沈没日記13
朝起きると、足がつった。激痛でのたうち回ってしまった。
酒の飲み過ぎか、単なる加齢か。
ビタミン不足だなきっと。
スマフォチェックしてみると、カラオケ嬢からの着信とLINEメッセージが何通も入っていた。
アパートにいるから会いに来いと言っている。
わたしの返事が遅れているものだから、怒りのステッカー付きだ。
いやいや、こっちからの電話には出ないくせに、自分がかけるときは己の都合最優先かよ。
それがタイ人スタイル。いや、タイの夜の女性スタイルか。
カラオケ嬢と再会
ほどほどに放置しておいてから、会いに行く。
本気にしていたら疲れるだけ。
昨日はどこに行っていたのか聞いてみると、友だちのところと答えていた。
ちょっと怪しいなあ。ほんとかなあ。
かくいうわたしも、ウォーキングストリートで遊んでいたわけで、人のことは言えない。
お互い遊べばいいのだ。
カラオケ嬢から、さっそくおねだり。
まずは、携帯のトップアップ代50バーツ。
食事代120バーツ。
フルーツ代30バーツ。
化粧品代40バーツ。
合計240バーツ。
個別では大した額ではないが、ちりも積もればバカにならない額となってくる。
本日の昼食はこんな感じとなった。
パットプリックゲーンムー
定番のぶっかけ飯。甘辛いペーストを絡めた豚肉炒め。ご飯がすすむ。
カラオケ嬢は、なぞの料理を注文していた。名前を聞いたが、はっきり聞き取れない。ウォキンとか聞こえたが、さてなんだろう。ナムプリックの一種だろうか。ミンチ肉を使っているのは確か。
とにかく激辛。半端ない辛さだ。
イサーン出身のカラオケ嬢でさえ、あまりの辛さに涙を流していた。
わたしはほんの一かけら食べただけでキブアップ。これは無理。イサーン人でもきついのに、日本人では太刀打ちできるはずもない。なにものだ、この料理?
辛さを中和するために、ココナッツジュースを。
臭みがちょっとあるけれど、あま~い。30バーツ。
ひたすら動かないカラオケ嬢
一度、カラオケ嬢とはお別れ。
夕方になって、わたしの部屋にやって来た。
今日はお泊りコースのようだ。
それにしても、ほとんど仕事に行ってないな、カラオケ嬢は。
年明けから出勤しているところを見たことがない。
でも、彼女の仕事の収入がないと、わたしへの依存が高くなってしまう。
これはお互いのために良くない。特にわたしの財政が厳しくなってくる。
仕事に行けとは言ってあるんだけど、なかなか腰が重たいようだ。
想像以上のキーキアットぶりだった。
今回のような1ヶ月分全額前払いの長期同棲スタイルは、わたしにとっても初の試みなんで、いろいろとうまくいかない。
前回同様に、単純にブンブンすればチップを渡すというシンプルなスタイルのほうがわかりやすいか。
部屋代や借金や実家への仕送りなどを肩代わりして最初にどんっと面倒を見てあげたら、もっとなびいてくるかと思ったんだけどなあ。
まとまったカネが入ると安心してしまい労働意欲が失せてしまうのだろうか。それとも、もっとカネを引き出してやろうと画策しているのか。
難しいもんだなあ。
まったく動く気配のないカラオケ嬢。ぬいぐるみを枕にスマフォで遊んでいる。
夜7時くらいに、腹が減ったから食事を買ってきてくれと言われる。
外へ出かけるのは面倒だそうな。
しょうがない。
わたし一人で買い出しに。
イエンターフォーとカオムーデーンを買ってきて、部屋で食べる。
汁物は後片付けが面倒だからやめてくれ~
しかも、片付けるのはわたしだし。
やっぱり屋台で食べるほうがいい。
カラオケ嬢が外出したがらないんで、どうしようもないが。
ああ、もっと動いてくれ、カラオケ嬢。
一人寂しくバービアへ
カラオケ嬢は、食後、寝入ってしまう。
わたしはたまっているPC作業をこなすが、深夜12時を過ぎるとさすがに飽きてくる。
暇だ。
深夜1時頃、我慢できずに、外出。
ブッカオをバイクで北へ南へ。
特にめぼしいバービア嬢も見当たらず、結局、知り合いのバービアへ。
新人はまだ入荷しておらず、他のバービア嬢もすでにペイバーされているか、休日とのこと。
年明け数日後のパタヤは、年末年始のハードワークの疲れで休みを取っているバービア嬢やゴーゴー嬢が多いみたい。
すぐに深夜2時となり、強制的にチェックビンさせられた。
何か調子が出ないなあ。
ソイLKメトロ内を通ってみたが、この時間になると呼び込みのやる気もほとんど残っていない。
声がかからない。
知り合いの呼び込み嬢を見かけたが、ぐったりとうつむいた状態。
もういいか。
帰って寝よう。
部屋に戻ると、カラオケ嬢は絶賛熟睡中。
あっちへごろり、こっちへごろりと、しきりにボジションチェンジしながら、豪快に寝ている。
わたしがベッドにもぐりこむと、う~んとうなりながら、抱きついてきた。
こういうところは可愛いんだよねえ。