43日目
案の定、カラオケ嬢はずっと寝ている。
わたしは先に起きて、コーヒーを飲んだり、パソコン開いたり。
物音で目が覚めてしまったか、カラオケ嬢がたまに「ふがっ!!」と奇声を上げている。
「んがあ」と唸りながら、布団をかぶって寝直すカラオケ嬢。
部屋の電気を点けたら「ピットファイノイ」って怒られるし、気を使うなあ。
まあ、ごゆっくりお休み下さい。
本日は、午後2時頃起床。
お早いお目覚めで。
目覚めのブンブンはなし。
毎日はいらないな。
500バーツを借金するカラオケ嬢
いつもの食堂でいつもどおりの遅めの昼食。
ガパオムー
量は少ないけど、ここの味付けは好きだな。
彼女はスキータレー。
エビとイカ入りのスキヤキだ。もちろんタイスタイルのスキヤキなんで、日本のものとはまったく違う。
これはこれでおいしいね。
水2本も飲んで計100バーツ。
ちなみに同席していたローカルタイ人たちのおつまみは枝豆でした。
豆はやや紫がかった黒豆に近い感じで、味はほぼ日本の枝豆と同じ。
たまに屋台で見かけるかな。ビールのおつまみにどうぞ。
ここでカラオケ嬢とはいったんお別れ。
「コータンノイ(お金ちょうだい)」という彼女。
いろいろと物入りでカネが必要なようだ。
とはいえ、ブンブンなしなので、渡せるのはせいぜい小遣い程度。
でも500Bほしいという。
というわけで、「シャイニー ナ(借金ね)」と言いながら500バーツを渡す。
「オウッ」と彼女も合意した。
なんかつい先日も別のバービア嬢とそんな会話を交わしたような気もする。
今回のカラオケ嬢も、また体で借金を返しにくるんだろうか。
いわば、ブンブン代の前倒しだね。
夜の再会を約束して、バイバイ。
親子二代バービア遊びするファラン
夜、フィッシュ・アンド・チップスをテイクアウトしてから、バービアに持ち込む。
バービアでビールを片手に食べるフィッシュ・アンド・チップスは最高だな。
タイなのに、ちょっぴりロンドンのパブにいる気分。
食後はビリヤードで遊ぶ。
さて、わたしにはパタヤのバービアでビリヤードの手ほどきをしてくれた師匠がいる。
わたしが下手の横好きで遊んでいたところ、あまりの下手くそぶりに業を煮やしたのか、イギリス人の紳士が指導をかって出てくれた。ビリヤード競技会で優勝経験もあるプロみたいな存在。
その教えを元に日々ビリヤードを続けていると、次第にうまくなっていき、いまではファランやタイ人相手でも互角の勝負ができるようになった。
師匠は60歳過ぎくらいだろうか。
タイ人の彼女がいる。元バービア嬢だ。
彼女の実家のあるイサーンには、二人のための豪華な家を建てている。
が、師匠のイギリス人は、現在心臓手術のため本国の病院に入院中。
彼女はビザがなかなか取れず、タイに残っている。
彼女は今日もバービアに顔を出していて、話を聞いてみると、来週ビザがようやく取れる見込みだと喜んでいた。
タイ人がイギリスのビザを取るのはなかなか大変のようだ。
彼女は、ビザ取得記念にわたしをビールを奢ってくれた。
持つべきものは師匠とその彼女だな。
おっと、見知らぬ若いファランがいるなあ。隣にはいかにもバービア嬢然とした若いタイ女性がべったり寄り添っている。
どこか別のバービアでペイバーして連れてきたのだろう。
師匠の彼女から、そのファランのことを紹介してもらった。
なんと、びっくり、師匠の息子だと言うではないか。
休暇でパタヤへ遊びに来ているらしい。
年齢は30代後半。
師匠の彼女も30代後半。
「彼氏の息子と同い年なのよ、わたし」と彼女は苦笑いしていた。
まあ、息子が年上じゃなくてよかったね。
それにしても、父親が心臓手術で入院中なのに、息子はパタヤで女遊びをしているのか。
いや、待てよ。
そもそも、親子二代でパタヤのバービアで女作っているわけか。
ファランよ、こんなことばっかりやっているな。
親子の血は争えないようだ。
息子もビリヤードがうまいのなんの。さすがに彼には勝てない。うますぎる。
まだまだファランにはかなわないな。
息子のいるパタヤ好きの日本人の方も、ぜひご子息が成長した折には、パタヤのバービアを紹介してやってほしい。
親子二代バービア遊びをファランだけに独占させておくのは、もったいないですぞ。
子は親の背中を見て育つ。黙っておれについてこいと、パタヤへ連れて行ってほしい。
息子が30歳を越えてからでいいと思うけどね。
クリスタルクラブ CRYSTAL CLUB
バービアで飲んでいる最中も、ちょこちょことカラオケ嬢に連絡を入れてみるものの、まったくつながらない。
返事もない。
まあ仕事が忙しんだろう。
わたしは、LKメトロに寄り道してみた。
たまにはゴーゴーバーでものぞいてみようか。
深夜1時過ぎ。
特に意味はないけど、クリスタルクラブへ。
生ビール69バーツ。
この前入った時は、やたらとまずかったが、今回は少しマシな味。
ボードを見てみると、出勤ダンサーが25人、うちペイバー済みが8人。
開店当初に比べれば寂しいが、以前の凋落ぶりを思えば回復傾向にあるかも。
ただ、ラインナップは売れ残り感がすごい。
スレンダーだけど顔がいまいち、胸はあるけどスタイルと顔がいまいち、全部いまいち、全部ダメ、のどれかに該当する女性ばかり。
ペイバー済みの8人が気になるじゃないか。
化粧のやたらと濃い一人のダンサーが絡んできた。
目の前で見ると、ダンサーにしてはお年を召した方のようだ。
34、5歳ってところかな。
目尻のシワや段々腹が目立つ。
「わたし、日本人の彼氏がいたの。日本人はよく知っている。だからドリンク奢ってね」と、さも当然のような顔でアピールしてくる。
「どのレディを選ぶ? わたしが呼んであげる。だからドリンク奢ってくれるよね」
いやいや、ほんと、意味がわからない。
だから、何なんだよ。呼びたければ自分から呼ぶし、日本人の彼氏がいたことはわたしにはまったく関係ないよ。
こういうあつかましいおばちゃんは苦手だ。
わたしが完全無視を決め込むと、「ふんっ」と鼻をならして、どこかへ消えていった。
70バーツだけ置いて、チェックビン。
まったく収穫のないクリスタルクラブ訪問だった。
やっぱりもう少し早い時間帯に行かないとダメみたいだな。
結局、カラオケ嬢とはその後も連絡が取れずじまい。
500バーツの借金持ってトンズラじゃあるまいな。
まあ、アパートはよく知っているんで、そんなことはしないか。
というわけで一人寝。
ベッドが広いなあ。