送金依頼
パタヤ滞在中にずっと付き合っていたコヨーテ嬢。
日本に帰ってからも、そのコヨーテさんとは毎日ビデオ通話。
昼間と夜。それに早朝。
コヨーテさんが仕事を終わって、夜食の買い出しを終えると、深夜4時くらい。
日本時間では早朝6時。
むちゃな時間帯に電話がかかってくる。
どうやら、客からのペイバーは受け付けずに操を立ててくれているようだ。
ショートで行ってるかもしれないけど、どうやらそれもなさそうな雰囲気。
「疲れた」「今日はレディドリンク2杯だけ」「お金がない」とぼやいていおります。
で、そろそろかなと思っていたら、やっぱり来ましたな、送金依頼。
額面2万バーツ
もうパタヤは疲れたから、2万バーツで田舎へ帰って、あなたを待ってるとか何とか。
ははは。
ジャパニーズ愛想笑いでスルーです。
無理っす。
たしかに、彼女が経済的に厳しくなるのは重々承知している。
わたしと一緒に過ごしているなら、食事代サロン代お小遣いなどをもらえる。
仕事はそのまま続けて、給料とドリンクバックと接客チップがプラスされて、他の客のペイバーを受けずとも実家への送金もできただろう。
が、わたしが日本に帰ってしまったので、自力ですべて稼がねばならない。
しかも、客からのペイバーは受けない。
そうなると、経済的に厳しくなるのは必然。
かといって、わたしには送金する余裕もないし、今のところそのつもりはない。
カネを稼ぐために客からのペイバーを受けていいよとは、わたしの口からは言えない。
ペイバーはしょうがないと思っている。彼女の仕事なんで、それはもうしょうがない。
が、それを言うと彼女の機嫌がひどく損なわれるような気がする。
やっぱり、自分からは言えない。
表面上は明るく振舞っているコヨーテさんだけど、内心ではかなりモヤモヤしているに違いない。
何となく雰囲気でわかる。
が、こちらも無い袖は振れない。
愛想笑いと冗談でやり過ごすしかない。
そんな感じでスルーしまくっていると、だんだん電話がかかってくる頻度が下がってきた。
このままフェイドアウトするのか、だらだらと続いていくのかは、まったく不透明。
まあ、あと一ヶ月ちょっとでタイに行くつもりだから、それまでは待ってくれるかな。
カネの切れ目が縁の切れ目という。
元々、強いカネでつながっていたわけじゃないけれど、まったくカネの関係がなくなり、さらに距離の断絶もある。
長続きさせるのは難しいのかね。
送金してしまう男の気持ち
タイで遊びだしてから7年くらい経つが、実は、送金依頼を受けたのは今回が初めてのこと。
タイ滞在中に限っていえば、田舎からパタヤへ会いに行くバス代がないから送金してくれとか、電話の残高がなくなったから50バーツだけトランスファーしてくれとか、そんなかわいいものなら何度かあった。
が、日本へ帰ってからの国際送金の依頼はまったく初めてだ。
バタフライ路線が基本なもので、特定の女性とべったりなんてことは少なかった。
たまにそういう女性がいても、日本に帰ってから頻繁にやりとりする機会はほとんどなかった。
今回は例外中の例外。
で、ちょっと思ったことは、送金してしまう人の気持ちが何となく理解できるなあってこと。
サイフにすごく余裕があったら、ちょっとくらい送金してしまいかねない。
懇意にしている女性が本当に困っているのなら、援助してあげてもいいじゃないの。
それが大人のオトコの甲斐性ってやつさ。
といった具合に、ついつい情にほだされ送金してしまう男の気持ちがちょっとだけ理解できた気がする。
送金など絶対にありえない。そんなことする奴はカモにされているだけだ。現実を見ろ。目を覚ませ。お前は歩くATMでしかないのだ。
と、以前はずっと思っていたけど、意外とアリなんじゃないの。
自分の許容範囲の額なら、たとえ騙されたって授業料と思えば割り切れるってものだ。
頭ごなしに、送金依頼=カモ認定と決めつけるのも、どこか違うような気もする。
ま、送金依頼の90パーセント以上は、単なるカモ扱い行為なのも間違いないだろうけどね。
と、つらつらと書き連ねてきたが、やっぱり送金はやめておこう。
コヨーテさんのことはかなり信じているけれど、それはそれ。
送金はしない。
これは大原則にしておきたい。
さて、どうなることやら。