25日目
肉欲とサロン
コヨーテさんの起床は例によって午後3時ころ。
昼過ぎにメーバーン(家政婦。ハウスキーパー。ホテルならルームクリーン係のこと。)が部屋へ入ってきて、バスタオル交換や部屋の掃除をしてくれるが、お構いなしに寝続けている。
週に2回ほどベッドシーツの交換がある時は、さすがに起きて、ベランダに待機。
シーツ交換が終われば、またベッドに戻って寝てしまう。
エアコンのきいた部屋は快適で、ついつい12時間睡眠を取ってしまうのだとか。
彼女のアパートの部屋は、エアコンなしで小さな扇風機のみ。
酷暑期のパタヤでは、さすがに昼間はあまり眠れないらしい。近所の子供もうるさいし、隣の住人は昼間から音楽を大音量でかけていて、ローカルアパートもなかなか大変みたい。
でも、そんなローカルアパートにも、おじいちゃんファランが住んでいるからおもしろい。
この前アパートを訪れた時は、そのファランが修理工を呼んでいて、玄関のドアを直してもらっていた。でも会話は英語で押し通していた。
よく、やっていけるよなあ、ファラン。
たしかに安上がりだ。
部屋代と電気水道代を合わせて3000バーツくらい。
食事代をうまく節約できれば、通信費や雑費を合わせても1ヶ月1万バーツあれば充分やっていけるだろう。
あとは遊興費とビザの問題。
ここをクリアできて、年金がもらえるなら、余裕で暮らせていけそうだ。
でも、正直なところ、あのボロアパートで余生を過ごしたいとは到底思わないけど。
ようやく起床したコヨーテさんを襲撃。
なぜか肉欲が湧いてきたので、さくっと一発。
事後、ステーキが食べたいというコヨーテさん。
こちらは別の肉欲か。
ソイPPにある49バーツステーキの店へ行こうとしたが、あいにくとまだオープンしていない。
で、訪れたのが、すぐ近くにあるベルギーレストラン、フランドリア。
ムーガタを食べるも、味は今ひとつ。
食後、コヨーテさんはサロンへ。
職業柄、髪の毛の手入れは欠かせない。
わたしも付き合わされた。
サロンのお姉さんは、ちょっとだけ日本語が話せた。
親戚が日本でタイレストランを経営していて、しばらく店の手伝いで日本に滞在していたとのこと。
ディズニーランドが好きで、上野で買い物するのも好きとか言っていた。
とっても日本に好意的。
でも、
「あなたも日本に連れて行ってもらいなさいよ」
と、コヨーテさんを煽るのはやめてほしい。
コヨーテさんがすっかりその気になってしまうじゃないか。
わたしにそんな余裕はない。
サロン代もコヨーテさんが自分のサイフから支払っていた。
いやまったく貧乏で申し訳ない。
イサーン姉弟が田舎からやって来る
イサーンの田舎から友だちが遊びに来ているとかで、コヨーテさんは一度帰宅。
この日は、たまたまデイオフなんで、出勤する必要もなし。
あとで戻ってくるそうだ。
夜、予定通り、再度合流した。
友だちも一緒だ。
あと、その友だちの弟も一緒。
今朝、イサーンの田舎から出てきて、明日の朝にはまた田舎へ帰るらしい。
お姉さんは大学生で、ちょっと社交的かな。英語も少々オッケー。
でも、服装はジャージ姿で、もう田舎っぺ丸出し。化粧もせずに、垢抜け度数ゼロ。
性格は明るいけどね。
もしも、バンコクやパタヤの夜の世界で働くことになったら、化粧や遊びも覚えて、男を転がすようになるのかなあ。
まっとうに大学を卒業して、まっとうな仕事につけるよう切に願う。
弟は、たぶん中学生くらい。
とても大人しい。ほとんど口を開かない。
いかにも朴訥した田舎の子って感じ。
こんなまったくスレていな男子中学生が、田舎から都会へ出てきて、いずれはヒモ男みたいになるんだろうか。
