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エッセイ

クイティアオとレディボーイとワールドカップとイングランド人

投稿日:


一昨日の晩の話である。
最近ほとんど書いてないが、ちょっと沈没日記風に書いてみる。

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バミートムヤムとレディボーイ

晩飯はクイティアオで軽く済ませることに。
以前から気になっていたソイブッカオ沿いにある屋台だ。
ローカルタイ人からトムヤムスープがうまいと聞いていた。

厨房そばでオーダーを済ませて、奥で一つだけ空いているテーブルへ。
と、手前側のテーブルに二人の客が座っていた。間違いなく二人ともレディボーイだ。
彼女たち、もとい彼らたちが、視線を送ってくる。まとわりつくような熱視線である。
わたしが席についても、視線が追いかけてくる。
なにやらレディボーイ同士で言葉を交わしている。品定めだろうか。
いや、やめてほしい。
わたしはクイティアオが食べたいだけだ。

そのうち彼ら、もとい彼女たちのテーブルにクイティアオが運ばれきて、彼女たち、もとい彼らの視線は丼へと移動した。

直後、わたしのところにもバミートムヤムが到着。

バミートムヤム

レディボーイの口紅なみに赤いスープだ。
ぎょっとする色合いである。
が、見た目ほどの辛さはない。意外とマイルドでうまい。
ふむ。
人もクイティアオも見た目で判断してはいけない。
肝心なのは中身だ。
食べてみたらおいしいかもしれないではないか。
食わず嫌いはよくない。

いやでも、やっぱりレディボーイは食べたくないかな。

と、レディボーイは通りすがりの初老ファランに声をかけていた。
ファランも立ち止まり、しばらく話し込む。
レディボーイからの猛烈アピールにこたえている。まんざらでもない様子のファラン。
レディボーイとファランは電話番号交換しているようだった。

クイティアオは食べないがレディボーイなら食べるつもりか、ファランよ。
なんでも食べるがよろしい。

イングランド対クロアチア

ワールドカップ準決勝、イングランド対クロアチア戦が午前1時キックオフ。
いつものようにてきとうなバービアに陣取って、テレビ観戦。

ファラン客が二人いる。
どうやらどちらもイングランド出身のようだ。

このバービア自体は音楽控えで、居心地はいい。
が、近くのバーが音楽のボリュームを異常なほど上げてしまう。スピーカーが割れてしまうほどの大音量。
これでは試合に集中できない。頭が痛くなるほどだ。
イングランド人ファランも同じ思いのようで、スピーカーを指さしてから、耳をふさいでいる。
そのファランがチェックビンしたところで、イングランドが先制ゴール。ファランはゴールの瞬間を見逃してしまい、悔しがっていた。
わたしもほどなくチェックビン。

より静かそうなバービアへ移動。
どうやら今度はイタリア人経営のバービアのようだ。
そういえば、今回のワールドカップにはイタリアが出場していない。外野的にも寂しいが、イタリア人の悔しさは半端ないだろう。
さて、イタリア人は、クロアチアを応援していた。イングランド嫌いなのかね。それとも地理的にはクロアチアのほうが近いからか。

ちなみには、わたしはクロアチア訪問歴あり。
しかも90年代後半のユーゴ内戦終結後だったため、すごく物騒だった覚えしかない。
ブランコ・シカティックやミルコ・クロコップみたいなやつが意味もなく町中をふらふらしていた。おっかない。
モドリッチみたいな優男はいない。

イングランド人がFワード

ハーフタイムになったところで、さらに河岸を変える。

客がいっぱいのバービアだ。
どうやら大半がイングランド人の模様。
バービア嬢たちもみんなイングランドの応援。
大盛り上がりだ。

わたしの横に座っているのもイングランド人。
が、こいつがとにかくうるさい。
なにかあるたびに、Fで始める4文字言葉を連呼する。
ファッ○オフ、○ァックオフとうるさいったらありゃしない。

クロアチアに同点に追いつかれた瞬間はFの連呼。席を立ってあちこちふらふらと動きまわる。
まあ、落ち着けよ。英国紳士だろ。

90分で決着がつかず、試合は延長戦へ。
そして延長後半、ついにクロアチアが逆転ゴール。
バービア、いやバービア群全体から悲鳴が上がる。
もちろん、わたしの隣では、今回最大限のF、F、F、F!
すべての単語にFをつけるのだ。
英国紳士なんて嘘っぱちだね。あれは、一部の階級だけ。
パタヤでクダ巻いているイギリス人なんて不良ばかり。
気のいいやつももちろんたくさんいるが、基本不良。

ワールドカップテレビ

ほどなくして試合終了。クロアチア勝利。
隣のイングランド人はすぐさまチェックビンして、Fを吐き捨てながら、どこかへ消えいていった。
さらば、イングランド。

日本が負けた時にもタイ人から言われたが、なにやら敗退を意味するようなタイ語があるみたい。単純に負けるの「ペー」と違うみたいでよく理解できなかった。
すると、「ガップバーン」と言い直してくれた。
これならわかる。ガップが戻るとか帰る。バーンが家とか故郷。ガップバーンで、うちに帰る。
さらに、眠るの「ノーン」も付け加えて、「ガップバーンノーン」で、うちに帰って寝るとなる。

イングランドもガップバーンノーンだ。
(正確には3位決定戦が残っているけど)

時刻ははすでに深夜4時前。
宵っ張りのパタヤでも、さすがに遅い。
みんなうちに帰って寝るべし。
わたしも帰って寝る。
一人寝だが、日本が負けたわけじゃないので、余裕で眠れた。
イングランド人は眠れないだろうな。
深夜でも暗がりで獲物を物色しているレディボーイになぐさめてもらってほしい。

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