先日、パタヤのローカルレストランでブレックファーストを食べていた時の話。
わたしの横のテーブルに30代後半らしきファランがやって来た。
ブレックファーストをオーダーするやいなや、スマフォで友人に電話をかける。
会話は英語なのでイギリスかオーストラリアかアメリカか、まあ英語圏の出身であろう。
わたしはブレックファーストを食べつつも、それとなくファランの話を聞いていた。
相手側の声は聞こえないが、ほぼ一方的に話しているんで、内容は簡単にわかる。
挨拶もそこそこ、昨日の戦況報告を始めたではないか。
新しいレディを見つけて、一緒にビュッフェを食べに行ったと話している。
たぶん、ムーガタのことだろう。
彼女はシーフードばかり食べていて、そんな食べて大丈夫なのかと何度も質門。でも彼女の答えはノープロブレム。でも、それから二人で部屋に戻ると、彼女は7回もトイレに行って、げろげろ吐いちゃったんだよ。
7回だよ、7回。としつこくファランは電話口で繰り返していた。
どこがノープロブレムだよ、ヒーハー!とファランは実に楽しそうに語っている。
ファランのその語り口が、傍で聞いていても、本当に楽しそうだった。
(ヒーハーとは、本当は言ってないけど。)
その後も延々とタイレディについて語っているファラン。
朝食が運ばれてきてところで、ブレックファーストが来たから電話切るわとようやく戦況報告は終了。たぶん、食べ終わったら、また電話するつもりだろう。
うん、ファランも日本人も奔放なタイレディの前では平等だよね。
引っ張りまわされるし、かき回される。
そのファランは、パタヤで遊んでいるファランの中ではまだ若い部類だし、ルックスもそこそこいい。かなりモテるはずだ。
でも、やっぱり、タイレディには振り回される。
しかも、その振り回されかげんを楽しんでいて、ダメダメっぷりと失敗談を友人に報告するのを実におもしろがっている。
これまた、ファランも日本人もやっていることは同じだ。
タイ好き、パタヤ好きの気心がしれた友人同士の戦況報告会はやっぱり楽しい。
成功例や自慢話は聞きたくない。
トラブルだらけの戦況報告会が一番楽しいんだよね。
失敗したコンパのあとの、反省会と称した男だけの飲み会が実はコンパよりも楽しいのと似たようなもの。
テキーラ飲ませたら酔っ払って、部屋に連れて帰ってもゲロゲロ。トイレでもゲロゲロ。そのままノーブンブンとか。
店内ではデレデレ接客だったのに、ベッドの上では完全冷凍マグロだったりとか。
待ち合わせに2時間遅れたのにマイペンライだけで済まされたり、平気でドタキャンくらったりとか。
別のバーでペイバーしたところを見つかって、キルユーメッセージを受け取ったりとか。
タイ夜遊び好きなら、この手のエピソードは誰しもが経験しているはず。
そんなエピソードを友人におもしろおかしく話すのが楽しくてしょうがない。そう思っているタイ好きは多いはずだ。
それは、日本人だけじゃなく、ファランも同じ。いや、世界中の男たちが同じだろう。
激甘イープンも激渋ファランもない。
みんな一緒。
やってることはみんな同じ。
失敗も成功もすべて込みで、パタヤを楽しんでいるのだ。そして、ほとんどのケースでは失敗のほうが多いし、その失敗こそがおもしろい。
そんな楽しみの前では、やれ散財だ、やれキーニャオだのというのはまったくナンセンス。
ファランならそんなことしないとか、激甘イープンは困ったもんだとか、そういった文句もバカげている。
むしろカネの使い方ならファランのほうが激しく甘いよ。
要は、好きなように楽しめばいい。
そして、失敗エピソードでげらげら笑えばいいのだ。
失敗エピソードが積み重なれば重なるほど、パタヤが好きになっていく。やめられなくなる。
パタヤの夜遊びってそういうもんです。
そして、タイレディの前では、日本人もファランも平等ってことです。