パタヤ千夜一夜

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『津波ーアンダマンの涙』白石昇

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スマトラ島沖地震が起きたのが2004年12月26日。
タイ南部のアンダマン湾岸エリアでは甚大な被害を受けた。
プーケット、パンガー、クラビなど、死者は5000人以上とされる。

わたしがタイ南部を初めて旅行したのは、2011年。プーケットだった。
地震や津波の爪痕はまったく見当たらなかった。
が、津波を警告する看板がいくつも建てられているのが印象的だった。

これはのちにクラビやカオラックを旅行したときも同様。

カオラックナントンビーチへの道 (1)

津波発生時の避難ルートを示す看板をあちこちで目にした。

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津波ーアンダマンの涙

さて、本書。
白石昇『津波ーアンダマンの涙』である。

津波アンダマンの涙 (1)

本が出版されたのが2009年3月。
発売当時に購入していたが、読んだのは2018年3月のこと。実に10年以上も積読状態にしていた。もったいない話。
でも読んでよかった。

著者はタイ在住で日本の新聞社から通訳兼ガイドとして雇われ、スマトラ沖地震の取材に同行することとなった。

津波アンダマンの涙 (2)

目次にあるように、時系列を追った日記形式で書かれている。
プーケット、ピピ島、パンガーなど現地の凄惨な様子が取材チームの助手という形ながらも克明に描かれる。
同時に自分の心境についても吐露する。
現地の人と外国人記者の間の立場ゆえに、葛藤も大きい。それだけにリアルな心情だ。

いかにも純文学が好きそうな文体ではあるし、ところどころに日本のマスコミの取材方法について甘ったるいような苦言を呈している箇所が散見される。
でもそれほど気にならない。
最後には取材チームから外れ、単独でスリン島へ。
心が揺れ動かされる。

本書に通底するタイ語は、「ナムチャイ」。
ナムが水、チャイが心。
直訳すると心の水となり、日本語で親切、英語でkindness。
同情と呼んでもいい。

他人を思いやる心。
そのナムチャイを通じて、タイ人を知る手がかりにもなる。

地震発生後、カラバオというタイの国民的歌手が「アンダマンの涙 น้ำตาอันดามัน 」という楽曲を制作して、すぐに無料リリース。

これは著者の白石昇氏による日本語カバーバージョン。

地震が14年前、出版が9年前だが、タイが好きで地震と津波の恐ろしさをよく知る日本人なら読んでおいてもいいかなと。
そこまでおすすめ本ではないけれど、興味がある人はどうぞ。

なお、プーケットでの日本の検死チームの話が登場する。
この本には、そのときの検死の模様がびっちり描かれていて、いかに現場が壮絶だったかよくわかる。

この本もとても興味深い。
タイ好きが読む本としては、こちらのほうがおすすめ。単純におもしろいネタの宝庫となっている。

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