いや、このまま田舎で健全に育ってほしいと切に願う。
ソイエキサイトの空き地に出ている小さなマーケットでお買い物することに。
パタヤの土地勘に一番明るいのはわたしだ。
コヨーテさんはあまり出歩かないし、パタヤに詳しくない。
ソイの名前もよく知らない。
イサーンの姉弟は初パタヤ。
よって、外国人のわたしが一番詳しいという奇妙な構図となる。
夜遅く、未成年を含む若いタイ人3人を引率する日本人のおっさん。
日本なら奇異な目で見られること必至のシチュエーションだが、パタヤでは珍しくとも何ともない。
いい街だ。
コヨーテ衣装用の下着を買ってあげる。100バーツ。
わたしは、自分用のパンツを購入。
ボクサータイプで一枚29バーツ。
タイ語でも「ボクサー」で通じる。
ちなみに、下着はタイ語で「ガンケーンナイ」。かんけ~いないさ~、と覚えましょう。
かなりペラペラの材質だけど、日本の百均ショップで売っている下着よりは、ちょっとマシなレベルかな。
が、社会の窓部分が開いていない。でも、そんなの関係ない。
夜のパタヤビーチ
最後は4人でパタヤビーチへ。
海のないイサーンから来た姉と弟は、とにかく海に対するあこがれが強いようだ。
昼間はジョムティエンビーチで遊んでいたらしい。
夜のパタヤビーチは静かでいいね。
ソイ7の向かい側くらいだけど、タイ人がちょろっといるくらい。ソイ7のバーの音楽が遠くに聞こえる。
以前はロシア人が騒いでいたような印象があるけど、めっきり減った。
昼間は汚く見える海水も、夜なら気にならない。
波の音が心地よいくらいだ。
ゴザはレンタルで50バーツだった。
そこらへんに業者のおじさんがうろうろしているので、声をかければオッケー。
使い終わって放置しておけば、たぶん勝手に回収してくれる。
購入すると150バーツらしい。
コンビニでビールやおやつを買い込み、プチ宴会。
おっ、意外といいかもね、夜のビーチで飲むのは。
イサーン姉弟は、水とオレンジジュース。
どれだけ健全なんだよ、君たちは。
お願いだから、都会には染まらないでね、とスレた日本人からの一方的なお願い。
夜とはいえ、まだまだ蒸し暑い。
しかも、ちょこちょこと蚊が寄ってくる。
ビーチで飲むビールはうまいけれど、蚊は勘弁してほしい。
2時間ほど、だらだら過ごしたところでお開き。
姉弟二人はコヨーテさんのアパートに宿泊。
コヨーテさんが、バイタクに住所とアパート名を告げて、送り出していた。
コヨーテさんは、もちろんわたしの部屋へ。
クイジャップ屋台
帰り道、クイジャップ屋台を発見。
時刻は深夜0時をまわっている。
この時間帯になると、クイジャップ屋台やジョーク屋台をちょこちょこと見かけるようになる。
このクイジャップ屋台は、スープや具材を選択可能。
スープは、黒色を選択。ナムコンというらしい。透明なのはナムサイ。
具は、豚肉。
あえてモツは入れず。普通の豚肉(ムーシィンと呼ぶらしい)にしてみた。
血の固まり(ルアット)は入れておく。
何も指定しなければ、おそらく全入れでしょうね。
並盛35バーツ。大盛りは40バーツ。
完成したのがこちら
あっさりはするけど、やっぱりパンチ不足だな。
クィジャップには、モツを入れるべし。
味は問題なし。
でも、ブッカオ火・金市場のクイジャップのほうがおいしい。
関連記事:ブッカオ火金市場の屋台群にあるクイジャップがおいしかった
飲み足りないわたしは、コンビニで缶ビール2本していた。
クイジャップ食べながら、ビールをクイっと。
コヨーテさんは、涼しい部屋でサバイサバイと寝転んでテレビを見ている。
だらだらとふけていくパタヤの夜であった。