バタム島2日目
バタム島滞在二日目である。
せっかくここまで来たことだし、もう一泊だけしてみよう。
まずはホテルチェンジ。
何軒かまわってみて、「フラム」というホテルがほどほどに清潔、しかもWi-Fi利用可能ということで、ここに投宿してみた。
1泊18万ルピア。1800円。
昨日のラマヤナホテルと同じ価格ながら、フラムのほうがはるかにコストパフォーマンスは上だ。
あとで調べてみたけれど、Agodaなどの予約サイトでは取り扱っていないようだ。
泊まるならウォークインで。
この日は、自力で置屋を数軒まわってみた。
ホテルから歩いていける範囲にも、DynastyとかQueenとかいったカラオケ置屋があった。
昨日のタクシーは案内してくれなかったところだ。
でも、システムは同じ。
ひな壇やソファーがあるので、座っている女性をただ指名するだけ。
そのまま連れて帰ってもいいし、ブッキングだけしておいて、あとでホテルまで来てもらってもいい。
代金は先払いだ。
うーん、レベルはやはり厳しい。
まだ早い時間だからかな。
ぶらぶらしていると、バイタクのおじさんに声をかけられる。
「レディ?」
と聞いてくるが、こんな島で昼間から一人でぶらぶら歩いてる外国人男性の目的なんぞ、女以外にまずありえない。
他には、何もない。
ビーチもあるようだけど、中心部からは少し離れている。
パタヤのように、ビーチリゾートと歓楽街が一体化しているわけでもないし、開放的な雰囲気にあふれているわけでもない。
砂埃と猥雑さとにまみれた市街地である。
バイタクのおじさんがしつこい。
日本人の客をいっぱい知っている、心配するな、とやたらと勧誘熱心だ。
まあ、どうせ歩いて置屋めぐりをするのは大変なので、とりあえずチャーターすることにした。
気に入る女性が見つかるまで、ひたすら案内することと取り決めて、5万ルピア。500円。
photo credit: Bonar Gultom via photopin cc
バタム置屋めぐり再び
がっつり置屋めぐりスタート。
うーん、昨日すでに入った店が続く。
おっと、今朝別れたばかりの置屋嬢の店だ。
でも、彼女はおらず。
その後は初見の置屋もまわってもらった。
顔もスタイルも合格点の女性が見つかった。
が、すでにブッキングされているからと断られた。
みんな行動が早い。
ショートタイムならオッケーだそうな。
40万ルピア。約4000円。
ロングなら120万ルピア。1万2千円。
どっちにしろ、高すぎる。
無理だ。
その後も、10軒近くまわってみたが、これという女性とはめぐりあえず。
困ったバイタクのおじさんは、見た目は普通のビルへバイクを横付けした。
一緒にビルに入っていく。
ビルの一角が居住スペースになっていて、小さな部屋が並んでいる。
そのドアを片っ端から開けていく。
中には、女性が一人で暮らしているようだ。
ここも置屋になっていて、連れ出し可能。
いわば、ビル置屋。というかアパート置屋だな。
ロングで60万ルピア。約6000円。
うん、まずまずの値段。これならいけそう。
部屋に片隅で一心不乱に豆を剥いている女性が気になった。
少しだけ腹が出ているけれど、スタイルもいいし、顔も悪くない。
この子に決定だ。
置屋のボスに60万ルピア払う。
まだ時間が早いので、あとでホテルまで来てもらうことにした。
ああ、疲れた。
炎天下の中の置屋めぐりは大変だ。
ホテルの近所の食堂で食事。
バイタクのおじさんも当然のような顔でついてきた。
お粥を注文すると、おじさんも注文。
さらに、一言も断りなく、タバコを一箱買わされた。
いやいや、意味わからないんだけど。
当然、チップは無しだ。
女性が部屋に来るも…
夕方6時ころ、置屋の女性が到着。
さっきのバイタクのおじさんが送迎してくれた。
これはサービスだった。
さて、ようやく置屋嬢と二人きり。
まだバタム島で働きはじめたばかりらしい。
英語はまったく通じない。
