スワンナプーム国際空港のターミナル内が全面禁煙となったのが、2019年2月3日のこと。
ターミナル外には喫煙所が設置されていたが、ターミナルビル内は完全禁煙となった。
いろいろ経緯があって、2024年にはラウンジ内やサテライトターミナル内に喫煙スペースが設置されるようになった。それでも、メインターミナル内は依然として禁煙だった。
そんな中、2025年6月に、スワンナプーム空港国際線制限エリア内に喫煙所の設置が決まりかけていた。首相に命令により、正式に喫煙所を復活させるようになった、という話だった。
関連記事:スワンナプーム空港に喫煙所を正式設置
新しく設置する場所は、国際線出発エリアのコンコースBに2箇所、コンコースDに1箇所を計画していて、実際に保健大臣や空港公社幹部が視察に訪れたていた。
首相の命令なので、これでメインターミナル内の喫煙所復活は間違いないと思っていた。
が、7月になっても喫煙所が復活したという情報は出てこない。報道もされない。すっかり音沙汰がなくなった。
2025年12月に、あらためて現地調査してみた。
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スワンナプーム空港ターミナルの喫煙所はどうなっているのか?

ターミナルの外には新しい喫煙所が設置済みだ。
2階と4階のそれぞれ両端に空調設備を整えた喫煙ルームができている。

1階から外に出て、それぞれ両端にも昔ながらのオープンタイプの喫煙スペースがある。
問題はターミナルビル内である。
出国審査場と保安検査場を抜けて、国際線制限エリア内へ。

喫煙所が設置予定とされていたコンコースDへ向かう。

長いコンコースだが、喫煙所は見当たらない。

航空会社のラウンジがあるエリアで、ラウンジは普通に営業している。

なんだか喫煙所になってもおかしくないような閉ざされた部屋みたいなところは見つかるものの、ドアは閉ざされたまま。
昔は本当に喫煙所だったかもしれない。
さんざん歩き回ったが、やはり喫煙所はない。
コンコースが交わる十字路中央に配置されたインフォメーションカウンターで話を聞いてみよう。
カウンターの上には、このような大きな告知。

2019年2月3日より、AOTの6国際空港のすべてのエリアは、ビルの内側および外側の両方で、ノンスモーキングエリアに指定されている。
ノンスモーキングエリアだと強調している。
まあ、この手の質問が多いんだろうねえ。
口頭でも、スワンナプーム空港ターミナル内には喫煙所はないと言われた。
以前はサテライトターミナル内に喫煙所があったけれど、現在は閉鎖されたとも言われる。
6月時点ではサテライトターミナル内の喫煙所は稼働していたが、8月頃には閉鎖されたようだ。
あれこれ質問すると、次のような紙を見せてきた。

ミラクルラウンジの案内で、D5にあるミラクルラウンジは喫煙可能という内容だ。
料金は1500バーツ。(現在のレートで約7500円)
スワンナプーム空港ターミナル内で喫煙できるのは、このミラクルラウンジのみと強調された。
やっぱりそうなったのか。

D5にあるミラクルラウンジは、Miracle Business Class Loungeという名称だ。
スワンナプーム空港に数あるミラクルラウンジでも喫煙スペースを設けているのはこのビジネスクラスラウンジだけ。
ラウンジ自体は普通のミラクルラウンジで、フードやドリンクが食べ放題飲み放題となっている。
奥に進むと、中庭のようなテラスエリアに出ることができて、そこが喫煙スペースとなっている。
建物内ではなくて、屋外扱いなので喫煙スペースが許されているようだ。

関連記事:スワンナプーム空港メインターミナル制限エリア内の喫煙所が復活
ミラクルラウンジは航空会社系ラウンジではないので、ワンワールドやスターアライアンスのステータスがあっても利用できない。
航空会社によってはビジネスクラス以上の指定ラウンジとしていることもあるが。基本的には、誰でも金を払えば利用できる有料ラウンジだ。
プライオリティパスがあれば無料で利用できる。
また、Klookやkkdayといった代理店でミラクルラウンジの事前購入が可能だ。
ミラクルラウンジ利用券が購入できる形だが、スワンナプーム空港にはミラクルラウンジがいくつもある。
喫煙所があるのは、メインターミナルD5ゲート前のミラクルビジネスクラスラウンジのみ。喫煙希望であれば、別のミラクルラウンジに行かないように注意しましょう。
Klook⇒スワンナプーム国際空港 ミラクルラウンジ 利用チケット
kkday⇒スワンナプーム空港 ミラクルラウンジ利用券(タイ バンコク)
まとめ
国際線の喫煙所を復活させよと首相が命令したのは何だったのかというくらい、逆に厳しくなったスワンナプーム空港の喫煙所問題だ。
ターミナルビル内はほぼ完全禁煙のままだ。メインターミナル内の喫煙所復活はならず、サテライトターミナル内の喫煙所は閉鎖されてしまった。残されたのはミラクルビジネスクラスラウンジのみで、ラウンジ利用料1500バーツがかかる。円安バーツ高の今では7500円もかかるわけで、それだけの価値があるかは難しいところ。プライオリティパスが使える人は活用するしかない。
サテライトターミナルの無料喫煙所が閉鎖されてしまったのも痛いところ。
この調子では、スワンナプーム空港の喫煙所復活は当面なさそうな気がする。と思わせておいて、いきなりしれっと設置されたりもするのがタイという国ではあるけれど。
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