【パタヤで友を待つ】
さて、初めてのタイ夜遊び旅行。パタヤ2日目である。
一晩で3発もやったので、今日は完全に賢者モード。
昼間から宿の下のバービアでだらだらとコーヒーを飲んで過ごしていた。
バンコクでいったん別れた友人がパタヤにやって来るのをひたすら待つ。
実は、友人は単独でアンコールワット観光のためカンボジアへ向かっていたのだった。
海外旅行初心者の友人のことがちょっと心配だった。
プノンペンには寄らず、飛行機でバンコクとシェムリアップを往復するだけなので、まあ大丈夫だろうとは思っていたけど、実際にその姿を見るまでは安心できない。
予定では、午後3時くらいにパタヤに到着。
APEXホテルで落ち合うことになっていた。
この2007年当時は、国際ローミング対応の携帯電話はもちろん、タイの携帯電話も持っていなかったので連絡を取る手段がまったくなかった。
たまにAPEXをのぞきに行くが、まだ到着していない。
第2候補だったサイアム・サワディも念のため確認。やっぱりまだ来ていない。
すでに夕方だ。
心配になってきて、何度も往復してしまう。そのたびに通るのがソイ・ハニーイン。怪しいマッサージ屋が並ぶ怪しいソイである。
「マッサーマッサー」とピンク色の呼び声を無視して、ひたすら友人の姿を探す。
すると、ソイ・ハニーインのど真ん中で友人の姿を発見。
無事に再会を果たす。
怪しいマッサージ嬢たちの視線をよそに、がっしりと抱きあう男二人。
気持ち悪い。
でも、よかった無事で。
【パタヤはやっぱりバービア】
そのまま、ゲストハウスに案内して、友人も部屋をとった。
すでに夕方なので、荷物を置いてからすぐに出かける。
パタヤビーチへ案内。
それからウォーキングストリートへ。
相変わらずソンテウの乗り方がわからないので、移動はすべて徒歩だった。
バービアのシステムはわかったので、友人に説明する。
いたるところにあるバーから連れ出せるみたいだぞ、と先輩風を吹かせてみた。
道を歩きながら、友人はきょろきょろとバービアをのぞいていた。
ウォーキングのレストランで食事。
簡単な洋食とビールだけ頼んだが、意外と高かった。
そういえば、これ以降ウォーキングには100回くらい来ているが、通り沿いのレストランで食事したことは一度もないような気がする。
せいぜいウォーキング入り口にあるビアガーデンくらいかも。
高いよね、単純に。
それはそうと、食事をしながら友人と情報交換。
アンコールワットはかなり気に入ったようだ。
わたしは前夜のバービア嬢との対戦を報告。
楽しく談笑しつつ、ウォーキングストリートを行きかう人々をながめる。
まあ、世界中から観光客がやって来ているものだな。
すごい街だ、パタヤは。
ウォーキングストリートまで来たものの、結局、ゴーゴーバーには入らず。
ぶらぶらとバービアを物色することにした。
友人がすでに目をつけていたというバービアに入る。
ここでしばらく遊ぶ。
ろくに英語もしゃべれない友人だが、得意の顔芸とジェスチャーと勢いでバービア嬢とうまくコミュニケーションを取っている。
わたしは、英語のうまいママさんと世間話していた。昔、横浜で働いていたことがあったそうで、日本の事情もよく知っている。
ママさんが女の子をつけようか、と気を利かせてくれたが、賢者モードなのでパス。
ゲストハウスへ女性を連れて帰ると、昨晩のバービア嬢に見られるわけで、何となく連れて帰る気分にはなれなかった。
というか、あのバービア嬢ともう一晩まったりと過ごしてもいいかなとも考えていた。なにせロングで500バーツだし。
友人は、そのままバービアでペイバー。バービア嬢とどこか遊びに行くらしい。
わたしは一人で先に帰ることにした。
ゲストハウス兼バービアに戻り、しばらくビールを飲む。
昨日のバービア嬢もいた。
話し相手になってくれたものの、彼女の横には幼稚園児くらいの小さな子どもがべったりと張り付いていた。
きっと彼女の息子なんだろうなあ。
ママさんが今晩も連れて行ってやれとはやし立てるけど、子どもと一緒にいる様子を見ていると、とてもそんな気分にはなれなかった。
おとなしく、一人寝。
【再び友を待つ】
朝。
結局、友人は一晩中、帰ってこなかった。
ちょっと心配になってきた頃、汗だくで戻ってきた。
このゲストハウスの場所がわからなかったそうだ。
「迷ったわぁ」と汗をふいていた。
たしかに、完全なパタヤ初心者にはブッカオの路地なんてわかりにくい。
なんでも、昨晩はペイバーしたバービア嬢とディスコへ遊びにいったそうだ。
テキーラをしこたま飲んで、お立ち台で踊りまくり、トイレでゲイボーイに肩をマッサージされ、最後は飲み過ぎて盛大に吐いた、と。
それから一緒にゲストハウスへ戻ろうとしたが、場所がわからず断念。
バービア嬢の案内で、床屋の二階にあるヤリ部屋に泊まったらしい。
でも酔いすぎて、下半身は使い物にならず、一緒に寝ただけ。
朝、部屋を出ると、床屋はすでに営業中。散髪する客の脇をバービア嬢とこっそり通り抜けた、と笑っていた。
時間がないので、すぐに出発だ。
帰国は明日の朝。
今日中にバンコクに戻らなくてはいけない。
友人は自分の部屋で大便だけすませていた。
「おれ、この部屋でトイレしか使ってないわ~。ウ○コしただけで450バーツかあ」
と大笑い。
たった一晩だけだったけど、友人はすっかりパタヤを堪能したようだ。
こんな楽しみ方もアリだよね。
それにしても、おもろい奴だ。
この行動力は見習いたいと思った。
語学力だけが必要じゃないんだ。
やっぱり、楽しもうとする気持ちが大事なんだ。
友人を見ていると、つくづくそう思った。