水かけのないパタヤのソンラクーン
現在タイはソンラクーンである。4月13日から4月15日がソンラクーンの日程となる。
いや、本来ならソンラクーンであったはず。
が、ソンラクーン休暇は延期され、各種イベントもすべて延期ないし中止となっている。
外での水かけや人が集まっての宴会も禁止された。
昨年の今頃はパタヤは水かけの真っ最中だった。だが今年は水の一滴もかけられることはない。
4月13日の本来のソンラクーン初日は雨が降った。
久しぶりの雨だった。
実は、今年のパタヤ地方は日照り続きでひどい水不足となっている。もう一ヶ月以上も前から、ソンクラーンでいつものように水かけをしていたら完全に水がなくなるともローカルの間では危惧されていたほど。それほど水不足は深刻だった。
結果的にソンクラーンは延期され、水かけもなくなった。そして、ソンクラーン初日にひさしぶりの雨が降った。
それほど大きな降水量ではなかったが、少しは足しになっただろう。
それ以上に、なにか今年の状況を暗示するようで妙に感慨深い思いがした。
昼間のパタヤ
さて、昨日4月14日。
本来であればソンクラーン2日目である。
4日ぶりに外出をした。
13日に続いてどんよりとした空模様。雨こそ降らなかったが、陰鬱な雰囲気だ。
交通量は少ないまま。いつもがらがらのセカンドロード。
むろん水かけなど一切やっていない。
パタヤ最大の水かけ激戦区であるソイ7は静まりかえっている。
このあたりは1メートル進むだけでバケツ2杯分の水をぶっかけられるほどの狂乱ぶりなのだが、今はただの無人バーが連なるのみ。
蛇足ながら、両替レートは、このとおり。
1万円=3015バーツ
TTカレンシーはすでに一部の店舗が閉店している。
パタヤビーチ
ビーチロードとパタヤビーチの様子ものぞいてみる。
ビーチならびに遊歩道でタイ人やファランが集まっていることがずっと問題視されてきた。
ビーチには英語でも警告が貼ってある。
パタヤビーチを含む公共エリアでの活動は許されていない。この命令に従わない者には、1年の懲役あるいは10万バーツ以下の罰金もしくはその両方という厳しい罰則が課されることになろう。
が、この活動というのがいかなるものを指すのかが少々議論になっている。単独で泳いだりランニングするのがいけないのかと、
実際、今でも遊歩道上でウォーキングやランニングするファランはそこそこ見かけた。泳いでる人もごくわずかにいる。
ただ、以前のように集まって飲んだくれているファランやゴザを敷き車座になって食事会を開いているタイ人はほぼ見かけなくなった。
当局としては人が集まるのを禁止したいわけで、単独行動者はとりあえず見逃しているような印象だ。
そんなわけで、現在のパタヤビーチは閑散としている。
さらに人が減っている。
ビーチチェア業者はチェアの撤去を行っていた。
にぎやかだったパタヤビーチは完全にその姿を消した。
ウォーキングストリート
昼間のウォーキングストリートは閑散としている。営業しているのはコンビニくらいか。そのコンビニも暇そうだ。
と、音楽を流してにぎやかな店があった。
近づいてみると、KING SEAFOODで炊き出しを行っていた。
無料で食事を提供している。
調べてみると、毎日1000食分を無料配布しているそうだ。
この奉仕精神はすごい。
なお、こんな情勢ながらも、ウォーキングストリートには新しいディスコが完成したもよう。
JANNAAT CLUBという店名。おそらくはインド系ディスコだろう。
オープンできるのはいつになることか。
ウォーキングを抜けてバリハイ埠頭へ。
現在ラン島への一般人の渡航は制限されている。島民のみが立ち入りできる。またホアヒン行きのフェリーも欠航。
よって、埠頭利用者は皆無に等しく、ほとんど無人と化している。
バリハイ埠頭からサードロードへのバイパスは車も姿が一台も見えない。
なんだか幻の世界に迷い込んだかのような錯覚を覚える。
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ソイブッカオでは食料無料配布が盛ん
南側からソイブッカオに入る。
すると人混みができている。バイクもたくさん集まっている。
ずらりと長蛇の列だ。
無料の食事を配布しているのだ。
さらに北上すると、また別の無料配布場があった。
こちらも並んでいる。
さらにソイレンキーやソイPPでも無料配布をやっていた。
それぞれに人が並ぶ。
それだけ金がなくて食べるものがなくて困っている人が多いということだ。
それと同時に完全なボランティアで無料配布を行っている店や人が多いということでもある。
寄付金は募ることもあるが、政府から援助金を受けているわけではない。奉仕精神、助け合い精神で行っている。
こういう景色を見ると、タイっていいなと素直に思う。
この助け合い精神は見習いたい。
本当に頭が下がる思いだ。
タイで非常事態宣言が発令されたのが3月26日。すでに20日ほどが経過している。
パタヤの娯楽施設が閉鎖されてからは1ヶ月近くになる。
ナイトライフと観光で成り立っているパタヤにとっては致命的な状況である。
多くの人が職を失った。
そんな中でも、まだ余裕がある人が困っている人を助けている。
まあ、仕事がなくなっていきなり食べるものにも困るような生活態度が問題ともいえるのだが、今はそんなことを言っている場合ではない。
とりあえず目の前の困っている人を助ける。それでいい。見返りは求めない。
パタヤで生活させてもらっている外国人としては、困っている人を助けているタイ人に敬意を表して、そういった店でなるべく金を落とすようにしていこうかと思う。大したことはできないが、少しでも力になれればいいかなと。
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