固まりの量が半端ではない。別に嫌いではないが、これはちょっと多すぎるな。
具材の中では、うずらの卵が一番うまかった。
わたしは完食できなかった。
でも、スープはおいしい。
最後はスープだけを飲むようにした。
あまり唐辛子や胡椒は入れ過ぎないほうがいいだろう。
完全タイ人仕様にしてしまうと、普通の日本人の味覚にはちょっときつい。
ちょっと調べてみると、やはりグラポプラーは中華料理のようで、バンコクのヤワラー(チャイナタウン)の名物だそうな。
高価なフカヒレスープに大して、グラポプラーは安い価格で提供されているみたい。
そういえば、パタヤにもフカヒレスープ屋はいくつかあるよなあ。
食べたことないけど。
日本でも南京町の安いフカヒレスープしか食べたことないんだよなあ。
このグラポプラーは一人前40バーツ。
貧乏人にはグラポプラーで充分のようだ。
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