5日目
今日も、昼間からバービア嬢Aに会いに行く。
雑貨屋で合流し、コーラを飲む。Aにも栄養ドリンクを買ってあげる。計30バーツ。
あいかわらずAは客たちとLINEのやり取り。
メッセージを打ちながらも、片方の手はこちらの手を握ったまま。
たまに膝枕で眠ったふりをして甘えてくる。
ダラダラと楽しく過ごす。
Aとその友達から、しきりにムーカタへ連れて行ってくれと頼まれる。
ディスコ「ハリウッド」の近くにおいしい店があるそうだ。
二人分のペイバー代も払ってほしいと懇願される。
そのままハリウッドにも連行されそうな勢いだ。
うーん、ちょっと高くつきそうだなあ。
そのうち連れて行ってあげると、口約束。
でも、たぶん、ないかな。
(実際、これ以降Aと会うことはなくなった。まあ、なんとなく。ちょっと悪いことしたような。)
5時前になり、Aは出勤準備。
がんばれよ~
たっぷりかせぐんだぞ~
一度帰宅。
【バービアめぐり】
バミーを食べてから、ブッカオのバービアでビール。
バービア嬢たちと、なぜかエロビデオ談義となった。
アメリカンポルノか日本のAVか。はたまた女のあえぎ声の違いについて。タイ式、アメリカ式、日本式について、みんなで実演。
オーイオーイ シアオシアオ
オーイェー オーイェー アイムカミング
あほか。
タイでも日本のAVはかなり浸透しているようだ。バービア嬢が、AVのことをポルノ(英語の発音ではポーン)ではなく、ちゃんと「エーヴィー」と呼んでいた。日本式喘ぎ声もマスター。
アーンアーンイクイク
日本のエロはワールドワイドだ。
セカンドロード沿いにある別のバービアへ移動して、さらに飲む。
以前から知っているバービア嬢と再会。
ペイバーしたことはないけれど、よく一緒に飲む間柄。
が、ろくにおごったことはない。
たまにウィスキーを割るためのコーラを買ってあげる程度。
日本人の客も多いようで、いろいろな話をきかせてくれる。
む、新人のバービア嬢がいるではないか。
小柄でかわいい。
これは狙い目だ。
が、話をする暇もなくバーは閉店。その新人もあっさりと帰宅。
時刻は10時。外出禁止令が恨めしい。
まあ、明日でいいか。
【スイス人ハーフと語り合う】
ブッカオに戻る。
こちらのバービアの多くはまだ営業している。
ちょこちょこと顔を出している馴染みのバービアへ。オーナーはドイツ系だ。
スイス人とタイ人のハーフの若い男が遊びに来ていた。
オーナーの知り合いのようだ。
その彼に話しかけられる。
スイスと日本は似ている点が多く、とても親近感を覚えていると彼は言う。
勤勉で、精巧な工業製品を作り、街も清潔などなど。
実にクリアーで聞き取りやすい英語なので、話がしやすい。
スイスは地域によって使用言語が違う。
彼の地域はドイツ語エリアだそうな。
一緒に遊びにきているスイス人はフランス語エリア。
よってお互い会話は英語で行うとのこと。
あとロマン語エリアもあるそうな。
共通語はあくまで英語。
スイスは複雑だなあ。この点は日本と大違い。
母親がタイ人だけあって、彼はタイ語もペラペラ。
3ヶ国語を完璧に操れるわけか。
うらやましい。
と、言ったら君も3カ国語話せるじゃないかといわれる。
確かに日本語と英語とタイ語が話せる。ドイツ語も少しわかる。
が、日本語以外はどれも中途半端。
英語なら本とか新聞を何とか理解できるレベルだけど、会話はいまだに苦手。クセのある発音を早口でしゃべられるとお手上げ状態だ。特にイギリスやオーストラリア出身のネイティブのしゃべる英語が一番聞き取りにくい。
タイ語はしょせんバービアタイ語レベル。文字はまったく読めないし。
ドイツ語はすっかり忘れた。
もっと勉強しないとなあ。
タイの政治状況についての意見も聞く。
半分タイ人とはいえ、普段はスイスに住んでいるらしく、実に客観的な意見だった。
政治に限らず、何ごとも表と裏がある。
タイだけじゃない、これは世界中で共通している。スイスでも日本でも同じ。
金と権力の集まるところには、必ず裏の顔がある。
なるほど、話のできる男だ。
そうこうしているうちに、バイクに乗った警官がやって来た。
懐中電灯を店にあてて、閉店をうながす。
強制閉店。
11時過ぎになっていた。
本日はこれにて終了。
今日も楽しかった。
というか、男と語り合うより女を口説けよ、と自分につっこみを入れながら就寝。
まあ、楽しければ何でもいいのだ。