23日目。
昼間からスコール。
降ったり止んだりの繰り返しだ。
出かけるタイミングが難しい。
夜、ようやく外出。
まずは、食事。
屋台で、豚の唐揚げとカオニャオを購入し、なじみのバービアで食べることにした。
ちょっと見づらいけど、豚の唐揚げ(ムートート)とカオニャオ
ムートートは50バーツぶん購入したら、かなりの量になってしまった。
骨なしと骨付きがあり、これは骨なし。
骨付きだと50バーツくらいでちょうどいいかな。
ご飯にもよく合うし、ビールのつまみにも最適だ。
屋台で見かけたら、注文してみよう。
一人前が30バーツか40バーツくらい。
量り売りなので、自分の食べたい量を指定してもオッケーだ。
よく分からなければ、料金で指定しても大丈夫。
このバービアではビールを2本。
あとは常連ファランとビリヤードを少しだけ。
飯を食いに来ただけのような気もするが、まあ、いつもこんな感じだ。
スートゥアオーク
その後は、いつものようにBちゃんの働くバービアへ。
何やらバーが騒がしい。
ママさんはじめ、バービア嬢全員にドリンクが振る舞われている最中だった。
客のファランを囲んで乾杯の音頭。
さては、ファランが鐘を鳴らしたか。
ちっ、一歩遅かった。
もう少し早く来てれば、ご相伴にあずかれたのに。
ビール一本損したよ。
話を聞いてみると、たった今、スイス人のファランがバービア嬢をスートゥアオークしたらしい。
スートゥアオークとは、通称永久ペイバーのこと。
一定額をバーに払えば、それ以降は連れ出しペイバー代がかからない。
なんと、はじめた見たよ、スートゥアオークの現場。正確には若干見るのが遅れたけど。
ファランの横にべったりくっついているバービア嬢は、とても嬉しそうだ。
終始ニコニコ。
こっちを見ては手を振ってくれる。
スートゥアオークっていくら?
このバービアでは、スートゥアオーク代が1万バーツ。
ここは安いよとママさんも言っていた。
バーファインが300バーツだから、33日分か。
ソイ7のとあるバービアでは2万バーツ。
仲の良いバービア嬢からよく聞かされた。
よほどスートゥアオークされたかったようだ。
そういえば、このバービア嬢は、ついこの前、ファランと結婚して外国へ行ってしまった。
念願のスートゥアオークされたわけだ。
また、ウォーキングストリートにある某有名ゴーゴーバーのダンサーに聞いた話では、2万か3万バーツと言っていた。
はっきりわからないらしい。
まあ、スートゥアオークなんて、そうそうある話じゃないしね。
バーごとに値段もシステムも変わるようだし、パタヤのスートゥアオークの相場はよくわからない。
1万バーツが一番安そうだ。ゴーゴーでも2万か3万ってところだろう。
スートゥアオークのタイ語
スーが買う。
トゥアがよくわからないけど、たぶん、体とか身体とかそんな意味。
オークが外って意味。英語ならout。
わたしはタイ語の読み書きができないけれど、グーグル翻訳さんの力を借りてタイ文字を作成してみた。
たぶんこれ。
ซื้อตัวออก
buy
body
out
を別々に翻訳させると完成した。bodyだけ2番目の翻訳候補を選択した。
さらに、まとめて英語に逆翻訳させると、Transfers out、と出た。
おお、まさに、スートゥアオークっぽい響きだ。外へ移籍させるわけね。
ちなみに、外がオークなら、内はナイと言う。これ、覚えやすい。漢字の音読みとまったく同じだ。たぶん、語源は中国語だ。
内側はカンナイ、外側はカンオーク(実際の発音はリンキングして、カンノーク)となる。
さらに蛇足ながら、出すが「ポイ」。
中に出すなら「ポイ カンナイ」。外に出すなら「ポイ カンノーク」。
何を出すかって、そんな野暮な質問は無し。
が、「ポイ カンナイ ダイマイ?」と聞いてしまうのは、男の永遠の欲望である。
スートゥアオークする気があるのなら、ポイカンナイもオッケー?
それにしても、スートゥアオークの利点て何だろう?
いわゆる永久ペイバー。
今すぐバーの仕事をやめさせて、国へ連れて帰る。
もしくはタイ国内でもいいから、結婚するなり同棲するなりする。
これならわかる。
まさに永久ペイバーだ。
でも、それなら、女性側が「もう仕事辞めます」とバーに言えば、それで終わりなような気もするのだが。
もちろん、それまで働いた給料が大幅カットされるか、もらえない可能性もあるけど。
給料が月末締めだとすると、それまでは普通にペイバー代を男が払い続ければいいんじゃないの。
バーの女性たちは長期で帰省するときなんかは、いったん仕事を辞めているケースが多い。
特に揉めてないかぎり、また同じ店に復帰している。
ダメなら違う店で働き出せばいい。
だから、わざわざスートゥアオークする意味がよくわからない。
まあ、ご祝儀みたいなもんかね。単純に額面の問題じゃない。
バー側やママさんの顔を立てる意味もありそう。
特にタイ社会においては、メンツを立てることが大事だし。
スートゥアオークされる女性側からすれば、白馬に乗った王子様シンドローム的なものかな。
ルックスは王子様ではないかもしれないけれど、金を持った外国人がわたしをこの貧乏な状況から救い出してくれるの。
うふ、やったわ。
わたし、シンデレラ。
どう、みんな、羨ましいでしょ。
その証がスートゥアオーク。
また、借金のかたに家族や親戚に売られたなんてケースでは、これはいわゆる水揚げとか身請けとなる。
借金を肩代わりして、女性を自由にするわけだ。
これが本来のスートゥアオークのような気がする。
昔の日本もそうだった。
遊郭や赤線地帯の遊女の借金を肩代わりして、身請けするって話。その後は、妻にするか妾にしていた。
さすがに現在のタイでは、ほとんど聞かない話。
ましてや、自由度の高いバービアやゴーゴーバーでは借金で店に縛り付けることは難しい。
MPや置屋では、今でもありうるかもしれないが。
また、周辺国や山岳民族系でもありえそう。
ほとんど人身売買に近い話だけど、スートゥアオークもそのあたりの名残なのか。
う~む、スートゥアオークはよくわからない制度である。
誰か詳しい人、教えてください。
どっちみち、貧乏なわたしにはまったく縁のない話でございます。
せいぜい、お気に入りのバービア嬢に、40バーツのソムタムを買ってあげるのが関の山。
これで喜んでくれるなら、残り少ない予算から捻出しましょう。
む、ソムタムが40バーツだって?
つい1,2年前まで30バーツか35バーツだったはずじゃないか。
値上げ反対。
まあ、いいか。
ソムタムをつまみながら、スートゥアオークしたファランとその相手の未来に幸あらんことを願う。
ああ、それにしても辛いな、このソムタム。
お二人さん、お幸せに。
スイスは寒いよ。
風邪ひかないようにね。
タイやアジアの人身売買については、こちらの本が必読。
また、未翻訳ながら以下の本もチェックすべき。英語がかなり難しいけど読む価値あり。