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2015年12月~2016年パタヤ沈没日記

クリスマスイブの夜はまさかの一人寝。きっと君は来ない。

投稿日:

パタヤ沈没日記5

クリスマスのウォーキングストリート  (3)

クリスマスイブ。
恋人たちがいろんな意味で重なり合う聖なる夜。
パタヤのあちこちでは、即席の擬似カップルたちが性なる夜を謳歌している。

が、わたしは一人で寝る羽目となった。

 

事の顛末はこうだ。

昼間はいつものようにわたしの部屋でだらだら一緒に過ごす。
カラオケ嬢は夜から仕事に行くという。さすがに稼ぎ時の夜に仕事を休むわけにはいかないらしい。
その前に、彼女のアパートの下で軽く食事をしていくことに。

わたしは、普段よりも少しだけまともに身なりを整えた。
知り合いのバービアでクリスマスパーティをやるから、クリスマスっぽく、ちゃんと赤い服を着てきてねと言われていたのだ。
まあ、バービアでのパーティなんぞ、Tシャツ短パンで充分なのだが、せっかくなので新品の赤いTシャツと襟付きのシャツを羽織っていくことにした。ズボンもジーパンを着用。

カラオケ嬢に「どこ行くの?」と聞かれたので、素直に「パーティ」と答えてしまった。これがつまづきの第一歩だったかも。

とりあえず、カラオケ嬢のアパートへ。
すでに住人たちの宴会が始まっていた。
サンタ帽をかぶったタイ人の男や女や、その連れのファランで盛り上がっている。
カラオケ嬢は出勤まであまり時間がないようだが、ビールを奢ってあげて、一緒に宴会。
彼女のテンションも上がる。べたべたしてくる。

イカ焼きやキノコ焼きでつまみも用意。

イカ焼きとキノコ焼き

さあ盛り上がるぞと思ったところ、わたしのスマフォにフェイスブックメッセージの着信を知らせる音が鳴った。
何気なく見てみると、パーティ開催のバービア嬢からだった。
他愛のない、タダのクリスマスメッセージだ。

それをカラオケ嬢が横から覗きこんでいた。
カイ?(誰よ?)」と刺のある口調で詰問するカラオケ嬢。

わたしはこれまた素直に、「プアン バービア(バービアの友だち)」と答える。

プーインロー?(女なの?)」とさらにきつい口調で問い詰めてくる。

よせばいいのに、またままた素直に認めてしまった。
だって、40手前の熟女バービア嬢で、まったくペイバーの範囲外だし、本当にただの友だちだもん。
が、そんな理屈はカラオケ嬢に通じなかった。

タイ語で何やらまくし立てている。
あなたが女の友だちのところに行くなら、わたしも男のところへ行ってもいいよね。今日は仕事が終わっても、部屋に戻らないから!
たぶん、このようなことだと推測。

ふん、と席を立って、カラオケ嬢はいずこかへ消えてしまった。

あれま~

まあ、嫉妬もあるだろうけど、自分が仕事なのに、わたしがパーティへ行くと浮かれているのが許せなかったのかも。

彼女はそのまま職場へ向かってしまったようだ。
わたし宛てではなく、アパートの住人へLINEのメッセージで知らせてきて、わかった。

ああ、これではパーティへ行けないな。
このままアパートの住人たちとの宴会を続けていれば、わたしがバービアのパーティへ行っていないことの証人になってくれるだろう。多少なりとも誠意を見せておかねば。
しょうがない。パーティはあきらめよう。

結局、深夜までアパートの住人やファランと飲んで、時間つぶしすることになった。
まあ、北欧出身のリアルサンタクロースファランが、とてもファンキーなやつで、これはこれで楽しかったけど。

ローカル宴会

ウォッカやビールが乱れ飛んでいた。
支払いはすべてサンタクロースファラン持ち。
女性陣には、行商の人形を気前よくプレゼント。
1000バーツ札が次々に消えていった。
仕事終わりの警察官もタダ酒を飲みにやって来ていた。

 

そんなこんなでようやく深夜1時頃。
仕事終わりのカラオケ嬢から電話がかかってきた。

わたしがパーティに行かずにずっと帰りを待っていることを告げる。

彼女はしぶしぶ納得したようだが、これからピーサオ(お姉さん。たぶん、血のつながりはない)としばらく飲むとのこと。

わかった。それから部屋においで」と、念を押したが、どうにもはっきりしない。
とりあえず、わたしがパーティに行っていないことは理解してくれたようだ。

深夜2時頃。宴会も終わりに近づき、わたしも部屋に戻る。
カラオケ嬢がやって来るのを待つことにする。
これまでの行動パターンなら、だいたい深夜3時半か4時くらいには戻ってくるはずだった。

が、一向にやって来る気配なし。
電話もかかってこない。
こっちから電話するのも気が引けた。
それにわたしも酔っている。
ベッドでうつらうつらしているうちに、午前4時を経過。
そのまま朝を迎えてしまったが、やはり彼女はやって来ない。

 

一人きりのクリスマスイブの夜となった。

 

うーん、何とも虚しい。
ちっとも楽しくないぞ。

わたしから連絡する気はなかったが、翌日昼ごろに彼女から電話がかかってきた。
今アパートにいるから来て」と言う。
すぐに向かう。

笑顔のないまま再会。

昨晩はピーサオの部屋で朝まで飲んでいたらしい。
本当かどうかは知らない。どこかに男がいて一緒に過ごしていたかもしれない。

何やら言いたいことはお互いにあるが、口論になってもいいことなんかない。
その場に居合わせたアパートの住人たちも、言い争いはやめたほうがいいよとアドバイスしてくれた。

睡眠不足のうえに二日酔いなのか、カラオケ嬢はじきに寝てしまった。
寝顔は、やっぱりかわいいな。

とりあえず、仲直りしたようなしていないような不思議な感じ。

 

相手がいなければ寂しい
相手がいれば遊べない

二兎を追い求めると、どちらも逃してしまう。

まったくもって、クリスマスのパタヤはややこしい。

特定の相手を作らずに、パーティ行脚をしてから最後の最後にペイバーして一晩の相手を見繕うのが、たぶん、最も正しくて一番楽しい遊び方だとはわかりきっているんだけどねえ。

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