経営破綻したタイ航空。
政府が持ち株を売却したことにより、国営から民間企業となった。
裁判所へ更生手続の書類を提出し、受理されたことにより、裁判所の監督のもと、事業再建に取り組みことになっている。
その過程で、販売済みの航空券の返金はとうぶんの間は行わないと発表していた。
関連記事:タイ航空のチケット払い戻しは当分の間は不可。日本の発券カウンターは一時閉鎖中。
すでに返金申請をしていた人も返金を受けられずにいる状態だ。
チケット購入済みの人からは不安と不満の声が高まっている。
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タイ航空チケット返金に関する声明文
つい先日、タイ航空が、チケット保持者への声明を発表した。
Clarification regarding the notification of the Central Bankruptcy Court, Thailand (THAI Business Reorganization)
と題したアナウンスをホームページに掲載している。6月14日付け。
タイ中央裁判所の通知に関して明らかにすること(タイ航空事業再建)といったタイトルだ。
⇒https://www.thaiairways.com/en_TH/news/news_announcement/news_detail/News92.page
日本語版サイトでは、まだ掲載されていない。
おそらく数日遅れで日本語でのアナウンスがあるはずなので、今日か明日にでも公表されるかと思う。
・今後の法的手続き
・事業再建期間中における航空券払い戻し円滑化方針
・ロイヤルオーキッドプラスプログラムメンバーのための円滑化方針
・タイ航空チケット保持者のための円滑化方針
といった表題が付けられている。
いろいろ丁寧かつ回りくどく書かれているが、要は、現在は裁判所の管理下で事業再建の最中だから、すぐには返金できない。でもチケットは有効でマイレージも有効。返金以外にも日程変更といった代替措置があるから、そっちを利用してほしいと。
なんでも顧客の数は30万人以上いるそうだ。
たしかに全員にすぐに返金対応するのは物理的に不可能だろう。
さらにはそんな現金もないし、裁判所の管理下にあり勝手に債務を返済することはできない。
ちょっと気になったのは、「チケット保持者は、債務返済申請をする権利を持つ債権者とは見なさない」という一文。
運行が再開すれば航空券は行使可能だからというのが理由のようだ。
地元紙の解説記事では、「払い戻しを希望するチケット保持者は裁判所で債務交渉請求の手続きをする必要がないとタイ航空は主張している」となっている。
顧客の利益を守り、航空券の特権は維持することをタイ航空は約束していると。
払い戻しする場合は、最大で6ヶ月かかる可能性がある。
タイ航空の未払い債務は総額で2,449億バーツにのぼる。
参照:Bangkok Post
感想
タイ航空は、チケット保持者をなだめて落ち着かせようとしているが、結局のところ、チケット払い戻しに応じる気は当面なさそう。
裁判所に訴えようにも客にはその権利はないからな、と脅しているようにすら感じてしまう。
返金希望なら黙って6ヶ月は待っておけよと。
ただ、30万人にすぐに返金対応するのは、現実的にやはり不可能。
一部の返金希望者が声高に法的手続きを求めたり、いわゆる輩をかましたりすると、会社はその対応に追われるため、全体の作業効率が悪くなっていき、おとなしく待っている一般的利用者に不利益が生じることになりかねない。
返金要求は当然の権利だけれど、こういう事態になった以上、もうひたすら待つしかないのかも。
あとは、会社更生がうまく進んで無事にフライト再開できることを祈りつつ、日程変更でやり過ごしていく。
それにしても、タイは日本から遠い国になってしまったとつくづく思う。
タイ航空に乗って日本とタイを普通に行き来できるようになるのはいつになることか。
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