インドネシア語の指差し会話帳でコミュニケーションをはかるものの、あまりやり取りが続かない。
結局、二人でテレビの映画を見ていた。
炎天下での置屋めぐりの影響か、猛烈に頭が痛くなってきた。
吐き気もする。
ジギジギもせずに、とりあえず眠る。
夜中になっても体調は回復せず。
これではジギジギどころではない。
たまに会話を交わしていると、ちょっとした事実が発覚。
なんと、彼女は妊娠中だとのこと。
ちょっとだけ腹が出ているなあとは思っていたけど、まさか身ごもっているとは。
これで、余計にやる気がなくなった。
結局、お互いに裸になることすらなく朝まで眠った。
翌朝、目を覚ますと、体調は少し回復。
彼女はアパートへ帰りたいと主張。
いやいや、いやいや。
それはだめだ。
ジギジギと言うと、しぶしぶ彼女は脱ぎだした。
ただし、下半身のズボンだけ。
なんか、もう、こちらのやる気もすっかり失せてしまった。
まったく反応しない下半身。
もういいや、6000円を捨てたと思うしかない。
体調が悪くなったのはこちらのせいだ。
が、彼女のサービス精神もゼロ。
まあ、しょうがないか。
チップを渡すこともなく、彼女を帰した。
バタム脱出へ
どうにも、バタムは合わない。
心の琴線に触れるものがまったくない。
やっぱりパタヤのほうが数段楽しい。
コストパフォーマンスもすぐれているし、何より、開放的かつダラけた雰囲気がわたしには合う。
ここバタム島は、正直、おもしろくない。
早く、脱出したくなった。
善は急げ。
さっそく荷物をまとめる。
すると、ドアをノックする音がした。
誰何すると、昨日のバイタクのおやじだった。
わたしが急いでいる様子を見ると、シンタイという地区だか村に大きな置屋街があるから行かないと必死に誘ってくる。
あそこはもっと安いぞ、と。
いや、おれはもうバタムを出る。
この島から脱出するのだ。
じゃあ、フェリー乗り場まで送ってやると言う。
料金は、ホテルでタクシーを手配するより安くすると。
もういい加減、このおじさんからも離れたかったけど、フェリー乗り場の様子もわからないし、案内もかねて送ってもらうことにした。
チケット売り場は大混雑。
おじさんの先導で何とかチケットを買うことができた。
出航時間が近い。
ここでバイタクおやじともお別れだ。
世話になったような、金を巻き上げられただけのような、不思議な気持ち。
財布の中にある、インドネシアルピーの残りをくれとせがまれる。
もう必要ないだろ。チップチップと。
ああ、なんかイライラする。
昨日、食事もタバコをおごってあげたではないか。
もう知らん。
一刻早くバタム島から脱出したくなった。
さっさと逃げるように出国手続きへと向かうのであった。
フェリーに乗りこみ、船は一路シンガポールへ。
バタム島まとめ
なんか合わない。
この一言につきる。
店も街の雰囲気も相場も、すべてが噛み合わない。
タイミングだとか、相性だとか、体調だとか、ほんの些細な出来事の積み重ねで、好きになれないことがある。
まさに、この時のバタム島とわたしがそんな関係。
ひょっとして、いい相手が見つかって楽しいひと時が過ごせたかもしれない。
気持ちのいいバイタクのおじさんに出会っていれば、もっと楽しかったかもしれない。
そうなれば、バタム島の印象が180度変わっていたに違いない。
でも、だめだった。
旅行や夜遊びなんて、そんなものだと思う。
まあ、バタム島で遊ぶことはまだまだ可能なことはわかった。
女性のレベルのわりには値段が高いけれど、お手軽にロングで遊ぶことができる。
カラオケ置屋の他にも、ホテルのディスコやバービアでも連れ出しが可能のようだ。これは後で知った。
あとは、バイタクが言っていたシンタイ村もある。
でも、やっぱりバタム島は、物価の高いシンガポールから野郎たちが週末に遊びに来る場所だ。
わざわざ、日本から行くほどの価値はない。
少なくとも、わたしは二度と行かないだろうなあ。