ここ数日で、相次いでタイの世論調査の結果が公表された。
外国人のタイ入国に関する質問について取り上げてみたい。
広告
政府の対応には信頼あり、外国人旅行者はまだ早い
最初の世論調査は、タイ保健省が発表したもの。
5月15日から7月2日まで全国407,000人以上の回答者を調査したとのこと。
51.15%に人が、タイ政府がパンデミック第二波に対応できると確信していると解答。
28.6%の人は政府の対応策への信頼度は低く、10.2%に人は政府が対処できるという確信はないと解答。
80%の人が、トラベルバブルによる観光産業の回復に期待していると解答。
ただし、70%が人が、パンデミック進行中の国との旅行には反対している。
ソース:https://www.bangkokpost.com/thailand/general/1949364/most-thais-support-anti-virus-measures
ざっくりいえば、現在のタイ政府の規制措置については、おおむね賛成しているといったところか。
トラベルバブルはまだ決定しておらず、外国人の入国はほとんど進んでいない。
現状に即した調査結果となっているような印象だ。
WHOや病院の協力もあるようだが、政府系の調査のため、多少は割り引いて考えるべきかもしれないが。
医療ツーリズムとトラベルバブルの世論調査
続いての世論調査の結果。
The National Institute of Develpment AdmistrationとNida Pollによって、7月6日から8日にかけて1251人を対象に実施されたもの。
まずは、医療ツーリズムでの外国人入国について。
外国人は出発前にウイルス検査を受けて、陰性結果が出た者だけがタイに入国できる。それからタイ国内の病院で医療を受ける。これが医療ツーリズム。
賛成44.68%
反対55.3%
賛成理由は、タイの医療施設の評判を高め、経済活動を刺激する。また、タイ政府の講じる措置は有効的だからというもの。
反対理由は、事前に検査を受けていても本当は感染者であるかもしれず、第二波を引き起こす可能性があるから。
また、たとえ健康証明書を持っていたとしても、いまは外国人の入国を受け入れる状況ではないからと。
続いて、医療ツーリズムの派生パッケージについて。
医療ツーリズムとしてタイに入国して、14日間の隔離検疫を終えてから、タイ国内を移動できるようになるというパッケージだ。
賛成47.3%
反対52.3%
理由は医療ツーリズムと同じもの。
実質的に医療ツーリズムと中身はほとんど変わらないパッケージのため、調査結果も似たようなものになるだろう。
最後にトラベルバブルについて。
感染がない国と協定を結んで、外国人のタイ入国を認めるかどうかである。
細かい規制内容については不明。
賛成54.3%
反対44.6%
賛成理由は、経済や航空業界の活性化に役に立つからというもの。
反対理由は、パンデミック第二波の恐れがあるから。
最後のトラベルバブルに関する質問は、トラベルバブルという枠組み自体への賛否についてなのか、すぐにでもトラベルバブルを開始すべきなのか、どうにもはっきりしない。
最初の世論調査では、トラベルバブルという枠組みそのものへの反対意見は少ない。
でも、トラベルバブルによって外国人を入国させていくのはまだ時期尚早と考えているタイ人が多いことはよくわかる。
タイの国内新規感染はずっとゼロのまま。
トラベルバブルの対象国とされる日本では連日のように新規感染者が100人単位で見つかっている。
タイの国民感情としては、経済回復のためには旅行者には来てほしいけれど、今はまだ諸手を挙げて歓迎するタイミングではないというのが素直なところだと思われる。
日本からタイへの旅行は以前として厳しい状況が続く。
広告